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バンコクで現政権退陣を求めるタクシン派と治安部隊衝突/タイ高校歴史教科書

2009年04月14日 | 谷本歩実柔道一本勝負
火放つ群衆 逃げる車に兵士発砲 緊迫するバンコク(朝日新聞) - goo ニュース

タイの歴史教科書は、日本語で読むことができる。

4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
あくまでタイの公定史。, 2007/4/12
By パヤー・ティローク (大阪) - レビューをすべて見る
タイ人がどのような歴史観において教育されるのかという点をみるに関してはとても重要な本です。

短く例をあげますと、タイが枢軸国に「なった」、あるいは、「させられた」際には、密約として旧タイ領イギリス領、フランス領を日本が取り返した際にはタイへ返還することを日本と約束していました(実際に一時的ですが、これは実現しました)。一方でタイは連合国とは裏で連絡を取り合っており、典型的な二重外交を行っていました。

こういった外交上の駆け引きをまったく書かず、日本による強制的な枢軸国への組み込みであり、最初から連合国のシンパであったというような書き方はまさにタイ政府の政治的意図を如実に反映したものだと考えられます。他にもこの手の記述が目立ち、この本に対する興味は尽きません。

近年の歴史学的研究の成果として石井米雄『タイ近世史序説』がありますし、政治学的な研究としては村嶋英治『ピブーン』や、タック・チャルームティアロン『タイ-独裁温情主義の政治』など、日本語でもタイ史・政治に関する良著があり、これらの研究者の成果とこの本をを比較しながら読むと、タイの歴史教育はなにを目指しているのか、ということが見えて来るため、そういった批判を加えながら読むととても面白い本だと思います。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
まとまっている, 2006/2/6
By triniti (tokyo, japan) - レビューをすべて見る
良くまとまっていてタイの歴史の概観を掴むにはちょうどいいです。
私は、序章と、社会史、経済史、西洋と東洋の経済史の部分だけ読みました。
西洋列強の影響からタイの交易、税、生産の変化が興味深かったです。
特に、帝国主義の社会構造への影響、中央政府の成立、外国資本の追い出し政策など。
そして、交易がタイの農業生産に、自給から売買するためへと影響を与えたという事を知れて良かったです。
もっと詳しく勉強したければ専門書が必要になります。
しかしながら、教科書レベルで一般教養的な知識になります。
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7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
タイの通史本としては、薄い内容。, 2005/1/27
By ボヘミャー (千葉県) - レビューをすべて見る

どのような観点からこの本を手に取るかで、価値は変動するでしょう。海外の歴史の教科書を読んでみたいとか、実際にタイで使われているタイ史の教科書に触れてみたいということでしたら、満足できるでしょう。でも、タイの歴史を知りたいということだったら、内容的に濃いものではないので、がっかりということになるでしょう。日本だったら日本史と世界史に別れているところが、一緒になっているので、後半は世界の歴史にページが割かれてしまっています。ともかく全体として、あまりぴんとくるものではありませんでした。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。他国の教科書に触れる楽しみ, 2003/8/1
By アジアの息吹 - レビューをすべて見る

外国の本を読んだことある人は多いだろう。しかし外国の教科書を読んだことのある人が何人いるだろうか?小学生向けと思われる簡単なものを除き、実は私も読んだことはなかった。本書はそんな好奇心に応えてくれる、東南アジア・タイの高校社会科教科書の翻訳である。
読む前は失礼ながら歴史観にバイアスがかかっているものと思っていたが、ずいぶんとニュートラルでリーズナブルな書き方をしているのに驚いた。我が国を始め、どの国も教科書の記述には神経を使っているのだろう。

国際的な視点云々を語る前に、まず他国の人間がどのような教科書で世界を学んでいるか知る必要を実感する書である。

タイの歴史―タイ高校社会科教科書 (世界の教科書シリーズ)
中央大学政策文化総合研究所
明石書店

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