老いてなほ 若き思いは 陽炎の 海に落ちゆく 夕日かへらず
海人との会話
波打ち際は、日本海の荒々しい波に洗われ丸くなった小石で覆われている。
「ほんな~ま~、海に入ってみ~か?」
海人さんは軽トラックの荷台に積んでいた、直径1mは有るだろうと思われる大きな桶を肩に担いだ。
「ほんな~、き~つけてガンバ~ないよ!」
「だんだん、いつまで海に入れ~か、わからんだ~もんガンバッテみいわ!」
黒のウエットスーツに身をつつんだ海人さんは、桶を静かに海に浮かべると沖へと向かっていった。
海人との会話
波打ち際は、日本海の荒々しい波に洗われ丸くなった小石で覆われている。
「ほんな~ま~、海に入ってみ~か?」
海人さんは軽トラックの荷台に積んでいた、直径1mは有るだろうと思われる大きな桶を肩に担いだ。
「ほんな~、き~つけてガンバ~ないよ!」
「だんだん、いつまで海に入れ~か、わからんだ~もんガンバッテみいわ!」
黒のウエットスーツに身をつつんだ海人さんは、桶を静かに海に浮かべると沖へと向かっていった。
【 ふるさとは 時代の波に 乗り遅れ 若者みえぬ 古き町並 】
海人との会話
沖合いに小舟が一隻、舟のまわりに3・4個の桶が浮かんでいるのが見えた。
「あの舟のとこ~まで、どれくらいあ~だかな!」
「う~ん!1キロくらいあ~へんだ~か?」
そう言うと海人さんは、4~5種類の薬を口に入れた。
「なに獲っちょう~な~だかな?」
「サザエかアワビを獲っちょうへんだ~か?」
「あの辺にな~と、だーぶ深いだら~なぁ~」
「15ひろくらいは、あ~とも~ぜ!」
「15ひろ言うと、20mから25mくら~いかな?」
「それくら~は、あ~だらな!」
沖を見ながら海人は、少し寂しそうな表情を見せた。
(次に続く)
海人との会話
沖合いに小舟が一隻、舟のまわりに3・4個の桶が浮かんでいるのが見えた。
「あの舟のとこ~まで、どれくらいあ~だかな!」
「う~ん!1キロくらいあ~へんだ~か?」
そう言うと海人さんは、4~5種類の薬を口に入れた。
「なに獲っちょう~な~だかな?」
「サザエかアワビを獲っちょうへんだ~か?」
「あの辺にな~と、だーぶ深いだら~なぁ~」
「15ひろくらいは、あ~とも~ぜ!」
「15ひろ言うと、20mから25mくら~いかな?」
「それくら~は、あ~だらな!」
沖を見ながら海人は、少し寂しそうな表情を見せた。
(次に続く)
【雨雲を 突き抜け昇る 天空は 湧き出す雲の あおき海原 】
海人との会話
海は穏やかで波はまったくありません。
この海人さん、年の頃なら70歳前後か?
細身の体で身長は170cmくらい、眉がみょうに太いのが印象的である。
最近話題の、メタボなどまったく関係なさそうな体つき。
「わすも歳とって、体のあつこつが悪んなっていけんわ!」
「いいつも海い、はいちょうな~だけん、そげ~に悪いとこ~は、あ~へんだ~が?」
「そげなことはないわな、毎週病院に通っちょうだぜ!」
そう言うと軽トラックの運転席から、薬の入った白い袋を取り出した。
(次に続く)
海人との会話
海は穏やかで波はまったくありません。
この海人さん、年の頃なら70歳前後か?
細身の体で身長は170cmくらい、眉がみょうに太いのが印象的である。
最近話題の、メタボなどまったく関係なさそうな体つき。
「わすも歳とって、体のあつこつが悪んなっていけんわ!」
「いいつも海い、はいちょうな~だけん、そげ~に悪いとこ~は、あ~へんだ~が?」
「そげなことはないわな、毎週病院に通っちょうだぜ!」
そう言うと軽トラックの運転席から、薬の入った白い袋を取り出した。
(次に続く)
【 荒畑に 鍬打いれし 雑草の 太き根がいで 立ち往生 】
海人との会話
太陽の光が海に映り眩しく光る朝。
いつものように浜辺を散歩していると、顔見知りの海人さんに出会った。
「今朝は、えらいおそいだ~ないかな」
「うん、この頃はアワビもサザエも獲れんけん商売にならん! 道楽で潜ちょうやなもんだ!」
「あの先に桶が浮かんじょうが、あすこまでどのくらいあ~だ!」
「ん~ おおかた300mくらいはあ~ぜ」
「深さはどれくらいあ~かな?」
「十ひろはあ~わな」
「十ひろ言うと15mくらいかな?」
「うん、それくらいだな」
「あんな沖は、若いもんだないと潜れんわな!」
「わしも若いころは、もっと沖まで潜ったもんだぁ~もん、今は四五ひろがやっとだわ!」
「昔すはサザエでもアワビでも、何でもよけい獲れたもんだ~もん、今はいけーへんわ!」
(次に続く)
海人との会話
太陽の光が海に映り眩しく光る朝。
いつものように浜辺を散歩していると、顔見知りの海人さんに出会った。
「今朝は、えらいおそいだ~ないかな」
「うん、この頃はアワビもサザエも獲れんけん商売にならん! 道楽で潜ちょうやなもんだ!」
「あの先に桶が浮かんじょうが、あすこまでどのくらいあ~だ!」
「ん~ おおかた300mくらいはあ~ぜ」
「深さはどれくらいあ~かな?」
「十ひろはあ~わな」
「十ひろ言うと15mくらいかな?」
「うん、それくらいだな」
「あんな沖は、若いもんだないと潜れんわな!」
「わしも若いころは、もっと沖まで潜ったもんだぁ~もん、今は四五ひろがやっとだわ!」
「昔すはサザエでもアワビでも、何でもよけい獲れたもんだ~もん、今はいけーへんわ!」
(次に続く)