食品のカラクリシリーズ 食料廃棄を減らす
コンビニは高度なPOSシステムを駆使し計画的に期限切れ弁当を作る
コンビニ廃棄弁当の餌では豚も食物繊維やカルシウムが足らない
■コンビニは品切れが怖いために確実に食品を余らせる在庫設定をしている
食料品の需要(品目や数量)は、季節や暑さ寒さ、曜日・天候などに大きく左右されます。コンビニは独自のPOS(ポス)システムを保持し、さらに専門の気象会社と契約して翌日の天気や気温を判断して、売れ筋商品をいつもより多く棚に載せて品切れを防ぎます。コンビニPOSとは、レジの店員は購入した商品の他に、その場で購入者の性別・年齢層(推定)を入力します。
そのデータが、リアルタイムで中央電算センターへ送られます。即時、かつ自動的に在庫管理・業者発注する仕組みで、店の品切れを防ぎます。また性別・年齢によって、どういう傾向の商品が売れるかが分かるので新商品の開発にも使います。店員は愛想よい笑いの奥で、“こいつはO歳ぐらいかな?”と冷たい眼で見極めをしているのです。
毎日、多くの廃棄量があることはPOS売上管理の凄さです。なぜなら無駄や廃棄を事前に把握した上で、怖い品切れを起こさないために、商品を常時“余分に置いている”ことなのです。皮肉な言い方をすれば、高度技術のPOSシステムを駆使し、あえて“廃棄予定”の弁当を置き、そして計画的に豚の餌作りをしているのです。こうしたコンビニの在り方に、強い怒りを感じます。
■コンビニ弁当の餌を与えた養豚農家の母豚の死産が続発・大問題になった
コンビニから飼料会社に持ち込まれた廃棄弁当などは、減圧乾燥機で7時間ほど殺菌・乾燥させて4mmの粒にします。減圧により沸点を70℃に下げて、熱による栄養の減少を防いでいるそうです。それにしてもコンビニ廃棄弁当だけでは、豚の餌にならないそうです。笑ってしまうことに、食物繊維やカルシウムが足らないからです。別の回収先から野菜クズを集めたり、態々(わざわざ)鶏の卵殻の粉末を購入するのです。
皆様は、あることに気が付きましたね。廃棄弁当餌が“象徴”していることは、コンビニ弁当は人間様が食べても野菜とカルシウムがかなり足りない、栄養バランスが悪い欠陥食品ということです。一方、2004年にある養豚農家で、コンビニ廃棄弁当を加工した餌を与え続けたところ、母豚の死産が続発しました。高脂肪で塩分過剰、食品添加物の影響とも言われています。また中国野菜からの農薬、遺伝子組み換え作物などの懸念も残ります。
食料廃棄を減らすために豚への餌化すると、“コンビニ弁当餌”で育てられた豚には、国産であっても安全な肉を求める消費者の拒否が絶えません。なかなか食品リサイクルは、一筋縄でいかない難しい面があります。