偽装魚の実態シリーズ 白身魚の偽装
真鱈(まだら)
偽装魚名 メルルーサ・シルバーヘイク・ホキ・ブラックバス・ブルーギル
真鱈と思って食べても水深1000m下の深海魚メルルーサかも知れない
深海魚はフィッシュバーガーやコンビニ弁当の中に入っている
■鍋料理・フライなど私達の日常の食事は深海魚から離れられない
回転寿司店では、あまり鱈は出てきません。握りネタとしてではなく、鱈の白子の軍艦巻きでしょうか。それよりも日常の食事で、身肉を鍋料理・ムニエル・フライとして食べることが多いでしょう。その際に、偽装魚として深海魚や南半球産の別種魚が使われるので注意して下さい。
さて、どんな魚が使われているのでしょうか?一番、聞き馴染みがあるのが、「メルルーサ」です。スーパーでも切身として売られており、肉質は淡泊な白身です。メルルーサはスペイン語であり、英語はヘイクと言います。体長70~120cm、1,000mの深海に棲んでいます。ニュージーランド南部・アルゼンチン・チリ南部、南西アフリカから南アフリカ沖など広い海域に13種が生息しています。
メルルーサ以外でも、シルバーヘイク(カナダ東岸など北大西洋に生息、体長40~70cm)、ホキ(ニュージーランド南方、アルゼンチン及びチリ南部、水深300~800m、60~100cm)です。このように鱈の偽装魚とされる魚は、深海に棲んでいることが多いようです。深海に棲んでいるからといって、グロテスクな形ではなく“普通の魚”です。
■駆逐魚のブラックバス・ブルーギルもすり身として混ぜられる
「深海魚なんて食べたことがないよ!」と言う貴方、若い方ほど腹一杯、深海魚を食べているのです。コンビニ弁当、フィッシュバーガー、そしてコンビニおでんの練り物などです。日本人は白身魚というと、無意識のうちに鱈と思ってしまいますが全くの間違いです。商売人は強(したた)かなので、本物の鱈が使われていれば「鱈」と明記します。
そのため「白身魚」としか書いてない外食や加工食品は、間違いなく深海魚です。深海魚が嫌な方は、しっかり鱈と書いてある食品を食べましょう。子供から高齢者まで、鱈と思って深海魚の切身・惣菜品・から揚げ・バター焼などを食べている方が多いのです。白身魚=鱈という日本人の概念(刷り込み)は、捨てましょう。
しかし、深海魚と分からないケースが現実に広がっています。鱈自体もそうですが、これらの魚は概ね「すり身」にされるからです。問題は、駆逐魚の「ブラックバス」や「ブルーギル」までもが、すり身にされます。そもそも練り物は、見掛けが悪い魚種などが使われます。“ネリラー”(練り物好き)が知ったら、ビックリするでしょうね。
ホキ・ミナミダラのはくせい写真が、開発調査センターのサイトからご覧になれます。
「開発魚・偽装魚を見よう」のご案内ページの説明に沿ってリンクして下さい。
メルルーサは、はくせい欄ではなく魚名欄に掲載されています。
■本物・真鱈のミニ情報/日本の食卓に欠かせない重宝な魚
本物の真鱈は、北関東以北、あるいは山陰以北に生息しています。体長は1m程度、夏は深い場所にいます。鱈場蟹(たらばがに)の語源も、鱈がいるような深い場所にいるからです。
寿司(握り)は、昆布締めにします。真鱈は鍋物・フライなど、日本の食卓に欠かせない重宝な魚です。鱈はそんなに枯渇していないのだから、外国の別種魚に依存せず国内産を食べたいものです。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。