相撲協会の理事長を務めた師匠の出羽海親方(元横綱佐田の山)は「何も2場所だけでなく、1年間12勝3敗を続けた力士にも横綱の資格がある」とよく語っていた。そんな昇進の仕方があってもいい、稀勢の里の取り口は明らかに進化した。最近2場所は現在の3横綱以上に横綱相撲を取っている。名古屋場所でも安定した相撲内容で13勝など好成績を挙げれば、優勝を逃しても横綱へ昇進させていいのではないか、立ち合い変化だけでなく、張り手に肘打ちなど、挑戦する下位の力士に対して、当たり前のように奇襲を仕掛ける。そもそも相撲は相手を痛めつける競技ではない。見せつけるような懸賞金の受け取り方も見苦しい、横綱相撲が崩れつつある今だからこそ、けれんみのない横綱稀勢の里が必要だ。日本の心を取り戻すためにも
(元小結 舞の海秀平)