「官房長」
「諸君、デジタル侵略計画は進んでいるか?」
「それが地球人に配布したマスクの情報公開請求を求められてました」
「情報公開請求だと!」
「マスクを配布した文書を黒塗りにしてあるのは、政策の是非を議論できず不当だ!と」
「なに!」
「地球人が知りる権利だと言っています」
「提督にチャットを送ろう」
テイトク?チキュウジンガ(・・!メンドクサイコトヲ(--)
ソチニハカラエ(^^)
テイトク(==!
キョウカラキミガテイトクダ(^^)
「今日から提督になった」
「えー!」
「えッ!」
「キミじゃない。このワシじゃ」
「提督は病に倒れ、病後まだ不自由な体で、切り紙をはじめた」
「元提督」
「は、早や」
「グワッシュで…」
「楳図かずお?」
「それちょっと違う。グワッシ!だから」
「グワッシュで一色に塗りこめられた紙を鋏(はさみ)で切り抜いてゆき、別の紙に貼る。つまり、バビエ・コレ、またはコラージュである。全宇宙の構成にも、地球にも、よほど厳格なデッサン力と色彩感覚とかなければできない業だ!」
「宴じゃー」
≪アンリ・マティス/ジャズ≫
≪アンリ・マティス/ジャズ≫
「デッサンはやりなおしがきかないし、色紙は操作を許さない。全体を構成するめどがはじめから終わりまで決定されなければならない」
「いわば、必然と偶然とが出会って、完璧になるのよ」
「光も影もない、色だけのデッサンだといってもよい」
「カット!おつかれさまでしたー」
「ふう…」
「今回はSF要素を入れてミュージカル風にアンリ・マティスの設定で…」
「わたし大混乱よ」
」
『リモート・ボナール』白い下着の少女トルソ