大阪の橋本市長に「このままでは橋本ブラックアウトと呼ばれるぞ」と大飯原発の再稼働容認を働きかけたという大前研一氏。氏の「新・エネルギー復興戦略」が週刊ポストの8月17日号に紹介されていた。が、疑問点がある。それは、政府の2030年のシナリオが自然エネルギーの電源比率が30%になっていること自体が無謀だというのだ。理由はこうだ。自然エネの稼働率は風力が平均20%、太陽光は15%くらいしかないので、風力と太陽光で20%の電源をまかなうには、日本に必要な電力量の100%を発電できる設備を作らなければならない。しかし、これは太陽光発電も風力もフル稼働している時には日本全体の需要を満たしてしまうので、火力や原子力を止めなくてはならないが、原子力はもとより、火力も急に止めるのは難しい。かといって、フル稼働時の大きな電力を蓄電池に貯めることも難しい。また、太陽光や風力が動かない時に代替するために、普段稼働しない火力発電設備を2割は持っていなければならなくなるので無駄だ。という論点だ。
しかし、大前氏は太陽光発電がなんであるかがわかっていなのではないか。もし自宅で100Wでもいいから太陽光パネルを設置し、ディープ・サイクル・バッテリーなどに逐電して夜にLEDライトなどを灯したことがあれば、「使いきれない太陽光発電のエネルギーを蓄電池に貯めることは現実的ではない」という発言はピントがずれていると気が付くはずだ。太陽光発電はそもそも、一日平均3時間しか発電しない。しかも平均値であって、日によって7時間発電する日もあれば、ほとんど発電しない日もあるのだ。また、夜は全く発電しない。太陽光というこの不安定で気まぐれな電源は、蓄電池とセットであるのが常識なのだ。
もちろん、蓄電池はコストがかかるので、42円で発電電力を電力会社に無条件で買い取ってもらえる大規模ソーラー発電所の大半は、自前では蓄電池をつけないだろう。しかし、今は大規模ソーラー発電の普及を優先しているので蓄電池を義務化していないが、太陽光パネルの値段が下がるにつれて、大規模ソーラー発電所に蓄電池を入れることを条件にして安定的に電力を供給することを求めたりすることはできる。大規模ソーラー発電と蓄電池のセットの普及は十分両立するのだ。蓄電池技術は日本が世界一なので、技術革新も期待できる。
従って、大前氏の「太陽光と風力で20%は無理」という発想は、想像力の欠如といわざるを得ない。69歳の大前氏には、今からでも遅くないので、自宅に50Wでいいから太陽光パネル1枚とディープ・サイクル・バッテリーを2~3万円程度で買って、御天道様の発電を経験してみていただきたい。
しかし、大前氏は太陽光発電がなんであるかがわかっていなのではないか。もし自宅で100Wでもいいから太陽光パネルを設置し、ディープ・サイクル・バッテリーなどに逐電して夜にLEDライトなどを灯したことがあれば、「使いきれない太陽光発電のエネルギーを蓄電池に貯めることは現実的ではない」という発言はピントがずれていると気が付くはずだ。太陽光発電はそもそも、一日平均3時間しか発電しない。しかも平均値であって、日によって7時間発電する日もあれば、ほとんど発電しない日もあるのだ。また、夜は全く発電しない。太陽光というこの不安定で気まぐれな電源は、蓄電池とセットであるのが常識なのだ。
もちろん、蓄電池はコストがかかるので、42円で発電電力を電力会社に無条件で買い取ってもらえる大規模ソーラー発電所の大半は、自前では蓄電池をつけないだろう。しかし、今は大規模ソーラー発電の普及を優先しているので蓄電池を義務化していないが、太陽光パネルの値段が下がるにつれて、大規模ソーラー発電所に蓄電池を入れることを条件にして安定的に電力を供給することを求めたりすることはできる。大規模ソーラー発電と蓄電池のセットの普及は十分両立するのだ。蓄電池技術は日本が世界一なので、技術革新も期待できる。
従って、大前氏の「太陽光と風力で20%は無理」という発想は、想像力の欠如といわざるを得ない。69歳の大前氏には、今からでも遅くないので、自宅に50Wでいいから太陽光パネル1枚とディープ・サイクル・バッテリーを2~3万円程度で買って、御天道様の発電を経験してみていただきたい。