砂電車の冒険 (3-2)
砂丘駅は高い砂山の頂にあり、右側は大きく落ち込んだスリバチ状の谷になっています。
砂丘の砂は太陽の熱を浴びてパウダーのようにやわらかく、まるでスポンジの上を歩いているようです。
「お兄ちゃん、足が砂に埋まってうまく歩けないよ~」
そういいながらも渚君は、楽しそうにチロとじゃれながら走り回っています。
奈美ちゃんは砂丘をあちこちと歩き回っていましたが、砂丘の窪みで、黄色い小さな花を見つけ眺めています。
「お兄ちゃん、可愛いお花が咲いているわよ!」
食い入るように花を眺めていた奈美ちゃんが小さな足跡を見つけました。
「お兄ちゃん、これ何の足跡かしら?」
海人君が奈美ちゃんの指先を見ると、美しい風紋の上に、小さな動物の足跡が残っていました。
海人君は足跡を眺めているうちに、どうしても足跡の正体を突き止めたくなりました。
「奈美、この足跡の正体知りたくない?」
海人君は風紋の上に点々と続く足跡を眺めながら言いました。
「お兄ちゃん、奈美も知りたいけど時間は大丈夫?」
奈美ちゃんは海人君に言われた砂時計のことが気になりました。
「向こうに見える砂山あたりまで行って急いで帰れば大丈夫だよ!」
海人君たちは足跡の正体を突き止める探索に出かけることにしました。
海人君が渚君の手を引き、奈美ちゃんがチロのリールを握り歩きはじめました。
しかし、砂丘を歩くのはなかなか大変で思ったように進むことができませ。
一歩踏み出すたびに靴が半分くらい砂に埋まり、砂が靴に入り重くなっていきます。
靴を脱ごうとしても砂が太陽の熱で火傷しそうに熱く、素足になることもできず歩みはしだいに遅くなっていきました。
それでも海人君たちは汗と砂にまみれながらも、ようやく砂山の頂にたどり着きました。
その時、山頂から谷間を眺めていた奈美ちゃんが叫びました。
「お兄ちゃん、あそこにお城が見える!」
海人君が奈美ちゃんの指さす方に目をやると、砂の中に、お城が蜃気楼のようにかすんでみえています。
「渚、お城が見えるよ!」
よろめくように歩いていた渚君はお城を見るなり
「お兄ちゃん、あそこまで行ってみたい!」
急に元気を取り戻すと、弾んだ声で言いました。
小さな足跡も、谷間のお城に向かって真っすぐに続いているようでした。
砂丘駅は高い砂山の頂にあり、右側は大きく落ち込んだスリバチ状の谷になっています。
砂丘の砂は太陽の熱を浴びてパウダーのようにやわらかく、まるでスポンジの上を歩いているようです。
「お兄ちゃん、足が砂に埋まってうまく歩けないよ~」
そういいながらも渚君は、楽しそうにチロとじゃれながら走り回っています。
奈美ちゃんは砂丘をあちこちと歩き回っていましたが、砂丘の窪みで、黄色い小さな花を見つけ眺めています。
「お兄ちゃん、可愛いお花が咲いているわよ!」
食い入るように花を眺めていた奈美ちゃんが小さな足跡を見つけました。
「お兄ちゃん、これ何の足跡かしら?」
海人君が奈美ちゃんの指先を見ると、美しい風紋の上に、小さな動物の足跡が残っていました。
海人君は足跡を眺めているうちに、どうしても足跡の正体を突き止めたくなりました。
「奈美、この足跡の正体知りたくない?」
海人君は風紋の上に点々と続く足跡を眺めながら言いました。
「お兄ちゃん、奈美も知りたいけど時間は大丈夫?」
奈美ちゃんは海人君に言われた砂時計のことが気になりました。
「向こうに見える砂山あたりまで行って急いで帰れば大丈夫だよ!」
海人君たちは足跡の正体を突き止める探索に出かけることにしました。
海人君が渚君の手を引き、奈美ちゃんがチロのリールを握り歩きはじめました。
しかし、砂丘を歩くのはなかなか大変で思ったように進むことができませ。
一歩踏み出すたびに靴が半分くらい砂に埋まり、砂が靴に入り重くなっていきます。
靴を脱ごうとしても砂が太陽の熱で火傷しそうに熱く、素足になることもできず歩みはしだいに遅くなっていきました。
それでも海人君たちは汗と砂にまみれながらも、ようやく砂山の頂にたどり着きました。
その時、山頂から谷間を眺めていた奈美ちゃんが叫びました。
「お兄ちゃん、あそこにお城が見える!」
海人君が奈美ちゃんの指さす方に目をやると、砂の中に、お城が蜃気楼のようにかすんでみえています。
「渚、お城が見えるよ!」
よろめくように歩いていた渚君はお城を見るなり
「お兄ちゃん、あそこまで行ってみたい!」
急に元気を取り戻すと、弾んだ声で言いました。
小さな足跡も、谷間のお城に向かって真っすぐに続いているようでした。