「オロチの深山プロジェクト」では、毎年、徳島県の林業家・橋本光治さんをお招きして、自伐林家向け作業道の開設の講習会を開催しています。今年も、3月22日に来町し、23日~26日まで作業道の開設作業を行いました。
場所は、プロジェクト実行委員会のメンバーであるHさんの所有山林です。橋本さんが開設した作業道も素晴らしかったですが、Hさんの山も素晴らしかった。枝打ちが行き届いており、3m材が3~4玉は採れるであろうスギ、ヒノキがずらり。業界で言うところの「A材の採れる山」。
橋本さんの開設する作業道の幅員は2.0m~2.3m。架線等を使わず効率的に集材できるよう、道と道との間隔を30m程度に配置することを心がけています。開設に使用するバックホウも3tクラス(バケット容量0.1m3)で丁寧に転圧しながら開設していきます。
午後は、現地研修会で町内外より25名の参加者がありました。開設した作業道を歩きながら、開設のポイント、ルート選定などご説明いただきました。
橋本さんの開設する作業道は、へアピンカーブを取りながら尾根を登っていきます。一見、急勾配な道に見えるのですが2tダンプが安全に走行できるよう、路盤の高さやカーブのふくらみの位置などいろいろな工夫がなされています。
作業道の大敵と言えば「水」!どんな作業道でも水をどう処理するかが一番の悩みどころ。適時、水切りを設けて横断排水を行っています。
現地を見た後、作業道の開設だけでなく、山づくりについても講演いただきました。橋本さんは、先代から引き継いだ101haの山林に森林経営計画を作成し林業経営を行っています。開設した作業道は約30km(路網密度300m/ha)におよび、この作業道を利用して年間200m3の素材生産を行っています。講演では、経営理念から山づくり、道づくりの技術的な話などいろいろな話が聞けました。直接おっしゃられたわけではありませんが、話を通して「丁寧な仕事をすること、無理をしないこと、考えること、工夫すること」こういった姿勢が強く感じられ、たいへん印象に残りました。
おまけ・・・橋本さんにお願いして、開設作業を体験させてもらいました。根株の処理に悪戦苦闘。写真写りはなかなかですが。