旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅を楽しむための英語

2007年12月03日 | 旅行一般
自由気ままに旅を楽しむためには英語は欠かせません。と、のっけから以前自分自身が書いた記事に反する結論を書いてみました。

以前、書いたように、海外を旅するうえで、英語が話せなくても何とかなります。そして、英語が通じる国というのは日本で考えられているよりもずっと少ないというのも事実です。それでも自由気ままに旅しようとするのであれば、やはり英語が理解できる必要があるというのも前記と矛盾しない事実であります。

これには2つの側面があります。1つは情報収集する上での利便性。

あなたが、ガイドブックを熟読して、それをトレースする事を旅だと考えているのであれば、語学は必要ありません。生活一般は身振り手振りで何とでもなりますし、自分の行動はガイドブックの情報を追えば良いでしょう。しかし、それでは、ガイドブックに載っている所しか訪れる事はできませんし、自由な旅とは言えないと思います。

必要となってくるのは現地での情報収集。大きく2つに分類できます。

1つは旅先で会った日本人からの情報。文化的土壌を同じくする日本人からの情報は言語の面でも、その正確さの面でも信頼性は高いといえます。日本人はインターネット上を除いては、あまり不正確な情報を堂々と他人に伝えたりはしませんし、同じ日本人が"面白い"と感じた場所は、自分にとっても面白い場所である事が多いです。だから情報収集の観点からは、旅先で最優先で捕獲するのは他の日本人旅行者ですね。

たまに、日本人と見ると目を逸らす日本人や、話しかけても知らんぷりの日本人を見かけますが、そういう人は旅の初心者でしょうから、たいした情報を持っていないのでスルーして問題ありません。

英語ができなければ、情報はここまでに限られます。ただ、旅先で日本人をと出会う事ができる幸運はいつも手にできるとは限りません。

そこで次善の策として英語の登場です。現地の旅行関係事業者、現地で出会う他国からの旅行者など一気に情報源は増加します。

英語が通じない国では、英語ができる人間を捕獲する事に成功した場合、自分が求めている情報を一気にその人物から聞き出すように準備しておきましょう。

意外とおすすめなのは、安宿で何か国かの旅人が雑談しているのに、それとなく参加してみる事。ここで聞き出した情報を元に自分の知らなかった訪れるべき町について知ったりする事は多々あります。母国語が英語の人は少ないですから、皆、わかりやすい英語で話してくれます。

ただし、文化的な土壌の違いからか、こうやって得た情報の正確さは日本人から得た物よりも不正確であったり、実際訪れてみると日本人にとってはあまり興味の無い場所だったりする事もあるので、英語情報の場合は何人かに話を聞いてみる事がポイントです。

もう1つの側面は、現地の言葉を覚える上での利便性です。

"○○の事をアラビア語では何と言うの?"
と日本語で尋ねて答えてくれる人は現地にはあまりいません。
しかし、英語で尋ねれば答えてくれる人はそれなりに見つけられます。

それを少しずつ積み上げながら、現地の言葉を片言でも、覚えていけば更に自分の自由度は広がります。もちろん、最初に覚えるのは"○○の事をXX語では何と言いますか?"という現地の言葉、これを積み重ねていけば旅の自由度はどんどん広がっていきます。

それから、これは日本の英語教育に於て配慮が不足している点であるといつも思うのですが、日本語は他の国の言語と比較して、特殊な単語配列を行う言語です。確かバスク語が日本語と同じ配列の数少ない言語だったと記憶しているのですが、私は言語学者ではありませんので、いいかげんな知識です。

つまり、うろ覚えの単語を並べて何かを伝えようとする場合、その単語を英語的に配列した方が通じる可能性が高いという事。これも知っておいて損はないかと思います。

例えば、タイ語で実験してみましょう。

私=ポゥム、~したい=チャ、行く=パイ。以上が各単語。
日本語的に配置して、"私はチェンマイに行きたい"と置いてみると
"ポゥム チェンマイ パイ チャ"。

わかりませんが、多分、通じません。

英語的に配置してみると"I Want to go Chiang Mai."
"ポゥム チャ パイ チェンマイ"
正確かどうかはわかりませんが、通じます。

旅人にとっての英語は"道具"の一つ。だからネイティブな発音に拘る必要はありません。RとLの発音が間違っていても通じますし、そんな事を気にするより、どんどん話してみる事です。そして相手の返事が聞き取れなかったら理解できるまで聞き直す事です。

どんどん話すといっても、両手を広げて"Oh my Good"とかを連発しないように。日本人は日本人らしく、控え目にいきましょう。アメリカ人的オーバーアクションなリアクションは反感を買う事も多いので要注意です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿