野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

金魚、とくに出目金に似た花をつけるキンギョソウ(20-048)

2020年04月25日 09時38分52秒 | 

金魚、とくに出目金に似た花をつけるキンギョソウ。どこかユーモラスな花が花壇をにぎわせている。写真のものは朱色だが、いろいろな色と形のものがあって、見る者を楽しませる。

(2020-02 川崎市 花壇) 

 

 

キンギョソウとは

キンギョソウは鮮明な色彩で色幅のバラエティに富み、春めいたにぎやかさを感じさせる花です。甘い香りを漂わせ、金魚を連想させる愛嬌のあるふっくらとした花形が特徴です。英名では竜に見立ててスナップドラゴンと呼ばれます。品種が多く、草丈1m以上の高性種、こんもり茂る小型種、そして中間のタイプがあり、切り花や花壇、鉢植えと幅広く利用されています。一重咲き、八重咲きのほか、花が杯状に大きく開くペンステモン咲きの品種もあり、まったく違った印象を受けます。学名のマユス(majus)は5月の意味で、本来は5月ごろが開花の盛期なのですが、さまざまな品種が育成され、短日でも咲くもの、長日条件で咲くものなどがあり、ほぼ周年咲かせることが可能です。また、多年草ですが、高温多湿の蒸れに弱いことから、一年草扱いにすることがほとんどです。一代雑種(F1品種)が多く育成されているため、成長、開花が早く、タネから容易に育てられます。

※科名:ゴマノハグサ科で分類される場合もあります。

基本データ
園芸分類 草花
形態 多年草(一年草扱い) 原産地 地中海沿岸地方
草丈/樹高 20~120cm 開花期 主に4月~6月(ほぼ周年開花)
花色 白,赤,ピンク,オレンジ,黄,複色 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い(極寒地では冬に枯死) 耐暑性 強い(ただし、長雨や多湿に弱い)
特性・用途 開花期が長い,耐寒性が強い,香りがある


淡い紫色を帯びたピンクの「玄海ツツジ」(高尾の花32)

2020年04月25日 08時00分13秒 | 

淡い紫色を帯びたピンクの「玄海ツツジ」。大輪ではないが、かなりの大きさの品のある花が咲き乱れるさまはみごとだ。

(2020-03 南高尾) 

「玄海ツツジ」

ゲンカイツツジ(玄海躑躅)は、中国地方、四国北部、九州北部い分布しているツツジ科の落葉低木で、原種は準絶滅危惧種に指定されているが、園芸品種は多く栽培されています。

早春の3~4月の葉の展開前に咲き、庭を彩ってくれる貴重な花です。

常緑のツツジのように剪定する必要もなく、自然に樹形が整ってくれるますが、蕾を食べるベニモンアオリンガの駆除をしないと花付が悪くなります。
           
和名 ゲンカイツツジ(玄海躑躅)
学名 Rhododendron mucronulatum var. ciliatum
科名・属名 ツツジ科 ツツジ属
分布 中国地方、四国北部、九州北部、朝鮮半島
花期 3~4月
特徴 
落葉性の小低木。高さ1~1.5m。原種は準絶滅危惧種に指定されているが、園芸品種は多いようです。

葉は互生し革質で楕円形。先は尖り、ふちに長毛が散生します。

花は枝先につく数個の花芽から各1個の花が咲きます。萼は皿形で小さく、先は浅く5裂します。花冠は紅紫色で広ロート形で皿状に開き、径3~4cm。

蒴果は円柱形で長さ13~16㎜ほど。

カラムラサキツツジが基本種で、本種はその変種とされているが、よく似て区別しにくい。


ふんわりと広がった白い花弁の末端がほんのりと紅を帯びるバラ「エルフ」(薔薇シリーズ171)

2020年04月25日 07時09分36秒 | 

ふんわりと広がった白い花弁の末端がほんのりと紅を帯びるバラ「エルフ」。セミダブル平咲きの大輪で、とても雰囲気のあるバラだ。1945年に作出の伝統のあるバラとは思えないほどのモダンさである。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「エルフ」

古くから親しまれている品種だけあって、とても強健で育てやすいバラです。花は白に弁端がピンクがかる大輪セミダブル平咲きになります。羽衣をまとうように優雅に咲く様はなんとも趣があり、秋は特に美しい。樹高は高く、寒冷地にも向きます。枝の剛直さが気になる場合は細めの枝を低い位置で剪定し開花位置を下に持ってくればよい結果を得られます。

品種名 エルフ
ローマ字 Elf
系統 フロリバンダ (F)
Floribunda
咲き方 四季咲き
香り 微香
花径 8㎝
樹高 1.2m
樹形図 1b番 半直立
作出年 1945年
作出国 ドイツ
作出者 Mathias Tantau
交配
Swantje × Hamburg


史上最古の埋葬花「ムスカリ」(20-047)

2020年04月24日 10時14分24秒 | 

いたるところで野生化してきた「ムスカリ」。英語名のGrape hyacinthは、ブドウ形の花をつけるヒヤシンス。言いえて妙である。六万年前にイラクでネアンデルタール人の墓に添えられていたという。史上最古の埋葬花と聞くと、遠い思いに駆られる。

(2020-03 川崎市 道端) 

「ムスカリ」

ムスカリの育て方|植物図鑑
植物名 ムスカリ
学名 Muscari
英名 Grape hyacinth
科名 キジカクシ科
属名 ムスカリ属
原産地 地中海沿岸・アジア南西部

ムスカリの特徴
ムスカリは草丈15cmくらいでブドウのような花を咲かせる、春の球根植物です。ムスカリはとても耐寒性の強い花で、球根は植えっぱなしでも自然分球で増え、毎年花が咲きます。 小さな花ながら花壇に群生させて一斉に咲きそろった光景は見事です。

ムスカリはチューリップなどの同じ時期に咲く球根花との色のコントラストも美しく、チューリップの脇役として使われます。全国のチューリップの名所にはムスカリと一緒に植栽されている光景を見ることができます。

ムスカリはチューリップなどの同じ時期に咲く球根花との色のコントラストも美しく、チューリップの脇役として使われます。全国のチューリップの名所ではムスカリと一緒に植栽されている光景を見ることができます。

ムスカリは一度植えると、数年は植えっぱなしでも大丈夫なので、管理が楽な球根花です。花壇や木の株元、寄せ植など、様々な場所に植え付けることができます。

ムスカリの詳細情報
園芸分類 球根
草丈・樹高 10~30cm
耐寒性 強い
耐暑性 強い(休眠期)
花色 青,紫,白,黄,ピンク,複色
開花時期 3~5月中旬

ムスカリの豆知識
ムスカリの名前の語源はムスクに香りが似ていることからつけられました。ムスクとはジャコウジカの雄からとる香りを付けるための原料です。

ムスカリの歴史
今から6万年前イラク北部のネアンデルタール人の遺跡から埋葬時ムスカリの花がたむけられていた跡があり、史上最古の埋葬花と言われています。ムスカリは1980年ごろから出回っていますが、最初は小さくてあまり見栄えもせず、あまり高級なイメージもなく贈り物に適さなかったのですが、今ではさまざまな工夫でかわいらしく演出され、ギフトとして重宝されるようになってきました。


春に先駆けて葉を出す前から咲く「紅ミツマタ」

2020年04月24日 09時36分57秒 | 

春に先駆けて葉を出す前から咲く「紅ミツマタ」。製紙に使われることもあるミツマタは普通は黄色の花をつけるが、ときには紅の花もある。萼片が集まって下向きに開くので、遠慮がちな花にみえるが、アップでみるとそれなりに華麗である。

(2020-03 南高尾) 

ミツマタ

ミツマタはなかなか趣に富んだ春の花木です。新葉が芽吹く前の枝先に花だけが開花する姿は、冬が終わり待ちわびた春がきたことを喜んでいるようにも見えます。うつむくように下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形をつくっています。この小さな花には花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が4つに裂けて反り返ったものです。枝は3つに分枝し、これが「ミツマタ」の名前の由来となっています。強い繊維質の樹皮は、強度の高い良質の紙の原料として有名で、紙幣などにも使われています。

基本データ
園芸分類 庭木・花木
形態 低木 原産地 中国
草丈/樹高 2m 開花期 3月~4月中旬
花色 黄,オレンジ 
耐寒性 普通 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,香りがある,日陰でも育つ

 

 


濃いオレンジ色のシンプルなバラ「シンプリー・ザ・ベスト」(薔薇シリーズ170)

2020年04月24日 07時56分47秒 | 

濃いオレンジ色のシンプルなバラ「シンプリー・ザ・ベスト」。半剣弁咲きの大輪の花がゆったりと開く。名前は少し独善的のようだが、作出者の思いがこもった命名なのだろう。これがいいと。日差しに緑に輝く葉との対比もきれいだ。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「シンプリー・ザ・ベスト」

【作出年】 2002
【学 名】 Simply the Best
【樹 高】 0.6~0.8m
【花弁数】 40~50
【花 径】 10~12cm
【開き方】 半剣弁咲き
【形 状】 直立性
【花 期】 四季
【香 り】 強香
【棘の程度】 少ない
【受賞歴】 Garden Merit Award

【特 性】
 濃いオレンジ黄で整った花型の咲き方。
 香りが自慢の品種。
 大輪にしてはコンパクトに育つ。
 濃い緑の光沢葉で耐病性があり初心者にも向く。


ぱっと目立つ黄色い花で早春を寿ぐ「レンギョウ」(20-046)

2020年04月23日 08時19分38秒 | 

ぱっと目立つ黄色い花で早春を寿ぐ「レンギョウ」。今年は咲くのも散るのも早かった。英語名はゴールデンベルで、その名のとおりに、夕陽に透けてみえる黄金色の鐘のような花が遠い昔を思い出させる。

(2020-02 川崎市 道端) 

 

レンギョウ(連翹)とは、広義にはモクセイ科レンギョウ属(学名:Forsythia)の総称(それらから品種改良で作られた園芸品種をも含める)。狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 Forsythia suspensaの和名を指す。一般には広義の意味で称されることが多い。

属名のForsythiaは、19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた園芸家ウィリアム・フォーサイス(William A. Forsyth、1737年 - 1804年)に因む。


レンギョウ(連翹、学名:Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl)は、モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹。別名、レンギョウウツギ(連翹空木)。古名は、いたちはぜ、いたちぐさ。中国名は連翹・黄寿丹。英名はゴールデンベル (golden bells, golden bell flower)。

種小名のsuspensaは、枝が“垂れる”意味である。

和名のレンギョウは、漢名の連翹を音読みしたものであるが、実は中国で過去に異なる植物を指すものであった。そもそも原産地の中国で連翹とは、本来トモエソウ(学名:Hypericum ascyron、中国名:湖南連翹(大連翹)、黄海棠)もしくはオトギリソウ(学名:Hypericum erectum、中国名:小連翹)のことを指したが、これらどの実も薬用されていたこともあって、宋以降からは現在の山西省の南東部で大量に生産された現在のレンギョウの実が連翹と称して売られるようになり、ついにはレンギョウが連翹として認識されるに至った。明の『本草綱目』にあるレンギョウの実の挿絵は現在のレンギョウの実の形とはほぼ同じである。現在の中国においては連翹と書くと日本と同様にForsythia suspensaのことを指すが、河北省・貴州省や台湾など一部の地域ではトモエソウのことを連翹と呼ぶこともある。

特徴
雌雄異株。

繁殖力が旺盛で、よく繁る。樹高は1 - 3mまで育ち、半つる性の枝は湾曲して伸び下に垂れ、地面に接触すると、そこからも根を出し新しい株ができる。枝は竹のような節を持つ。また、枝の髄が早期に消失するため、節の部分を除いて中空になる。このことから“空の木”、レンギョウウツギ(連翹空木)という別名が付いた。この呼称は最初、本来の連翹(トモエソウ)との誤用に気付いた時、区別するために使われた。

まだ葉が芽吹く前の早春(3 - 4月頃)、2 - 3cmの黄色い4弁の花が、細い枝に密に多数開く。

その花が咲き終わる頃、入れ違うかのように今度は、緑色の葉(長さ3 - 10cm、幅2 - 5cmの長卵型。葉先は鋭尖で、葉縁にまばらな鋸歯がある)が対生に芽吹き、それが秋になると濃緑色、概憤色(くすんだ黄緑色)、紫色と順に変色し、最後に落葉する。

付いた果実は漢方薬(下記参照)として用いられる。

分布・生育地
中国原産。日本への渡来は古く、『出雲国風土記』や『延喜式』にもレンギョウの名前が見られる(薬用として平安時代初期に渡来したといわれているが、実際に渡来した時期は定かではなく、江戸時代前期に栽培の記録があることから、江戸時代だという説もある)。


薄紅色の一重の花が可憐な「マメザクラ」(高尾の花30)

2020年04月23日 07時51分16秒 | 

富士山麓に生えるのでフジザクラとも呼ばれる「マメザクラ」。薄紅色の一重の花が可憐である。俯くように咲いた花はおしとやかにみえる。

(2020-03 南高尾) 

 

「マメザクラ」

マメザクラ(豆桜、学名:Cerasus incisa (Thunb.) Loisel.)はバラ科、サクラ属の植物。桜の野生種の一つ。富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生しており、フジザクラやハコネザクラとも言う。マメ(豆)の名が表すように、この種は樹高が大きくならず、花も小さい。また、この種は山梨県の県の花に指定されている。


特徴
花の時期は3月下旬から5月上旬で、花弁は五枚一重で色は白から薄紅色。花は1cmから2cmと小ぶり。他種と違い花を下に向けて開かせる。

樹木としてはさして大きくならず、大きいものでも10m程度であり、樹高1m程でも花をつけるようになる。この特徴は栄養や気候から生育の難しく大きく成長できない亜高山帯でも子孫を残せるように変化したものだと考えられる。このため、亜高山気候の場所でも育ち、一般的な桜より寒さに耐える。木の肌は薄い灰色。細い枝を長く伸ばす。

葉は広い楕円形で葉の端の鋸上の部分は切込みが深い(欠刻状重鋸葉)。実は赤黒く熟する。

大きく育たなくとも花を咲かせる特徴があるため、庭木や盆栽としても非常に有用といえる。寒さに非常に強く、-20℃にも耐える。

分布
富士や箱根を中心に本州の中部、中央地溝帯近くに分布している。伊豆半島の温帯から亜高山帯まで様々なところに分布している。この地形になじむように自らを変化させていったと考えられている。

 

 


桃色を帯びたアプリコットという珍しいカラーのバラ「ウォーム・ウィッシーズ」(薔薇シリーズ169)

2020年04月23日 07時04分53秒 | 

桃色を帯びたアプリコットという珍しいカラーのバラ「ウォーム・ウィッシーズ」。半剣弁高芯咲きの大輪が一輪ずつ咲くので、目立つ。オレンジ色の夕焼け雲を思わせるところがあるためか、サンセット セレブレーションとも呼ばれている。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「ウォーム・ウィッシーズ」

品種名 サンセット セレブレーション     Sunset Celebration
作出  1993年 イギリス Gareth Fryer
系統  HT ハイブリッドティ
交配  Pot O'Gold × (実生 × Cheshire Life)

花色  アプリコットブレンド
花形  半剣弁高芯咲き
花径  大輪
芳香  中香   ★★★☆☆

開花  四季咲き ★★★★☆

系統 HT ハイブリッドティー
花色 アプリコットブレンド
花形 半剣弁高芯咲き
花径 大輪
芳香 ★★★☆☆中香
香質 ティー
ティー香 
開花 ★★★★☆四季咲き
樹高・伸長 1.4m
樹形 木立樹形 普通タイプ


ほんのりとピンクがかった花が早春の雰囲気にぴったりなヒメコブシ(高尾の花29)

2020年04月22日 08時14分32秒 | 

白く長い花弁が神社で使う四手に似ているのでシデコブシとも呼ばれる「ヒメコブシ」。ほんのりとピンクがかった花が早春の雰囲気にぴったり。

(2020-03 南高尾) 

「ヒメコブシ」

別名は「シデコブシ」!ヒメコブシの特徴とは
栽培方法を知るまえにまずは、ヒメコブシの特徴をおさえておきましょう。ヒメコブシは、モクレン科の落葉高木です。コブシ属に分類されますが、一般的なコブシが10メートルにまで成長するのに対して、ヒメコブシは3メートル程度で樹高を維持します。

別名は「シデコブシ」!ヒメコブシの特徴とは
この樹高が低いという特徴によって、ヒメコブシは他のコブシ属の品種より、手軽に育てられるともいえるでしょう。また、ヒメコブシには「シデコブシ」という別名があります。これは、ヒメコブシの花が、神事などに用いられる四手と似ていることが由来です。

白く細長い四手に似たヒメコブシの花は、3月~4月の暖かくなってきたころに開花期を迎えるでしょう。その花は、白とピンクのグラデーションと拳のようなボリュームのある形が特徴的で、春の訪れを知らせてくれるような柔らかな印象を与えます。また、開花期が終わるとエンドウマメに似た長細い形の房をみのらせることも特徴のひとつです。

房は徐々に赤く染まっていき、十分に熟れると中から赤い果実があらわれるでしょう。赤い実は、姿をあらわしてからしばらくの間房からぶら下がっていますが、時間がたつと地面に落ちます。その果実の形状から、コブシの名前の由来は花であるという説のほかに、果実であるという説もあります。


雪国で春を告げる花クロッカス(20-045)

2020年04月22日 07時08分53秒 | 

雪国では雪が溶け始めると、まだ雪が残る地面に最初に芽吹いて花を咲かせる。雪国では春を告げる最初の花である。雌蕊がスパイスとして珍重されるサフランも、クロッカスの一種だ。

(2020-02 川崎市 花壇) 

 

 

クロッカスとは
クロッカスが早春の日を受けて一斉に花開く様子は、まばゆいばかりで、春の訪れを感じさせてくれます。小さいながらも存在感があり、霜や凍結にも負けずに元気に咲くキュートな花は親しみもあり、古くから栽培されてきました。小型の球根草花なので、ちょっとしたスペースで手軽に花が楽しめ、ヒアシンス同様、水栽培も容易です。また、芝生の中に三々五々と植えると、いかにも自然な雰囲気を醸し出すことができます。原種は80種ほどあり、園芸品種も多数育成されています。最も古くから栽培されているのがサフラン(Crocus sativus)で、紀元前から薬用・料理用に利用されてきました。花壇植えなど観賞用では、クロッカスの代表格ともいえる早咲きの‘ラージ・イエロー’や‘イエロー・マンモス’、そしてそのあとに続くように咲くベルナス種(C.vernus)の紫や白の品種が一般的です。2月に咲く寒咲き系には、C・シーベリーやC・クリサンサスなどの小型種があり、品種も多く花色のバラエティに富んでいます。

基本データ

園芸分類 球根
形態 多年草 原産地 地中海沿岸地方、小アジア
草丈/樹高 5~10cm 開花期 2月~4月、秋咲き種は10月中旬~11月中旬
花色 黄,白,紫,複色 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い 耐暑性 強い(夏期は休眠)
特性・用途 耐寒性が強い,初心者でも育てやすい


梅かと思ってしまう一重の端正なバラ「ライラック・チャーム」(薔薇シリーズ168)

2020年04月22日 06時49分38秒 | 

上から見ると一瞬だけ梅かと思ってしまう一重の端正なバラ「ライラック・チャーム」。白の花弁にほんのりと乗るピンクが典雅だ。文句なしの優雅なバラ。大きな花ではないが、たくさんの花が開くので、寂しくはないようだ。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「ライラック・チャーム」

ライラック チャーム – Lilac Charm
一重~半八重系のシンプルなお花に、中心赤みのあるおしべが魅力的です。少しベージュを含む紫色は初期の紫系品種によく見られ、最近の品種のように青みが強くないのですが、やさしく味わい深い色調です。花房自体は小さいのですが、細い枝が半横張りにたくさん出て茂りますので、結果的に多くの花に覆われます。白い壁際などによく映える、優雅で稀少なフロリバンダローズです。

品種名 ライラック チャーム
ローマ字 Lilac Charm
系統 フロリバンダ (F)
Floribunda
咲き方 四季咲き
香り 微香
花径 8㎝
樹高 0.9m
樹形図 1c番 横張り
作出年 1962年
作出国 イギリス
作出者 Edward Burton Le Grice / LeGrice
交配
Lavender Pinocchio の実生 × Rosa californica Cham. & Schltdl. の実生


革質で厚みのある葉の中にピンクの花をつける「ヒマラヤユキノシタ」(20-044)

2020年04月21日 09時01分14秒 | 

地面に突然のように厚みのある葉が開いたかと思うと、その間にピンクの花が開いて、これははたして木の花なのか草の花なのかと首をひねりたくなる「ヒマラヤユキノシタ」。名前もユニークだ。

(2020-02 川崎市 路傍) 

ヒマラヤユキノシタとは
ヒマラヤユキノシタは、早春のまだ寒さが残る時期に、やさしいピンクの花を咲かせ、花壇を明るく彩ります。革質で厚みのある楕円形の大きな葉を地面に張りつくように広げ、どっしりとした安定感もあります。太い根茎が横に伸びて樹木のような形になり、年数を経るごとに風格も増します。
ベルゲニア属は、東~中央アジアに8種があり、園芸品種が多数育成されています。ヒマラヤユキノシタという名前は、もともとはベルゲニア・ストラケイ(Bergenia stracheyi)につけられた和名ですが、現在は、交配種も含めてベルゲニア属全体がヒマラヤユキノシタと呼ばれています。大型種から小型種までさまざまで、花が丸く固まって咲くもの、長い穂になるものなどがあり、花色も赤から白まで幅があります。春だけでなく、秋にも咲く二季咲き品種も育成されています。株の成長はゆっくりですが、一度根づくと何年もほとんど放任でもよいくらいで、グラウンドカバープランツとして重宝します。

基本データ

園芸分類 草花
形態 多年草 原産地 東アジア~中央アジア
草丈/樹高 20~40cm 開花期 3月~4月
花色 濃ピンク~淡ピンク、白 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性,グラウンドカバーにできる,花壇,鉢,ロックガーデンにできる


桜に先駆けてピンクのかわいい花をつけるアーモンド(高尾の花28)

2020年04月21日 08時11分07秒 | 

巴旦杏とも呼ばれる「アーモンド」は、スモモの一種の巴旦杏とは違う種類のもの。巴旦杏は夏に赤く熟れる実を食べるが、アーモンドはナッツの一種としてよく知られるように、果実を食べる。アーモンドは桜に先駆けて、桜とよく似た花をつける。ピンクのかわいい花だ。

(2020-03 南高尾) 

「アーモンド」

アーモンドの花言葉
『希望』『真心の愛』『無分別』『愚かさ』『永久の優しさ』
アーモンドの花言葉は、王女フィリスと青年デモフィーン(デモポオン)が登場するギリシャ神話のエピソードに由来します。

デモフィーンは、トロイ戦争の帰り道で船が難破し、流れ着いた先で王女フィリスと出会います。そして二人は恋に落ちます。ただ、デモフィーンはいったん本国に帰国したとき、別の美しい女性と出会って恋仲になってしまい、帰ってきませんでした。その間にフィリスは病にかかって亡くなってしまい、アーモンドの木にその姿を変えられていました。フィリスのことを思い出したデモフィーンは、アーモンドの木に泣きながらすがりつくと、見事な美しい花を咲かせたそうです。

このエピソードとは別に、イギリスでは3月の早い時期にアーモンドが花を咲かせることにちなんで、「希望」という花言葉が付けられています。

アーモンドの学名・原産国・英語
学名 Prunus dulcis
Amygdalus dulcis
科・属名 バラ科・サクラ属(モモ属)
英名 Almond
原産地 アジア西部
開花期 3~4月
花の色 白、ピンク
別名 扁桃(ヘントウ)
巴旦杏(ハタンキョウ)


一重の赤バラとしてはごく初期のバラ「ベスビアス」(薔薇シリーズ167)

2020年04月21日 07時25分08秒 | 

一重の赤いバラは意外と珍しいものらしい。バラ「ベスビアス」は1923年にイギリスで作出された歴史のあるシンプルでスマートな赤バラ。赤のニュアンスが小気味よい。中輪だが。はっきりとした個性のあるバラだ。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「ベスビアス」

 

ベスビアス – Vesuvius
珍しい一重の赤ばら。ローズを含む落ち着いた赤、丸弁の花はエキゾチックな印象を醸し出します。樹勢がやや弱いのですが、その希少性ゆえに現在も愛されています。

品種名 ベスビアス
ローマ字 Vesuvius
系統 ハイブリッド ティー (HT)
Hybrid Tea
咲き方 四季咲き
香り 微香
花径 8.5㎝
樹高 1m
樹形図 1b番 半直立
作出年 1923年
作出国 イギリス
作出者 Samuel McGredy II