サマースクールで「教室を涼しくする工夫を考えよう」の授業を行い、
教室内の温度を調べた後、涼しくする方法をみんなで一緒に考えました。
実施日時:2023年8月29日(火) 9:00~10:30
実施校:戸塚小学校 4~6年生 8人
講師:埼玉建築士会川口支部、川口市地球温暖化防止活動推進センター
実施場所:教室
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「教室を涼しくする工夫を考えよう」
この授業では、
地球温暖化を背景に年々気温が上がっていく夏を少しでも涼しく過ごすための教室づくりを、みんなで一緒に考えました。
きっかけは、夏、エアコンをつけても教室の中がとても暑いということから始まった授業でした。
まずは、埼玉建築士会川口支部の方から、
夏の暑さと建物についてのお話をしてもらいました。
「教室の周りにはどのような暑さがあるのか?」
「熱はどのようにして、教室の中に入ってくるのか?」
「熱を伝えやすいもの、伝えにくいもの」
「例えば建物の天井や壁には、このような熱を伝えにくい”断熱材”を入れて、建物に暑さや寒さが入りにくいようにしています。」
お話を聞いたあと、
教室の温度を、赤外線放射温度計を使ってみんなで調べてみました。
教室の前、後ろ、窓側、廊下側…それぞれの壁の表面温度、
そして天井など、色々なところの温度を測定しました。
さらには、みんなが座る席の室温も温度計で測ります。
窓側に近い席、廊下側に近い席、真ん中…
(写真:窓・壁・天井などの温度を測る様子)
温度を測定した後、講師の先生から参加者に、
「一番暑かったところ(温度が高かったところ)を指さしてください!」との声が。
皆が一斉に指さしたのは、、、、
(写真:「測定温度が一番高かったところ」を指さす児童たち)
やはり、太陽の光が入ってくる窓でした!
窓側の席の人の方が、廊下側の席の人より暑さを感じていたのは、このせいだったんですね。
(写真:測定結果(一例))
温度を見てみると、やはり窓が断トツで高い(C:38.7度)ことがわかります。
※なお、エアコンは設定温度18度で運転しています
測定がひと段落したところで、講師の先生からこんな言葉が。
「実は今日、事前に、隣の教室で涼しさ対策をしてみました。
違うかどうか、みんなで隣に行ってみましょう。」
この教室では、
・窓にアルミ断熱シートを貼っている
・教室(最上階に位置)の屋上に遮光ネットを置いている
という涼しさ対策をしてありました。
この教室でも温度を測ってみました。
「涼しさ対策を実施した教室」の方が、「普段の教室」に比べて、
一番暑かったC(窓)の温度が 約3度 低いことがわかりました!
他の場所も低く、だいたい2度くらいの差が出ていました。
教室での温度測定が終わった後は、皆で屋上に向かいました。
涼しさ対策をした教室の上に置いていた「遮光ネット」があるところの温度と、太陽に照らされた何もないところの温度を測ります。すると、、、、
何もないところ:56.5度
遮光ネットがあるところ:40.2度
なんと、約16度の差があることがわかりました!
これだけ違えば、この屋上の下にある教室の温度が違ってくるのも納得ですね。
最後に教室に戻り、
熱を伝えにくい最新の窓のお話をお聞きし、実際にさわって体感してみました。
ガラスの違い
(一枚のガラス(単板ガラス)と、二重にした複層ガラスやコーティングしたLow-E複層ガラスでは、ガラスの表面温度が全然違います)
窓枠の違い
(アルミ材よりも樹脂材の方が熱が伝わりにくい)
皆が自分の目と体で涼しさ対策の効果を実感したところで、最後の感想タイムです。
「温度を比べてみるのが面白かった」
「最新のガラスはぜんぜん違った」
「今日学んだことの中で家でも工夫できそうなところがあった」
など、みんなそれぞれとても有意義な時間を過ごせたようです。
世界ではなかなか環境破壊が止まらず、地球温暖化が地球「沸騰化」とまで呼ばれる時代になってしまいました。
今後ますます暑い夏がやってくることが心配される中、二酸化炭素の排出量を少しでも増やさずにすむようなエコな涼しさ対策を、皆様も試されてみてはいかがでしょうか?
(太田樹)
【最後に・・・】
今回の対策(窓にアルミ断熱シート、屋上に遮光ネット)では、窓からの日射が入りにくくなること、また台風など強い風が吹く時は遮光ネットを取り外す必要があることなど、運用面で学校の手間がかかる心配もあります・・・
いつの日か、学校の建物が、今回ご紹介したような断熱性能の高い窓になり、天井には断熱材、または屋上に遮熱塗料が塗られるなど、断熱対策をしっかり取ってもらえるようになるといいなぁと思いました。(浅羽理恵)
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