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秋雨降る天空の鳥居で

2019-09-24 14:17:44 | 日記

終活のため、 漸くジムニーを手放す決心をした。
そこでジムニーとの最後のドライブに、
近年SNSなどで?天空の鳥居?だと話題の 高屋神社に行ってみることにした。

いや、ネットでの好評に水を差す心算はないが、
このブログ2018-11-25掲載の父母ヶ浜と同様、
「稲積さん」も、 私にとっては子供の頃の遊び場だったので、
話を聞いた時はやはり、 「ええ、あそこのどこが」と思ったりした。
高屋神社は、 下の写真では池の向こうに見える連山の、
向かって左側にある高い峰(稲積山)の頂上に本宮がある↓↓

↑↑さて稲積山頂上を目指して、 上の写真右側(少し雨雲が掛かっている付近)
七宝山の山頂に通じる林道に向かったのは、
9月22日の午前7時頃。 折から台風17号が
、日本海に向けて九州を通過中。 事前の天気予報によると、
岡山と香川は台風の影響は少ないようだが、
近隣各県には注意報警報が出ていた。
自宅を出た時は曇り空だったけれど、 林道を登り始めた頃には雨が降り始めた。

バイクの様な高回転で稼ぐK6A型エンジンが唸る。
一台の白いJB23ジムニーと、 何度目かの九十九折を曲がった所ですれ違った。
大方は普通車ならすれ違いが出来る道幅だけど、 油断は出来ない。
さらに何度目かの九十九折を曲がった所で、 また一台、普通車のセダンと出会い、
この辺りになると雨雲の中に入ったのか、 前方は真っ白で視界が悪い。
ヘッドライトと久しぶりにフォッグランプを点けた。

カーナビの画面左端に高屋神社が現れた頃には、 フロントガラスに吹き付ける風が、
             相当に強くなって来た。
ふと気が付くと、ルームミラーに赤い一台の車が。 いや、
さらに後ろにもう一台と後続車が二台付いて来る。
「何所かで先に行って貰おうか」 と、思いながらも何度かの退避場所を通り過ぎ、
結局、駐車場まで先を走ってしまった。

強い風と降りしきる雨の中、 後続車から降りて来た人たちは、
  車での里山登山なのに、 ちゃんとした山の装備と服装だ。
それに比べて私は半袖のTシャツ1枚。 そして、 何も雨具を準備していない事に気が付いた。
いや、今までは雨具長靴その他、 車載エマージェンシーグッズを ジムニーの中に常備していたけれど、
引き渡しが近いのでタイヤチェーン以外は、 もう持っていない。
それでも一応用意していた 自治会行事で作業服代わりに着る、 薄汚れたワイシャツをTシャツの上に着る。

雨の中、 取敢えず持ち物は少ない方が良いと思い、
標準ズームの付いたオリンパスE-M10だけを手に ジムニーから降りた。

「おはようございます、どちらから。 遠くから来られたのですか」

こういう時は積極的に、 こちらから、話しかける方が良いと思った。

「おはようございます。いいえ、 わたしは坂出からですが、 こちらの方たちは・・・」

グレーのパーカを着た女性が言った。

「僕はすぐそこで、 子供の頃はここが遊び場だったんですよ。
それでその頃と同じ積りで、  こんな格好出来てしまいました」

いい加減にしか聞いてくれないと思うし、 こちらもどうでも良いと思う言い訳を、 一応言っておく。

さあどうしようか・・・。折角来たのだから。 次第に強くなる雨脚の中、
結局、迷いながらもみんなの後に付いて行く。 歩いて数分の坂道で息切れがする。
体調が悪くて昨夜は吐き気がした。 今朝出掛けも迷って、
途中、 きついと思ったら直ぐに引き返そうと思いながら、 勢いで来てしまった。

それでも何とか「天空の鳥居」に到着↓↓
 

↑↑やっぱりこの天気では雨雲に包まれて、 「天空」に居る様には見えかねる。
高屋から徒歩での登山道側から見ても、 何所にでも在る様な鳥居だなあ。

喉が渇く。キャノンのEOS Kissと、 缶コーヒーとチオビタを一本入れた、
長く通勤に使ったPCバッグの中は、 ジムニーに置いて来た。

雨露を凌ぐ場所はあるけれど、 さあどうしようか。
真っ白の眼下を眺めている緑色の上着を着た男性に、 「何時ですか」と尋ねると、

「えっ。8時3分ですが」

「いや、9時には雨が上がると天気予報に」

「そうですか。9時までは待てないなあ」

意を決して一度ジムニーまで戻ることにした。
もうワイシャツはびしょ濡れだけど、 台風の影響なのか気温が高い様でそう寒くない。
ジムニーの運転席を、 いっぱいに後ろに引いて乗り込み、       
 缶コーヒーを飲んだ。 そうだ!!Tシャツまで濡れてしまう前に、
早くワイシャツは脱いだ方が良い。 体調は・・・、大丈夫みたいだ。

件の人たちが駐車場に戻って来た。 雨脚が弱くなって来たので外に出る。

「少しは景色が見れましたか」

先頭を歩く、 自分は地元だと言っていた長身の男性に声を掛けた。

「ええ、雲が切れた時見えました」

折角来たのだから、 いや、もう来る機会がないかもしれないから、
もう一度「天空の鳥居の写真」にチャレンジしよう。 オリンパスE-M10の入ったバッグと、
望遠の付いたキャノンのEOS Kissを左右の肩に 十字の斜め掛けで、
先程時間を尋ねた男性からの、 「お気をつけて」という言葉を後に、
また、よろよろと坂道を登ることになった。

そして再度、鳥居の所に来てみると、 なるほど向かって左手、
陸側から海側に向かって雲が流れ、 時折眼下の風景を見ることが出来る。 夢中でシャッターを切った↓↓
     

↑↑しかし例によって、 絶好のシャッターチャンスを逃してしまう。 それにやっぱり「天空」には見えないなあ。
例えば思い切って、 写真には鳥居の一部だけ入れて撮ると↓↓
 

↑↑それらしく見えるかもしれないと、 後で独り撮影反省会!
(残念ながら、 上の二枚は背景が雲に隠れて真っ白だけど)
それとも撮影場所を変えてみると、 それらしく見えるのかもしれない。
いやあ、違った所から見るというのは、 その時に気付いていたけれど、 何分にも生憎の天気なので足元が悪く
、 無理な場所に立ち入って怪我でもと思い、 躊躇してしまった。

何れにしても私もそう長くは居られないので、 最後に高屋神社に参拝してから、
鳥居の向こうに見える町並みを撮って引き揚げた↓↓
 

下山中は(勿論登っている時も)林道より眼下に、 三豊市の詫間、海岸寺方面の風景が見える筈だけど、
この日はこちらもやはり真っ白で何も見えなかった。 以前、前のジムニーJA11でここに来た時、
あまりの絶景をゆっくり見ようと、 ギアを最低速に入れたまま走り、 ブレーキ操作を忘れて、
オーバーレブさせてしまったのを思い出した。

下山中に対向車は二台そして、 いよいよ麓近くで三台目とすれ違った所に在る、
三豊市豊中の町並みが見える展望台で写真を一枚。 そして最後は、 やはり長い間一緒に走ってくれた、
ジムニーの写真が一枚欲しいなあと思った↓↓
 

↑↑(それにしても善良なドライバーが、 ネットに愛車の写真を載せる時、
ナンバーにモザイクを掛ける必要があるなんて、 せこい世の中になったものだねえ)

さて林道入口に戻ったのが9時半だけど、 「天空の鳥居へのドライブ」は、 実は寄り道で、
「玄人志向のGT710グラフィックカードと、 今までは必要無かった、
普段使いの腕時計の購入」 というショッピングが、 この日の本当の外出目的だったりした。

それで、 これから10時開店の電気量販店に向かうには、 ちょうど良い時間だが・・・、体調は・・・、
朝出掛け前よりも、いや昨日よりも良い気がした。 それは「天空の鳥居」のご利益ではなく、
駐車場で「おはようございます」から始まった、 久しぶりの、 見ず知らずの人たちとの会話だと思い当たった。
一期一会の人たちとのほんの少しの会話で、 何故こんなにも心が軽くなったのだろうか。

もう随分以前から体調が悪くて、 次第に右手が動かなくなっている。 病院で診断を受けた訳ではないけれど、
?脳梗塞?とか、心当たりがある。 それが仕事を辞めた理由の一つで、 次の仕事に付かない理由の一つ。
ジムニーを手放すのもそんな訳だ。

体調が悪いのは今も変わらない。 でもあの時は、 溜まっていたストレスが 一気に無くなった気がした。

岡村孝子さんの 「夢見る頃を過ぎても」を聞きながら、 ジムニーで電気量販店に向かう。
そういえば、 「あの頃ミュージック」を引き継いだ 平松愛理さんが孝子さんの曲の時は
何時も「孝子さんに届け!!」 と言っていた。

「自分も少しは元気になることを考えて、
 そして少しはお金を稼ぐことを考えて、
  新型ジムニーを買って乗ってみたい」
と、都合の良い事を頭の隅で思ったりした。