東日本大震災 現地復興支援センター

・・・真宗大谷派(東本願寺)の東日本大震災による被災地での支援・復興活動ブログ・・・

2018年10月18日〜19日 名古屋教区第2組/岩手県・宮城県【活動・視察】

2018-10-30 15:07:23 | 活動日記

名古屋教区第2組の災害ネットワーク研修・東日本大震災現地研修による本稱寺(陸前高田市)での活動と宮城県仙台市・名取市沿岸部の視察です。

名古屋教区第2組の災害ネットワーク研修は毎年この時期に岩手県陸前高田の本稱寺様を会場に活動を続けてこられ、今年度で5回目となりました。今回は6名の方にご参加いただきました(その他、仙台教区仏青より2名、現地復興支援センターより1名が参加しました。また、ちょうどその日が気仙組の定例法話会の会場が本稱寺であったため、講師であった仙台教区内寺院の僧侶の方1名にもご参加いただきました。)。

今年度は、新しくなった本稱寺様の本堂の台所と本堂の脇の場所を貸していただき、炊き出しを行いました。

18日は、まずは東北別院本堂にて開会式を行いました。開会式ではお勤めの後、名古屋教区第2組教化委員会の教化方針をみんなで拝読し、今回の活動の趣旨・理念をみんなで確認するところからスタートしました。

本稱寺様に到着後、炊出し準備がスタート。昨年は小雨が降り、意外と寒い状況でありましたが、今年はいい天気となりました!

今回のメニューは、五目御飯、豚汁、おでんです。おでんは、毎年恒例!名古屋特製の味噌だれにつけていただく名物おでん。

現地復興支援センターと仏青メンバーは焼き鳥を焼きました。そして、今年も三陸の海で獲れた脂ノリノリのサンマを差し入れいただきました。半分はお刺身で(参加者の方が捌いてくださいました)、そして半分はもちろん炭火で焼きました!炭火で網焼きをすると、サンマの皮がはがれてしまうため、落ち着いた火力でじっくりと火を入れなければならない難しさ…。本稱寺ご住職に丁寧に焼き方を教えていただきながら、何とか焼くことが出来ました。

     

そして懇親会がスタート。本稱寺本堂横の広間には本稱寺ご門徒の他、気仙組のご門徒の方も定例法話会に引き続き参加してくださいました。毎年開催しているため、名古屋第2組のメンバーもご門徒さんもほとんどが顔見知り。すでに名前を憶えている方がほとんどです。話も大いに盛り上がりました。おいしいご飯にお酒も進みました(笑)。

  

19日は、宿泊の大船渡から宮城県に戻り、名取市のゆりあげさいかい市場で昼食。その後に閖上の日和山とその周辺を散策しました。その後は仙台市若林区の沿岸へ。海楽寺様で前坊守様のお話を聞くことが出来ました(たまたま通りかかりにお声掛けしたところ、前坊守様が丁寧にご対応してくださいました。ありがとうございます)。お話のあとは、海楽寺様の目の前にある津波避難タワーを間近で見ることが出来ました。

   

その後は、すぐ近くの震災遺構荒浜小学校へ。スタッフの方のお話をお聞きし、震災の日のドキュメンタリー映像を見ました。何度見ても、その臨場感のある映像と証言に胸が締め付けられる思いです。

視察後は、仙台駅までお送りして日程が終了しました。

今回印象的だったのは本稱寺様での懇親会の際に、ご住職がお話された内容です。

今年は全国各地の自然災害で甚大な被害が多発しました。その被災地取材でテレビクルーに答える被災者の方たちが先ず言うことは「まさか自分の身にこのような災害が起こるとは夢にも思っていなかった。どれだけ大雨が降っていても、避難勧告などがでても、自分のところまでは来ないから大丈夫と思っていた」ということであったとのこと。その言葉を聞いて非常に残念に思ったそうです。

東日本大震災で被災した時、ご住職も「まさか自分には…」と同じことを思ったそうです。しかし、実際に津波が寺を襲い、自分も津波にのみ込まれた。そのような経験をしたからこそ、この7年半はそのことを全国から来るたくさんの方にお伝えし「災害は例外なく誰にでも起こりうる。だからこそ、被災地の声を聞いてほしいし、そのことが防災・減災の力になってほしいと願ってきた」とのことでした。しかしながら、それでも「まさか自分には」と思い、犠牲になる人が出てくる。そのことを思う時、震災から時間が経ち、東日本大震災の被災地の声は忘れられてきてしまっているのではないか、私たちの声はもう届かないのではないかと悲しくなったとご住職はおっしゃっていました。

明日、自分に災害が起こるかもしれません。このようなことを言うのは不謹慎でしょうか。不安を煽るだけでしょうか。本当にそうなるかもしれませんし、ならないかもしれません。それは正直わかりません。

しかしながら、災害に対して身も心も備えておくことで「自分の命を守ること」「大切な人の命を守ること」ができるかもしれません。それはすでに、東日本大震災で被災された方たちが私たちに叫び続け、教えてくださっています。

遅すぎでもなんでもありません。今こそ実際に被災した方たちの声に耳を向けなければならないと、改めて思う大切な機会でありました。


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