20代、必死になってムキになって仕事をした時代。講演会、展示会も頻繁に行ったし、何よりも建物をたくさん見に行った。写真もたくさん撮ったが、スケッチブックを片手にスケッチ旅行などもいった時代。貪欲に建築のことを知ろうとした時代。残業時間180時間のときもあったし、2日おきに徹夜して1週間過ごしても大丈夫だった時代。図面が汚いといわれれば、クシャクシャにしてむきになって書き直した時代。全ての行動が、建築中心だった時代。一生懸命に仕事したし、ムチャクチャ酒を飲んだ時代。若かった・・・。
30代、事務所を開設して、いろんなところに顔を出し、ネットワークを築いた時代。このときに知り合った方々は自分にとって貴重なアドバイスをくれる人が多い。人に教えるというような大それたことをするようになったのもこの時代。独立して仕事の大切さ、大変さを実感した。あまりにも仕事がないのでアルバイトニュースを買って真剣にアルバイトをしようかと思ったときもあった。設計という仕事で1ヶ月に1円の金も稼げないということもあった。
30代は、家族に迷惑をかけた。が、しかし辛抱強く見守ってくれた。感謝している。仕事がなかった時代、30代前半、チャンスがあればものしようと無理をして結局、ケンカ別れし、なにも収入のないときもあった。このとき以来、契約をしないと基本的には図面を書かないようになった。30代は混沌とした時代、自分自身いろいろとさまよっている時代。あるクライアントからは「建築にしがみついているようだ」といわれたこともあった。実際に建築が好きであるし、それで生活したいし、しがみついているように見えたかも知れない。しかし、あきらめられない。しかたがない、建築が好きなのである。
そして40代にはいった。そろそろ、膨張した行動を絞って生きたい。的を絞って仕事をしていきたい。何でも出来るというのは、何の個性もないのと同じで人から見ると何の魅力もないのだ。40代は魅力ある仕事をしたい。子供に自慢できる仕事をしたい。親の背中をみて子供が、成長できるような親になりたい。そんな姿を見せたい・・・。