誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

バットマン、その仮面の下にあるもの

2008年12月24日 | 洋画
昭和30年代の日本のヒーローだったナショナルキッドは、いったい、どこへ行ってしまったのだろう。
その当時、アメコミを代表するヒーローだったスーパーマンも、馬から落馬してどこかにいってしまった。
しかし、ゴッサム・シティの怪人バットマンだけは、依然として健在だ。

そして、ゴッサム・シティはもはや、かつてモデルであったボストンではない。
しかし、もはや架空の都市ですらない。

2008年は、ビッグスリーが壊滅的な打撃を受けただけではない。
世界一のエクセレント・カンパニーとされ年間純益1兆円企業であったトヨタですら明日が見えず、
アメリカ発の金融危機は、中国沿岸部の実体経済にまで影響を与えようとしている。

だからゴッサム・シティは、香港であるかもしれないし名古屋であるかもしれない。

はっきりしてきたことは、製鉄業だけではなく、自動車産業ですら、
かつての繊維産業がそうであったように、もはや先進工業国では採算の取れない産業にかわりつつあり、
にもかかわらず、先進国の労働者に、新たに雇用の機会を提供する新規産業が用意されていないことだ。

しかし、たとえば、不況到来の予感に満ちたダークナイトのなかでのゴッダム・シティの映像は、
それにもかかわらず息を呑むほどに美しい。

バットマン ビギンズ Blu-ray Limited Edition (2,500個限定生産フィギュア付)

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ダークナイト (Blu-ray Disc)

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YouTube:National Kid abertura Portuguesのテキストコメントから
小学3年生の時、弟と二人でいつも見ていました。なつかしい。
ナショナルキッドの外国版ですか!どこの国でしょう?
ブラジルです。どいうわけ、ずっと前にブラジルで人気の番組でし た。
ブラジルでそんなに人気があるとは知りませんでした。
教えていただいてありがとうございました!

  1 雲か 嵐か 雷光か
    平和を愛する 人のため
    諸手を高く さしのべて
    宇宙に羽ばたく 快男子
    その名は キッド
    ナショナルキッド
    僕等の キッド キッド
    ナショナルキッド
  2 人か 天馬か 龍神か
    四海を乱す ものあらば
    怒涛渦巻く 荒波を
    けだてて進む 快男子
    その名は キッド
    ナショナルキッド
    僕等の キッド キッド
    ナショナルキッド
  3 愛か 誠か 情熱か
    正義にはむかう 者どもを
    うつぞ地底の 果てまでも
    鋼鉄のような 快男子
    その名は キッド
    ナショナルキッド
    僕等の キッド キッド
    ナショナルキッド

本作には後年の名女優大地喜和子が志村妙子名で出演していた。







蒼氓の92年 ブラジル移民の記録
内山 勝男
東京新聞出版局

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サンパウロ新聞東京支社の書評から

著者は、サンパウロ新聞社創設者の一人。
90歳という高齢にもかかわらず今なお現役の編集主幹として健筆をふるう。
戦前、戦後を通じて邦字新聞記者として活躍する最長老は、
昭和5年、第1回芥川賞を受賞した石川達三と同じ移民船でブラジルに渡航した。
自らを「移民」と呼ぶ硬骨漢の書いた「移民譜」がこの書である。

第1部蒼氓の92年―日本移民の”流れの譜”

第2部蒼氓―後日談

第3部戦後55年―いまだ歴史のやみに

蒼氓 (上) (大活字本シリーズ)
石川 達三
埼玉福祉会

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楽隊が鳴り始めた。すると突堤にびっしりと並んだ小学生達が、今まで巻いていた小旗を一斉に開いた。日章旗であった。それを打ち振り打ち振り楽隊に合わせて歌い出した。

  行けや同胞海越えて
  南の国やブラジルの……
  未開の富を拓(ひら)くべき
  これぞ雄々しき開拓者……

 飄々(ひょうひょう)と鳴る海風の中を、歌声は美しい大きなどよめきとなって鉄の船腹を上って来る。すると移民たちは一斉に万歳を叫びだす。たゞ無茶苦茶に叫びだす。その耳を聾(ろう)する叫びの中に混(まじ)ってお夏は弟の呼び声を聞いた。
「姉しゃん。此処さ、こゝさ来え」
 そして弟は姉を人波を押し分けてずっと前へ押しだしてくれた。弟は興奮して、姉の耳元で大きな声で言った。
「姉しゃんこれ投げれ」
 そう言って真赤なテープを渡してくれる。然し姉はためらって投げようとしない。弟がまた、投げれ、投げれ、と催促する。
「どこさ投げる?」とお夏は小声で言った。
「どこさも糞もねえ、あっちの方さ投げればえゝんだ。どでもえゝ、日本さ投げれ日本さ!」




走れメロス (新潮文庫)
太宰 治
新潮社

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「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。
「フィロストラトスでございます。貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」
その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。
「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方(かた)をお助けになることは出来ません。」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」
「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。
信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。
私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」


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