強制立ち退きに迫撃砲で抵抗 中国の都市開発はまるで戦争映画 道路ど真ん中に一軒家は見せしめか
都市開発に伴う立ち退きの強引さがしばしばクローズアップされる中国で、立ち退きに抵抗する住民が自作の迫撃砲を工事のショベルカーに撃ち込む映像がメディアで報じられ、「まるで戦争映画だ」などと話題になっている。このほかにも、立ち退きを迫る開発側と抵抗する住民側がトラブルになるケースが頻発し、「新設道路の真ん中に家がポツン」という滑稽な状況も各地で見られている。
ショベルカーに自作迫撃砲連射
迫撃砲を使って抵抗する映像は、香港メディアの東網などが報じた。インターネット上に拡散しており、場所は山東省内とされる。
映像では、立ち退きに抵抗している住民が、開発のため土砂を掘り起こしているショベルカーに対し、自作の迫撃砲を次々に撃ち込んだ。砲弾は1~2秒ごとに撃ち込まれ、そのたびに大きな発射音、着弾音が響き、砂ぼこりが上がった。東網は、爆音が辺りに響き渡り、まるで戦争映画のようで、見ていた人たちからは歓声が上がっていた、などと伝えた このニュースについてはネットユーザーが次々と反応している。
「強制的な立ち退きには抵抗すべきだ」
「ひどい強制立ち退きは各地で起きており、こうしたことが起きるのは当たり前だ」
ロイター通信などによると、今年4月、広西チワン族自治区の南寧市で建設中の道路の真ん中に「くぎの家」が出現した。ロイターが配信した写真では、完成間近な道路の中に、この家だけがポツンと残っていた。この家は1カ月後にはなくなったという。
また5月には河南省洛陽で、新設される道路の真ん中に居座る3階建ての「くぎの家」がクローズアップされた。当時の写真を見ると、周囲では道路がほぼ完成し、家はポツンと存在する状況だった。
さらに、広東省の広州では6月、古い集合住宅の周りを環状道路が取り囲んでいた。集合住宅は取り壊される予定だが、一部の住民が立ち退くことを拒否したため「くぎの集合住宅」状態になっていたという