『光る君へ』完走。
これも大河、と一年間堪能しました。
以下、最終回雑感。
いとさん、多分為時パパが「若様」だったころから仕えていると思われるので、より惟規くんと混同しがちなのかも知れません。
往年、祖母の妹さん(大叔母)を見舞いに行ったときに、私のことを「**ちゃん」と父の名前で呼ばれたことを思い出しました。健在とはいえボケが結構進んでいるので、いとさんの介護はちょっと大変かも知れません。
別記事で倫子様に「もう隠していることはない?」と問われたまひろさんが、最大の爆弾?である賢子のことを伏せたことが賛否両論とかありましたが、まあ母親としてはリスク回避のために当然の行動でしょう。
居眠り左大臣を叱責する関白頼道殿下。ようやく貫禄がついてきたか。
賢子さん、宮様の乳母に大抜擢。大弐三位爆誕のシーンでした。直後、「私は光るおんな君」などと逢瀬を重ねていたりしますが、まさかおかーさんの書いた物語を恋愛マニュアルに使っていたりしないでしょうねぇ。
長年大納言をやっていても、全然見識が深まっていない道綱さん(そりゃ、ご母堂が『右大将道綱の母』の名で百人一首にのるわけだ)。大臣の地位のおねだりをすげなく断る弟・道長様のほっぺをむぎゅーとしながら「嫌いにならないで」と迫ると、「嫌いになりませんよ」と道長さんも答えるほっこり場面でした。道隆・道兼両兄上のように権力闘争していた仲でもない上、道綱さんどうも「兄より優れた弟などいない!」的な変なプライドはなさそうなので、殺伐とした関係にはならなかったのでしょうか。
もう一人、前大宰権帥・隆家さんも為時邸に。いい具合に脂気が抜けた感があります。
でも、子孫は結構大暴れしていたり(源義朝と組んだ藤原信頼)。
なぜか菅原孝標女ことちぐささんに『源氏物語』の読み聞かせを受けるまひろさん(作者様)。直後に訪れたききょうさんとの話からすると、まひろさんてば彼女に自分の正体を伏せているような様子。
二人とも全国民必修の名作を残しているのですが、さすがに老境にさしかかると執筆意欲も枯れてきたようで。
自作の和歌集を娘・賢子に手渡すまひろさん、いろいろ区切りをつける気分なのでしょうか。
『栄花物語』を倫子様に見せる赤染衛門先生。すっかり媼に。自作が『枕草子』や『源氏物語』のように残るでしょうか?と自信なさげでしたが、心配せずとも全文が21世紀まで伝わる名作ですから。
彰子様・頼道くんたち次世代のゴッドファミリー会議。あのお人形さんみたいな少女がよくもまあご成長なさったもので・・・なお、お二人ともかなりの長寿。
いよいよ死の床に伏す道長様。法成寺の阿弥陀様と五色の糸で手を結び、とは史実の再現でしたね。倫子様がまひろさんに「妾になって」と頼むのは、やはり一番深くつながっている女性はまひろさんだと認めた故か。「ソウルメイト」と言っていたかと思いますが、そんな感じですかね。
死の床にある道長様のために、少しずつ二人の間にあった出来事をハッピーエンドに変えつつ物語として語るまひろさん。雪が降りつもるような時期まで、結構長期間語っていたようです。多分、二人以外には全くわからない、紫式部最後の、藤原道長のためではなく幼なじみの三郎のためだけの物語。
安らかに旅立った道長様、お供するように倒れた行成さん。F4生き残りの2人が「あいつ(行成)は道長のことが大好きだったからなぁ」としんみり和歌を交わし合うのもよかったですが、実資さんが日記(『小右記』)に二人の最期を記してひっそり涙するシーンがよかったです。
第一話から為時邸の軒先に下がっていた鳥かご、まひろさんが下ろそうとしたらついに崩壊。推定50年前後軒先に下がっていた勘定ですから、むしろよく保っていたものだと思います。
いとさんの恍惚シーンはここ。平然と惟規さんになりきる為時さんもよし。旅に出ようかというまひろさんに「姫様、連れて行ってくだされ」と懇願する乙丸老人。そういえば、宣孝さんと結婚してからはお方様呼びだったのが久しぶりの姫様呼びですね。
ラスト、漂泊の旅に出るまひろさん。そこに通りかかる双寿丸ら騎馬武者の一行。大鎧を着て戦支度で、これから東の方へ向かう由。
「嵐が来るわ・・・」とつぶやくまひろさん。この頃、前九年の役まではまだ時間がありますが、あちこちで小規模ないくさは多発していた模様。
(追記:平忠常の乱では、とのこと)
ちなみに、大河ドラマで言うと時代順に次は『炎立つ』。続いて『平清盛』『草燃える』『源義経』『鎌倉殿の13人』と続くかと。
『鎌倉殿の13人』も傑作でしたが、『光る君へ』もまた傑作かと。登場人物の多くが百人一首採録というのも大きいでしょう。
紫式部・大弐三位母子、清原元輔・清少納言父子、赤染衛門、右大将道綱母、和泉式部、大納言公任、儀同三司母……
さて、来年の『べらぼう』。予告編だけでしたが、過大な期待はしないでおくとします。