テレビ時代劇ドラマの一場面をスケッチする。
歌の文句にもあるが、古くは手塚治虫の「ふしぎな少年」という作品の中で主人公が「時間よとまれ」と唱えると周りや人が静止するといった話しもあった。現実にはありえないが時々そう思う事もある。
まだ子供達が幼い頃、家族全員で公園に遊びに行き、お弁当を広げて空を見上げた時に、ああこのまま時間が止まらないかなとしみじみと思ったものである。またある時はお袋や親父と家族で夏の花火を見に行った時などにもそう思った。
そのお袋も親父も、もうこの世にはいない。子供達もすっかり大きくなり時間だけが経ってしまった。自分もすっかり歳を取り周りの時間もやたらと早い。うる覚えで当てにはならないが人間は十九歳あたりから徐々に時間を早く感じるらしい。
同時に体力の衰えも感じる。去年より今年、昨日より今日と、日々加速度的に劣化して行くのが分かる。ちょっとでも早くやろうとか、今日はもう少しやろうかと思ったり、根気を入れようなどと思っただけで身体が悲鳴をあげる。
そういう訳で、ぼーっとしたり昼寝をしたりして充電をすると何とか復活するのだが、またすぐに赤ランプが点滅する。そうこうしていると、夕方になり一日が終わってしまう。時間だけが律儀に過ぎていくのだが、手の方は止まったままである。
さて、絵の方であるが御覧の通りまだと途中である。時間よ止まれとは言わないが、せめてこちらのペースに時間の方が合わせてくれないかと思う今日この頃である。