家の庭で品種改良!

庭でみかんの品種改良やってます

ひめのつき半数体?

2015年08月03日 17時53分54秒 | 品種改良の話
4月ぐらいに蒔いた、ひめのつき小粒種子。
それから発芽した実生の中に半数体のように成長が遅く、葉が小さい個体を発見しました!



すでに発芽から3,4か月たっているにもかかわらず、いまだにこの大きさです…。

発芽した当初の頂芽は樹勢があまりにも弱いために枯れ落ち、いま出ている芽はその横から出たわき目にあたります!!
枯れる前にコルヒチン処理をしたいなぁと考えてますが、コルヒチンは手に入れられず…。
(そもそも半数体かどうかはっきりしていないので、そこをまずはっきりさせないといけませんが…。)
なかなかうまくいきません…。

極小粒種子について

2015年05月23日 22時50分36秒 | 品種改良の話
前に話した小粒種子のでも、特に小さいものがたまにあります!
(それを僕は極小粒種子と呼んでいます!)

そして、先日アンコールというミカンからとった、極小粒種子が発芽してきました!




とても小さな種子です。



横から見ると確かに、芽にあたる部分が膨らみ始めています!
まだまだ気が抜けないですが、慎重に育てていきたいと思います(^^♪

カンキツの小粒種子について

2015年04月19日 20時53分18秒 | 品種改良の話
先日話した単胚性・多胚性。
今日はその中の単胚性種子の小粒種子の話をしたいと思います!

同じ品種の単胚性種子の中に特に大きさの小さい種子があることが時々あります。
その普通より小さい種子を小粒種子と言います!



小粒種子は3倍体か4倍体か1倍体(半数体)の可能性があり、また変異が多いことから、
今まで小粒種子から、
半数体晩白柚
90T9(2倍体の無核の文旦←今までになかった無核形質を示していた)
などが作られているんです!
先日紹介したアルビノの個体も小粒種子から発芽したものであります!

そんな我が家にある小粒種子から発芽した個体をいくつか紹介したいと思います!





↑オロブロンコの小粒種子から発芽した個体。
葉が分厚いことや枝が太いことから3倍体か4倍体だと思います!
(見ての通り枝が太く、節目でやや曲がっています。)




↑メロゴールドの小粒種子から発芽した個体。
一番最初に出た葉がとても小さいにも関わらず、その後急激に成長しています!
(急激に成長するのは3倍体実生や4倍体実生の特徴です)



↑たまみ小粒種子から発芽した個体。
何倍体かわかりませんが、
葉が柳のような形をしていて成長がとても遅いです。

こんな感じで、小種子からは普通じゃない個体が生まれるので、とても面白いです!
皆さんもぜひ蒔いてみてください(^<^)

単胚性・多胚性

2015年04月19日 20時50分47秒 | 品種改良の話

カンキツ類特有の性質として、単胚性種子と多胚性種子というものがあります!


単胚性種子とは、その名の通り胚が種子の中に一つ含まれている種子、
多胚性種子とは一つの種子の中に種子がたくさん含まれている種子のことを言います。

 

例えばこれはシークワーサーの種ですが、皮をむいて中身を出すと、

 

このように二つの種が出てきます。

(種が二つに割れたわけではなく、両方ともちゃんと発芽します)

今回は二つだけでしたが、場合によってはもっとたくさんの種が出てきます。

 

興味深いのが、たくさん出てきた種のうち、母親と父親の血を引いた種はたった一つだけであり、他はすべて母親のクローンとなってしまうということです。この単胚性種子ができるか多胚性種子ができるかは品種ごとに決まっており、温州ミカンは多胚性、ブンタン系の多くの品種は単胚性種子を形成することが分かっています。母親のクローンは品種改良においては必要ありませんから、多胚性の種子を作る品種を母親にしてしまうと、品種改良の効率が大きく落ちてしまいまうわけです。

 

日本でカンキツの品種改良が始まったころは、手で向ける温州ミカンのような品種は、ほとんどが多胚性種子を作る品種ばかりだったため、その品種改良は困難を極めたといわれています。それを解決したのが、有名な清見という品種。多胚性種子を作る品種同士から生まれた品種ですが、奇跡的に単胚性種子を形成したため、ためべおいしい品種というだけでなく、交配親としても大いに活躍しました。

 

現在ある品種は、その親をたどるとどこかで必ず清見に行き当たるといっても過言ではありません。それほどにも、清見は交配親として使われたわけですが、その背景には、この特殊な種の性質があったというわけです。