ラドン西海橋の話しの続きです。2003年頃だったでしょうか。自分の開設したHPのBBSに書き込みをしてくれた女性がいました。彼女とは他のBBSで知り合い、自分のHPにも遊びに来てくれましたし自分も彼女のHPに行きました。
彼女のHPは御自分の病気の闘病記を中心に日々の暮らしや周りのエピソードを明るく綴ったもので、自分の劇画やイラストを発表するHPとは趣が違っていました。彼女は自分の絵のファンになってくれて、いつもコメントを寄せてくれました。
その彼女が今日は体調が良いので西海橋に行きました。という訳で話しがラドンになり自分もコメントして話しが盛り上がったのです。彼女の名前は後に分かるのですが顔と年齢は最後まで分かりませんでした。
絵はそのラドンの途中です。舞台は九州ですが、彼女は神戸の方です。かの震災を経験なさっていて御苦労をなさったようです。阪神淡路大震災です。当時朝のニュースでテレビの映像を観た時に空襲でも起きたのかと思いました。
怪獣でも現れたのかとも思いました。不謹慎ですが、まるで映画を見るようでした。怒られますが、本当に驚きました。あの中に彼女もいたわけです。HPにはその神戸の復興振りも記されていました。
このブログを始める前に掲示板を2001年頃から始めておりまして、残念ながらその掲示板はサービス停止で今は存在しません。その掲示板では何人かの方と交流がありました。その中に私の絵のファンだという既得な方がいらっしゃいました。
その方はHPやブログもやっていらっしゃって、記事の内容は普段の生活と闘病記録が記されていました。そうなんです、その方は女性で癌なのです。長い闘病生活なのでしょう、病院の方々のエピソードや御自分の闘病生活のブログなのです。
そのブログの一節に、今日は調子がいいので西海橋に行ってきました。というのがありまして写真も掲載されていました。記事の内容はこう続きます。この橋は怪獣ラドンが壊した事でも有名で私はこの映画を観ました。とありました。
彼女の顔も年齢も分かりませんでしたが、どうやら話しの雰囲気から自分と同世代か、その上かと思いました。結婚もしていて御主人と同伴とありましたから勝手に想像した訳です。幼少の頃に自分も観ましたとコメントしました。
絵は残念ながら西海橋のシーンではなく九州は福岡の市街を襲撃する様を想定して描いています。先に描いた佐原健二や白川由美を後にフォトショップで合成して一枚の映画の看板にしようと思っています。
幼少の頃に東宝のゴジラの二作目を劇場で観たという記憶があります。中学生の頃に大映がガメラ対バルコンに代表されるガメラシリーズが放映されました。これは人気シリーズで、それ以後けっこうな数が作られています。
ガメラは劇場でテレビでと相当数観た記憶があります。当時はプラモデルも発売されていて買って作った思い出があります。父からは嘲笑されましたが、そういう父も晩年まで工作好きで大型の模型飛行機などを自作していました。
プラモデルのガメラはゼンマイ仕掛けで歩く代物で、動かしては一日中眺めていました。それを見て父は「よっぽどのお気に入りなんだなぁ」と笑っていました。中学生にもなって、いつまでも幼稚だなとも言いたげでした。
しかし模型も映画も父からの影響が多分にあるように思います。事実今この歳になっても鉄道模型に手を染めたり懐かしの怪獣映画をビデオ屋から借りてきては観ています。幾つになっても好きは好きです。
絵はラドンの続きです。このラドンは特撮映画の中では一番のお気に入りです。ミニチュア模型の空気感がたまりません。これを一個一個作ったのかと思うと裏方さんの労苦が忍ばれます。
以前、描きかけのラドンの続きです。話しは変わりますが、父は先の太平洋戦争で兵隊にいった人です。陸軍の航空隊の整備兵をしていました。主に百式の整備をしていたそうです。
ダム工事や造船所に従事して、それから樺太の飛行場に行き、終戦は関西の伊丹基地でむかえたという話しを聞いた事があります。一年程かけて郷里の北海道に辿り着いた時には自分の位牌があったそうです。
そういう苦労の先人達にしてみれば戦後の映画は娯楽の殿堂であった事には間違いないでしょう。どんな田舎にも映画館はありました。それだけ映画は活況していたのは子供の頃を振り返っても分かります。
このラドンは幼少の頃に父に連れられて観にいった思い出深い映画です。ラドンの旋風で町々が粉々に砕け散っていく様を父のように戦争を体験した人はどういう気持ちで観たのでしょうか。この頃ふっと思います。
父は米軍の空襲の爆風で片耳が聴こえないそうです。倒れて気が付くと顔半分に爆風で粘土がへばりついていたそうです。ほんの数十センチの立ち位置で生死をわけるとも言っていましたから、生きて帰った父は運が良いのでしょう。
鉛筆書きの下絵の日付けを見ると2021年とある。片付けをしていたら出てきた。昨日はクリント・イーストウッド、今日は時代劇。どういう設定なのか忘れてしまったが、何かの時代劇ドラマを参考に描いた。
この頃はデジタル一辺倒で紙描きは久し振りである。紙描きの劇画も手を付けてはいるのだが、まだ途中で発表の段階ではない。この作品も時間を選びながらだが三日ほどかかった。
ペンが走らない。なんといっても襖の格子に時間がかかった。
それにしても、この二人は赤の他人の密会なのか、それとも夫婦なのか?今となっては描いている本人も解らない。