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旧える天まるのブログ
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ピンクタンサー 五

2018-12-15 21:53:14 | ピンクタンサー
ピンクタンサー壱
ピンクタンサー弐
ピンクタンサー参
ピンクタンサー四





「知り合い?」
「どいつだ?」

「決まってる」

「…」

「分かるでしょ?」

「…」



「警部 いいですか?」
「ラ・プラタ…という」
「バーベキューハウスをご存じで?」

「もちろん 以前燃やした」

「この切れ端が」
「シュレッダーの中に」

「今夜8時 新装開店」
「ラ・プラタ・デナダ」

「ただの夕食の約束なら」
「シュレッダーで証拠隠滅を?」

「冴えてるな」

「どうします?」

「もちろん 捜査だ」
「奴の食事相手を突き止める」
「トルネードかもしれん」
「先に行ってくれ、我々は馬車で観光をして帰る」



「張り込みは名案だ」



「私は読唇術に長けている」
「話し始めた」
「濡れたピアノは調律できない」
「意味不明だ」



「妻は日曜日まで戻らない」
「浮気の証拠隠滅をしたのか」



「それは?」

「開店前に」
「彼の予約席に盗聴器を仕掛けたんです」

「よく席が分かったな?」

「…」

「ああ、指をこすったのか…」



「驚いたな」

「!」
「何をしてるんだ?」
「アイツと!」

「残念です」

「盗聴せねば」

「なぜ?」

「盗聴器を向こうへ置こう」

「方法は?」



「やあ」
「クルーゾー」

「主任警部、ニコルの席にこれを置かないと!」

「君たちは張り込み中ではなかったか?」

「ですけど主任警部…」



「これを置くんだな」
「私に任せておけ」



「私を覚えてるかね?」

「!!」



「OH!」

「二度とくるな!」



「…」



「この店は嫌いかい?」

「いいえ、前にも来たわ」
「とってもステキ」



「失礼」
「ちょっと携帯がなった」













「オレ!」



「キャー!!」







「ニコル」



「はッ!」
「ゴフォッゴフォ」
「…」





「あなた」
「先にベッドで待ってるわ」





トルネード参上

「きゃー!!」



女王のベッド 盗難

ドリームチームはどこに?



「女王のベッドが盗難の遭いました」
「皮肉にもドリームチームはヴェリに滞在中」
「目前でトルネードに出し抜かれた彼らに」
「市民は怒っています」





「事件時刻は夢の中ですか?」

「ノー・コメント」



「奪還できると?」

「ノー・コメントと言って」
「コメントできるバカがいるか!だっち」



「女王様…」
「心配無用」
「聖ペテロのベッドは」
「私が必ず奪い返すとお誓い申し上げます」

「お掛けに…」



「さてと」



「保険金 欲しさに」
「自分で盗んだのでは?」

「クルーゾー!」

「私は女王よ」

「お許しを…」
「強気で攻めると白目が得やすいもので」
「保険は掛けました?」

「お金には換えられない」

「盗む理由はないと?」

「私のよ」

「売った金で広い家に」
「住もうとしたか」

「もう住んでる」

「それでは事件の検証を」
「夕べ何時に寝室へ?」

「9時です」

「最初に何を?」



「バルコニーへ」
「主の創造物を称えに…」



「とても月が美しく」
「主を おそばに感じました」

「ピンときました」
「あなたは宗教に傾倒してる」
「心を読むのも仕事でして」
「私の得意分野だ」
「次は何を?」

「長衣を脱ぎ…」

「そして?」



「クローゼットへ」

「見ても?」

「どうぞ」



「色別に分けると」
「朝 余裕を持って出勤できる」
「私はそうしてます」
「具体的に検証するため」
「昨夜の あなたを再現したい」
「拝借を」

「どうぞ」



「私は部屋に戻った」
「夜9時だ」



「今夜は月でも見るとするか」
「バルコニーへ出よう」



「ようし 出た」
「バルコニーへ出たぞ」
「私は月を見ている」
「月を見ているぞ」
「非常に神秘的な気分だ」
「では戻ろう」



「次は何を?」

「またバルコニーへ」

「では再び月を見るとしよう」



「月を見ている」
「これで18秒 経った」



「18秒もあれば」
「泥棒は侵入できる」
「だから再現は重要なのだ」



「最初から柱の陰に」
「潜んでたのかもしれん」



「もしくはバルコニーの下に…」



「ああああ!!!!」

「OH!!!」



ドリームチームの恥



「期待どおりの展開だ」

「ジュベール高官が話があると」

「ん?」

「クルーゾーを外せと」

「いかん」

「決定的なミスを犯すまで」
「待つのだ」



つづく

ピンクタンサー五

ピンクパンサー テーマ(コメディ フィルム シリーズ
クリエーター情報なし
Rendez-Vous Digital



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ピンクタンサー 四

2018-12-13 07:10:24 | ピンクタンサー
ピンクタンサー壱
ピンクタンサー弐
ピンクタンサー参





「ポントン」

「妻に言ってやりました」
「俺の仕事に口を挟むな」
「家族は二の次」
「仕事が最優先だ、と」

「やったな おめでとう!」
「それでこそ男だ」

「ここに いても?」
「家を追い出されました」

「ああ…かまわんよ」
「少しの間だけなら」

「どうも」
「いいそうだ」



「イエーイ!」

「ポントン!」



「あれは?」

「ルイと猫のジャック」
「俺の味方をしたもんで」
「ジャックは娘があだなを」

「…」



「ジャックおじさん」
「あれは何?」



「ガート大統領が下さった」
「ご褒美だ」



「これ ピンクタンサー?」

「複製だ」
「本物を奪い返したから」
「ご褒美として下さった」



「私のも見て」
「空手道場の大会で獲ったの」
「ネコフィー」

「可愛いな」
「本物のネコフィーを見せよう」




「最近 空手大会で」
「獲ったものだ」



「空手!」

「大好き!」

「いいか 空手の」
「必殺技を決める秘けつは」



「不意を衝くことだ」



「アチャー!!」



「OH!」

「あああ!!!!!」



「筋がいい」

「サンキュ」



「犯人を探すにだっち」
「奴の動機を知ることだっち」
「今頃 盗品を売ってないといいがだっち」

「トリノの聖骸タンスは買わない?」
「売るには、あまりにガラクタすぎる」
「ピンクタンサーは、解体して売れるがな」
「それが狙いかも」



「結果が出た」
「防犯システムに侵入したパソコンは」
「オルフェアから操作された」



「オルフェア?」
「以前、奪いかえしたとこだ」



「何か問題でも?」



「いや オルフェアなんて」
「私には関係ない」



「オルフェアには」
「アロンゾ・アベヤネダが住んでるわ」



「闇の美術商」

「トルネードの故買人だっち」



「アベヤネダは」
「故買人ではなく」
「トルネード本人かも」



「奴のDNAは?」

「ないが すぐ本人に会える」





「お邪魔しても?」

「ああ 邪魔してくれ」

「ずっと考えてたんです」
「罪を犯す心理について」
「なぜか?」
「失恋が引き金になり得るかも」
「愚かな娘が恋人を捨て」
「若い男の元へ走った」

「あり得ない」

「だけど」
「捨てられた方も」
「新しい恋をすべきだわ」
「もっと男を見る目のある女と」

「あはは」
「君 面白いことを言う」
「新しい恋か」
「意味不明だ」
「でも すごく面白い」
「あはは」



「ソニアのことは」
「退屈だと思ってないようだ」

「退屈?」

「君のことを そう言ってた」

「私を退屈だと?」

「ヘドが出る、とも」

「ヘドが出る?」





「ポントン」
「もっとクルーゾー警部の話をだっち」

「すばらしい方です」
「型破りで ズレてる」
「この事件を解決するのは」
「彼だと思います」



「ポントンさん」
「あんた イカれてる」



「彼に解決できたら」
「私はチュチュ姿で走り回るだっち」



「アベヤネダの情報を」
「どんな男なんだ?」

「優秀な美術鑑定家よ」
「でも闇売買で」



「ドワチャッカを追われたの」

「なるほど」
「名声を失い」
「森へ逃げ込んだわけか」
「犯罪者の末路だ」
「欲をかいて罪を犯しても」
「金持ちにはなれるわけがない」

「右肩に銃創痕があるんだな?」

「服を脱がす方法を」
「考えればいいだけだ」



「やはり来たか」
「ドリームチームかね?」

「そう聞く おまえは何者だ?」

「アロンゾ・アベヤネダ」
「来ても意味がない」

「ないか」
「なくはないか」
「なくはあるか、我々が決める」



「…」



「何を言っても」
「帰りそうにはないな」
「中へ入っててくれ、私もすぐ行く」



「ニコル」



「彼らが奴と遊んでるすきに」
「私は周辺を偵察してくる」





「ご勝手に」



「お待たせ」
「自分の家だと思ってくつろいでくれ」
「何を話せば?」

「先週の金曜の夜」
「どこにいただっち?」

「娘と元妻と食事をしてた」
 
「あはは」

「2人に聞け」

「その2人は10年前」
「証言台でもウソをついてるだっち」

「私は犯人じゃない」



「パソコンを調べても?」

「何も隠してはいない」



「では室内にはどうかな?」

「防犯システムがある」



「シニョーレ こっちを向け」
「質問に答えろ」
「以前 トルネードとの」
「取引を認めたな?」

「10年前のことだ」
「それに彼の顔を見たことがない」



「顔を見ずに」
「どうやって取引を?」

「彼は常に仮面を着けていたんだ」

「解決ゾロじゃ あるまいしだっち!」
「誰が信じると思うだっち?」
「数百万の取引相手のだっち」
「顔を見たことないだとだっち!」

「1度見たかな…」



「その男は」
「目の前にいる顔だったか?」

「私はトルネードではない」
「そう言っただろ?」



「支払いは?」

「カミハル銀行の口座から」
「無記名なので追跡不能だ」
「分かったよ」
「私が何を言っても」
「疑いは晴れないらしい」
「よく分かった」
「私は一生疑われて、生きていくしかない」



「一言いいかしら」

「何だ?」

「無実を証明しては?」
「1996年トルネードは…」

「知ってるよ」
「肩を撃たれたんだろ?」
「そこまで させるか」
「無実を証明するために」
「服を脱げと?」
「神聖なる我が家で」
「今日 会ったばかりの」
「君たちの前で!」



「不都合が?だっち」

「よし」



「よく見ておけ」



「トルネードじゃないと」
「証明できたことを祈るよ」

「もう ご迷惑はかけません」



「ああああああ!」



「ああああ!!!!!!」



「OH!!!!!!!!!」

「サンタか!」



「もう肩は見ただっち!」
「傷はなかっただっち!」



「そうなの?」

「…」



「クロだ」
「証拠がない」

「奴は自ら服を脱いだ」
「肩に 傷はなかった」



「美容整形を知ってるか?」



「ああ 失礼」
「経験者か…」



「警部」
「どのパソコンも」
「防犯システムには侵入していない」

「クロだ」



「少し人の話を」
「聞いたらどうだっち?」
「その頑固さに腹が立つだっち」

「私の勘に間違いはない」
「犯人はあの家にいる!」



「気づかれてない」

「右肩の銃創痕は」
「私の目印よ」
「いつか 見つかる」



「大丈夫だよ ローレンス」



「不思議な縁よね」
「知り合いがいた」

「知り合い?」
「どいつだ?」

「決まってる」



つづく

ピンクタンサー五

ピンク・パンサーのテーマ(映画「ブルース・ブラザース」から)
クリエーター情報なし
レッドブリッジ



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ピンクタンサー 参

2018-12-11 14:21:54 | ピンクタンサー
ピンクタンサー壱
ピンクタンサー弐





「奴はリモコン操作で」
「防犯システムに侵入し、警報とカメラを切ってた」

「どこから?」

「少し時間をくれ」



「新顔かな?」



「ベレンジャーです」
「警部のことは存じてますわ」

「職種は?」

「今回の過熱報道に」
「対するため」
「政治的 社会的な礼儀を」
「教授しに参りました」



「セクシーな女性は大歓迎だ」
「ハイヒールが そそる」



「女性にセクシーは 禁句です」



「褒め言葉なのに」

「女性の体に関する発言は」
「禁物なんです」

「なるほど わかった」
「以後 気をつけよう」



「子猫を食べたくなったら」
「ワン!…」

「警部ったら…」



「練習しましょう」
「よく集中して」



「私が何を言っても」
「冷静でいるように」

「お安いご用」

「あなたは廊下にいます」
「美しい若い娘が来ました」



「胸元はピッチリ」
「ボタンが飛びそう」
「エンピツを落とした」



「かがんだ瞬間」
「胸元は はだけ」



「柔らかそうで真っ白な」
「谷間が見えた」
「エンピツが転がり」
「娘は再びかがむ」



「波打つヒップに」
「短いスカートが ずり上がり」
 


「秘すべき場所が…」
「警部?」



「あなたが好きです」



「すんごく好きです」



「レストランは」
「4か所 予約しました」



「好きな店を選んで下さい」



「僕は未だに決めかねてる」
「どちらが美しいだろう?」
「ガートか」



「君か」

「え!」



「個人的な忠告をいいかな」



「ジュレ人の情熱的気質が」
「君を無分別にしそうで」
「心配なんだ」

「そうか?」



「君はニコルに」
「興味があるようだが…」

「何だ?」



「ひょっとして あんた達…」

「違う 我々は」
「ただの仕事仲間だ」

「僕が邪魔か?」

「まさか 彼女とは何でもない」



「よかった じゃ僕が」
「彼女をモノにする」

「待ってくれ」
「君のような男には」
「退屈な女だぞ」

「退屈?」

「そうとも それに」
「ヘドが出るような女だ」
「退屈でヘドが出る」

「どうした 我々は」
「洗練された大人の男だろ?」
「いい女は山ほど抱いてきた」
「あんた また1人」
「落としたじゃないか」



「ソニアだ」



「あんたも罪な男だな」



「ニコルは共に生きる女だ」
「子供を作ってな」

「子供を?」

「ああ 大勢の子供を作る」
「一日中 作る」



「一日中 子作り?」



「ポントン」
「奴と戦闘態勢に入った」
「角を突き合わせた」
「2頭の雄ジカだ」



「昼飯 どうする?」

「君はスシだろう?」



「パープル・フレンド君」

「…」

「どうした?」

「…」



「無礼 極まりない表現ですよ」
「以後 使用禁止です」

「どうして?」

「思考が偏っています」



「アズラン人に」
「偏見が おありで?」

「まさか 運転は怖いがね」
「運転席に座ると 前が見えない」

「警部」

「すみません」
「これじゃまるで」
「金髪の おバカだ」



「金髪女性に失礼です」

「だって おバカだもん」

「あきれた」





「彼女を見たでしょ」

「まさか」

「見ました」



「見てませんよ」

「見たわ」

「見てない」



「また見た」



「私 見たもの」

「ウソだ」

「見ました」



「また見た!」



「見てない」



「大変だ!」



「スゲエ」



つづく


ピンク・パンサーのテーマ(『ピンク・パンサー』より)
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FLAVOUR OF SOUND









ピンクタンサー四


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ピンクタンサー 弐 

2018-12-09 16:22:48 | ピンクタンサー

ピンクタンサー壱




「ポントン、ガートが心配だ」
「トルネードは世界中を荒している」
「ピンクタンサーが危ない」

「博物館のセキュリティは万全だ、大丈夫ですよ」

「ああ そうだといいが」



「ポントン」
「どうも分からない」

「何がです?」

「トルネードは10年間で、2億5千万相当の財宝を盗んだ」
「だが突然 盗みをやめた」

「十分、稼いだからでは?」

「だったら なぜ」
「10年後の今になって、また盗みを始めたんだ?」
「マグナ・カルタとか」
「聖骸タンスとか、天叢雲(あまのむらくもの)タンスとか」
「なぜ?」
「なぜ突然?なぜなんだ!」

「クルーゾー落ち着いて」



「どうした?ポントン」
「今日は、ずいぶんと元気がないな」
「また 奥さんか?」

「仕事を減らせ」
「と、うるさくて」

「よく 飽きもせず」

「来週は結婚10周年なので」
「旅行しよう、と」

「私から話してやろうか?」

「結構!」
「つまり これは」
「夫婦の問題なので」



「我々 法に仕える男は」
「陰の存在でなければならん」

「バラ100枚、連番100枚 全部ハズレです」



「クルーゾー、こっちだ…」

「バカ者」



「寂しくなります」

「私も寂しいよ」



「ポントン!」
「奥さん、ご不満で残念だよ」



「私はガートを去る」
「気は進まんが」





「ピンクタンサーが盗まれました」



「当局はトルネードを…」

「クルーゾー?」

「案の定だ」



「ピンクタンサーの盗難は」
「トルネード復活後 4度目の…」



「ウソだろう?」



「ドリームチームの捜査は」
「アズランで始める予定でしたが」
「ガートに変更になりました」



「非常時に何をハシャいでる」

「メディアの時代です」
「慣れてないと」

「よく分かった」



「コメントを?」

「トルネード」
「必ず捕まえてやる」
「もう一回」
「トルネード!」
「必ず捕まえてやる!」

「…」

「キマった!」





「お帰りなさい」
「捜査官の皆さんがお待ちです」



「ああ」
「君の名前は?」



「そうでした」
「ニコルと申します」

「思い出した」
「会えて うれしいよ」



「私もですわ」



「前戯は さておき」
「ほかの捜査官は?」

「こちらです」



「現場は みだりに荒すな」
「暗号も同然だ」
「解読できれば犯人が分かる」



「ガート警察の」
「ジャック・クルーゾーだ」



「ビチェンゾ・ロッカーラ・スカルチャル―ビ・ブランカレオオーネ」

「てっきり、ジュレ飯の注文かと」
「もう一度」

「ビチェンゾ・ロッカーラ・」
「スカルチャル―ビ・」
「ブランカレオオーネ」

「ナントカ・カントカ・」
「ドン・コルレオーネ」



「ケンジ・マツド」

「ケンジイ・メデタイ」



「ランダル・ペパリッジだっち」

「ハンダ・ハリッジちちち」



「相棒のポントンと」
「秘書のニコル」



「ニコルはサービス上手だ」
「好きに使ってくれ」

「…」

「では捜査を始めよう」



「おっと失礼」
「ソーサをハジメヨー」

「気遣い無用 ガート語も話せる」

「ほう では証明してみろ」



「まずは犯行の手口を」
「突き止めればならんだっち」
「推理のプロとしてはだっち」

「推理のプロ?」

「専門だっち」

「推理は私の専門だ」
「君は腰痛があると見た」

「なぜ、分かっただっち?」

「右足のクツの底が」
「左足より減っている」

「君は今朝」
「ダブル・エスプレッソを飲んだだっち」
「瞳孔が開いてるだっち!」

「モンマルトルは、出るんだな」



「昼の渋滞を避けるため」
「夜 工事をしてる」



「目が腫れているのは」
「寝てない証拠だ」

「渋滞といえばだっち」
「ドルボードの乗り心地は?」
「ズボンにシワだっち」

「今年のレイソルの成績は?」
「そのマッチの店は、サッカーを中継する」

「クツは上げ底だっち」

「14歳でアボガドを好きに」

「今朝 ド・ゴール空港へ行ったな?だっち」

「なぜ それが分かった?」



「手口を推理しては?」



「遊びは やめだ」
「なくし物を?」

「ベルは嫌いだろ!だっち」



「これを見てくれ」
「トルネードめ、しくじったな」

「指紋だっちか」
「解決したも同然だっち」

「指紋だ」

「クルーゾーさわるな」

「これもだ」

「それ おまえの」

「これもだ」
「これもついてる」



「それは必要ない」
「指紋は十分ある」

「OH!」

「捨てた!クルーゾーが!」
「捨てて証拠品を壊した」

「OH!」



「トルネードについての情報は?」



「50歳から65歳の男性」



「右肩に銃創痕があるわ」
「1996年、このガートで」
「金の花瓶を盗もうとして被弾」



「血痕のDNAは」
「10年以上、保管されたまま」
「該当者なし」



「飛行機が遅れたもので」
「あなたわ…」



「クルーゾー警部!」
「ピンクタンサーの警部さん」
「会えて光栄です」



「その者は?」

「ソニア・ソランドレスです」
「私のことは…」



「聞いている」
「急きょメンバーに加わった」

「トルネードに関する」
「本を書いたの」



「でも お役に立てるかしら」
「私は警察官じゃないから」

「大歓迎だ」
「新鮮な意見が聞ける」
「参考までに言っておこう」
「手がかりはゼロだ」





「本日、ドリームチームが」
「ガートに集結しました」
「トルネードの捜査が始まったのです」
「クルーゾー警部のコメントです」

「トルネード!」
「必ず捕まえてやる!」



つづく

ピンクパンサーのテーマ
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ポニーキャニオン








ピンクタンサー参

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ピンクタンサー

2018-12-06 17:52:14 | ピンクタンサー




「次に紹介するのは、最も貴重な収集品の一つ」
「マグナ・カルダです。」



”トルネード参上”



「どうぞ こちらへ」
「西洋でもっとも貴重とされている太古のタンス」
「トリノの聖骸タンスです」



「OH!」

”トルネード参上”



「大変です!」



「天叢雲(あめのむらくもの)タンスが!」



”ガート官庁”



「ドレフュス主任警部です」

「主任警部」



「どうも」



「聞いているかな?」

「ガタラ ジュレット アズランが」
「各国捜査官の清悦を集結させた」
「ドリームチームを組み」
「トルネードを追うのだ」

「ガートがその指揮を?」

「そのとおり」



「光栄ですが驚きはしません」
「警察官として最大の名誉です」
「この時だけを待ってた」

「いや…」

「言いすぎました」

「いや…」

「でも光栄だ」



「彼らはクルーゾーを」
「世界一だと称している」
「彼にドリームチームを」
「率いてほしいらしい」



「クルーゾー?」

「そうだ」



「そうだ」
「不都合でも?」



「めっそうもない」
「洗面所をお借りしても?」

「もちろん」



「クルーゾー?!」



「クルーゾー!!!!」



「クルーゾーは現在」
「任務で手一杯です」



「重要任務を命じてあるため」
「抜ければ国家の安全が脅かされる」



「明らかに違反だ」



「違反切符?」



「理由は?」

「緑石との幅は41センチ」
「9センチの違反だ」
「9センチという」
「卑怯で憎むべき罪を犯した」
「違反切符だ!」
「受け取れ!」

「知るか!」



「待て!」
「受け取れー!」

「運転講習に行け!」

ピンクパンサーのテーマ

ピンクパンサーのテーマ(映画「ピンクパンサー」から)
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「準備は?」

「完了です」





「クルーゾー…」

(クルーゾー警部がお見えです)

「通せ」

「クルーゾー?」

「ドリームチームに任命する」

「クルーゾーを!?」

「何も言うな」



「主任警部」
「報告に上がりました」
「うわツ」
「邪魔くさいぐらい無冠がうらやましいです」



「何一つ飾りがなくて」
「こざっぱりしておいでだ」

「服の下に着ければいい」
「隠しておけ」

「それは名案です」
「カチカチうるさくて」
「では違反切符の報告を」
「過去一ヵ月半で4枚の切符を切りました」
「1枚は時間オーバー」
「1枚はご記憶のとおり」
「主任警部に切りました」

「記憶しとる」

「すべて そこに」

「早速、目を通すとしよう」

「念のため 違反者ナンバー」
「その他もろもろ この手帳にまとめてあります」

「覚えてるか?」
「この任務を言い渡したときのことを」

「これは最重要任務だと」



「では誰かに この任務は私から命じられたのかと」
「聞かれたら どうするんだ?」

「主任警部」
「私にはなんのことかサッパリ」

「よろしい」



「おう」
「なんとすばらしいシャンデリアですこと」
「明かり調整はこれですか?主任警部」



「OH!」



「では本題に入る」
「君に新たな任務を言い渡すように」

「トルネードの魔の手から」
「ピンクタンサーを守れと?」

「違う」



「ピンクタンサーは私が守る」
「君はドリームチームに入れ!」

「光栄ですが」
「お断りします」



「なに?」

「私がガートから去れば」
「ピンクタンサーは危険だ」



「私が守る!」
「君は明日 アズランへ飛べ!」

「飛べません」

「ルーラストーンでだ!」

「しかし…」

「命令だ!」





「ニコル」



「旅行ですか?」

「主任警部から危険な任務を仰せつかった」

「お帰りは いつです?」

「犯人逮捕後だ」
「1ヵ月後か 1年後か」
「分かるだろ」



「もちろん」
「もちろんです」

「犯人に誘拐など」
「されぬようにな」
「君は私の最大の弱点だ」



「なぜです?」

「なぜなら…」
「君は…」
「弟も同然だから」



「セクシーでそそる弟」



「ニコル」
「いつかの夜は すまなかった」

「もう忘れましたわ」

「私は忘れない」

「私も」



「我々はバーベキューハウスへ仕事で来てるわけだが」
「ワインを開けてもいいと思うか?」

「いいと思います」



「やあ」
「クルーゾーとニコル」

「主任警部」

「ここのバーベキューハウスに放火予告があったからな」
「不信な奴がいたら、すぐに報告するんじゃ」

「わかりました」

「クルーゾーもわかったか!」

(すまないが お祝いにシャンパンを開けてくれないか?)

「私が開けましょう」
「クルーゾー!ちゃんと見張ってるんだぞ!」

「お任せあれ、主任警部」



「ここでいいかな?」



「では、シャンパンを開けるぞ!」



「ガソリン入りのシャンパンで」
「バーベキューハウスは燃えた」



「禁断の炎に」
「飛び火してしまった」



「本当に すまない」

「私にも飛び火しました」

「忘れられない夜だ」
「忘れなくては」

「忘れることを忘れない」

「忘れられないことを」
「忘れるのだ」



「では事務的な」
「別れのあいさつを」

「クルーゾー…」

「!!」
「すぐ行く ポントン」

「数か月 留守にする」

「分かりました」

「耳が よくなることを」
「祈ってるよ」



つづく

ピンクタンサー弐

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