満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

渡る世間は本ばかり

2006-08-14 00:57:49 | 雑記

皆様ごきげんよう。何かあったのかという勢いで本の感想を連投しました黒猫でございますよ。
いえ、別に何もありません。ただ、今週はジャンプが出ないので暇だったのです(オイ)。つまんないから今週は赤丸ジャンプ買っちゃうぞー。(どんだけジャンプっ子だ)

行きつけの図書館のサイトが整備され、ネット経由で本の予約ができるようになってからというもの、新しい本読みたい本も結構早いうちに読めるようになりまして、その結果当たり(=面白かったと思う)率が増えたんですね。実はもうちょっと読んでますが、全部書くとキリがないので・・・(笑)。
でもその反面、図書館でじっくり本を選ぶことが少なくなりました。たまには表紙とかタイトルで全然知らない人の本を選んで開拓していかないと、読書の幅が広がらないんですけどね。昨日今日と暇だったくせに閉館時間ギリギリに予約本を受け取ることしかできませんでした・・・。ダメじゃん。
なんかものすごく本好きな人が「一日一冊読んで80才まで生きるとして、あと○冊しか読めない。こりゃ大変だ」みたいなことを言っているのをどこかで見かけましたが、一日一冊って厳しいと思うよ。無理だろ。ま、数を読んでいかないとなかなかこれは!と思う本に出会えないのも事実ですが、そんなふうに何かに追われるように読んでも楽しくないよなあ、とか思ったり。

ああ、学生さんは読書感想文があるんですね。わたしは昔から読書が趣味でしたが、課題図書があるものはいまひとつ苦手でした。好きに選ばせろよ、と。でも好きに選ばせるとライトノベルとかエッセイで書いてくる子もいるんでしょうね。
そんなわたしの忘れられない読書感想文の課題は、高校生の頃『阿部一族』か『高瀬舟』か『山椒魚』のいずれかで書け、というものでした。どれも欝になるじゃんかよコレ。よりによって楽しい夏休みに読みたくないこのラインナップを考えた当時の国語の先生は一体何を考えていたんでしょうか。
とにかく学生の皆さん、頑張れー☆

今日は暑かったのでプールで泳いできました。同じ考えの人でごった返してるかな?と思いきや、数えるほどの人しかおらず。大丈夫かこのジム。でも常連さんはアンタもしかしてここに住んでる?ぐらいの勢いでいつ行ってもいるので、まあ大丈夫でしょう・・・。


そうそう、昨日の夜中なんだか朝方なんだかに更新したリレーSS、今日その旨を前後の方にお知らせしたのですが、今のところダメ出しはなくてほっとしています・・・(笑)。SさんYさんのファンの方には何だか間に余計なの挟まって台無しだぜ!と言われそうで、申し訳ありません・・・これが黒猫クオリティです。(何様だ)
そんなクオリティに任せて、次は何を書こうかなー。もうね、大将に古式ムエタイをやってもらった今、わたしの頭の中は次はラジニ的アクションだろとい思いでいっぱいです。(それはどうよ)

さて、明日から世間はしばしお盆休みで、出勤してくる人も少なかろうと思いますので、明日はずっと気になっていたワゴンのカレー屋さんに出撃予定です。お盆期間だけど、来てくれるよね・・・?

『陰日向に咲く』

2006-08-14 00:12:01 | 

連投で本の感想です。

『陰日向に咲く』(劇団ひとり著、幻冬舎)

仕事に疲れてホームレスに憧れ、こっそりホームレス装備を自作して週末ごとにホームレスになる「道草」、自分の生活が圧迫されるほどお金を切り詰めてでも愛するアイドルを追いかける「拝啓、僕のアイドル様」、その場のノリでうっかり将来の夢はカメラマンと言ってしまった大学生の女の子のうっかりな恋愛を描く「ピンボケな私」、ギャンブルによる借金で首が回らなくなり、ついにはオレオレ詐欺に手を出した男を描く「Overrun」、修学旅行先で出会ったいかにも売れなさそうな芸人に惚れ、その男を探し出してコンビを組んだものの、彼には他に好きな人がいて・・・?という人間模様を描く「鳴き砂を歩く犬」の5編の登場人物たちが少しずつリンクして織り成す群像劇です。

わたしはあまりタレント本には興味がないんですが、これは帯で恩田陸さんがベタ褒めしていたのでつい読んでみました(笑)。

いや、面白かったですよ。予想以上に。

手法が面白い。登場人物たちがリンクしているという手法は時折見かけますが、リンクの仕方が面白い。それぞれは知り合いだったりそうじゃなかったり、同じ人物が他の章では別の名前で出てきたり。
さらに、叙述トリックとまでは言いませんが、読んでいるうちに「えっ、そうだったの?」と明らかになる事実があり、意表を突かれます。「Overrun」と「鳴き砂」は見事に騙されました。
全体を読み終えてから「つまりこの人はあそこではここに出てきて・・・」などと妙に納得できて面白いです。

登場人物たちは皆取り立てて幸せではなく、一生懸命生きても空回りしたり、最後には報われたり報われなかったり・・・というのも、なんだかイイです。人生ってそんなもんかも。でも捨てたもんじゃないかも。というような、ふんわりした読後感ですよ。

正直「Overrun」のラストで泣きました。老人と子どもと動物には弱いって言ってるでしょー!(誰に言ってんだ)まあ、人によっちゃ狙いすぎ、とか言われそうですが、わたしはそれでも泣いてしまうだからしょうがないじゃないですか(逆ギレかよ)。

行間が広く、文章も平易でサラっと読め、その割に面白いので、読書習慣のない方にもおすすめ。
劇団ひとりは以前「お笑いブームの終焉をそろそろ感じてきている」というようなことをTVで言ってましたが、この方面でやっていけるといいですね。次回作も読んでみたいです。