旅のウンチク

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スーパーカブで旅するタイ北部報告-第3日:3月17日

2014年03月27日 | 旅の風景

 いよいよチェンマイからのスーパーカブの旅が始まります。ゲストハウスでコーヒーを飲みながら皆で少しのんびりしていたらゲストハウスのオーナーが”今から出かけなければならないから、コーヒー代を集金して、デスクに置いて、表の鍵をかけて行ってね。それじゃあ次は金曜日に!!”と言い残して出て行ってしまいました。何とも雑な感じもしますが、それよりも信用されるようになったという事なのでしょう。

 ぶらぶら歩いて、まずはチャンプアック市場の屋台でお粥の朝食。またぶらぶら歩いてレンタルバイクを受け取りに向かいます。実はこの”ぶらぶら歩く”距離はチェンマイの旧市街をほぼ縦断する距離があります。ご参加いただいた方々はご存じのとおりこのツアーでは宿の前までお迎えが来る事も無ければボーイが荷物を運んでくれる事もありません。だから装備品が多ければ多いほどこの”ぶらぶら移動”が大変になります。人ごみの中の屋台の食事中もまたこの装備品が負担となります。自分が少しでも快適に過ごそうとして増えた荷物が自分に不自由をさせるという”先進国”を気取る我々の社会のジレンマをも感じさせてくれる....のかもしれません。

 レンタルバイクショップには約束の時刻より少し遅れて到着。バイクを無事受け取って手続きを済ませたらいよいよスタートなのですが、実はこのツアー全体の中でおそらく運転が最も難しい瞬間。慣れない道路、慣れないバイクで、特に日本で排気量とパワーに物を言わせて走った事しかないライダーにとっては”ずるずるスタートして、合図出して割り込む”走り方はなかなか難しいですし、第一、レンタルバイクショップの周辺は交通量もとても多いのです。

 幸いにして今回はなぜかチェンマイの交通量は少な目で、交通が途切れてくれたので容易に走り始めることが出来ました。チェンマイの町を出るまでの交通も今までで最も少ない印象。余裕をもって走れます。

 ドイ・サケットを過ぎると山越えになります。周囲はずっと山の中。後続の四輪はかなりのスピードでどんどん抜いていきます。できるだけバックミラーを見て後続に道を譲るのですが速度差が大きいので(それでもこちらも60km/h~70km/hで走っている)あっという間に追いつかれて気がつかないところを抜かれて”ドキッ”とする事もあります。

 メカチャンの温泉の足湯で一休み。そういえば第一回の頃はまだここも建設中。つまりメカチャンの温泉施設と"スーパーカブで旅するタイ北部"はほとんど同じ歴史を持っているという事もできます。

 そして同じく、不思議な縁で第一回以来ずっと初日の昼食ポイントとなっているのはカオマンカイのお店。第一回の頃は街中にあって、”そろそろ昼食だなぁ”と徐行運転していて偶然入ったお店なのですが、その後郊外へ移転。丁度移転する前年に復路でも通りかかって新しい場所を教えてもらったおかげで連綿とその後も恒例の昼食場所となっています。
 
 場所が移転してからは、チェンライ方向へ向かって進行している場合、中央分離帯が邪魔をしていて、少しUターンして入る事になります。食事をしながら久しぶりの再会を祝っていると若い白人女性の二人組がスクーターに乗ってやってきました。よくこの店を見つけたものだと少し驚きです。
 
 このお店、ほぼまったく英語は通じないのですが、お店の夫婦は容赦なくタイ語で話しかけます。どうやら我々の次の目的地であるワットルンクンへ向かっているとの事から、お店の夫婦に説得されて、急遽、このドイツ女性二人が合流することになりました。一応、我々は途中でガソリンスタンドに寄る旨説明して出発。

 メカチャンを過ぎるとほとんど平地での走行になります。町を通過する事も多くなり、午前中の”山の中”とは印象が違ってきます。給油予定のメスワイへ向かって淡々と走っていると、最後尾のお客様が追い付いてきて、合流した二人のガソリンが無いらしいとの事で、予定より少し早目の給油。給油しながら話してみると、”燃料ゲージの針が急に動いてほとんどゼロになって焦った”との事。バイクの燃料タンクは複雑な形をしているので、時々こういう事が起こりますね。

 ワットルンクンで彼女達とはお別れ。ドイツチームはチェンマイへ戻り、我々はもう一息、チェンライへ。いつものゲストハウスに無事部屋は空いており、スムーズな旅となりました。

 ナイトバザールで夕食の後、場所を変えて少し飲みすぎ、散財と若干の記憶喪失の夜はふけていったのでありました。



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