大体の姿に仕上がってきた、青師団高校チームのベルデハⅡ軽戦車です。唯一の劇中車のシーンを実感してみようと、砲塔を左斜め後ろへ旋回させてみました。この姿で劇中シーンに出ています。
外観や形状はほぼ同じで、とりあえずは自身の基本設計と採用数値が間違っていなかったことを確かめてホッとしました。しかし同時に、上図の二ヶ所の円内の状態に気がつきました。
まず黄円内には板状の部品が斜めにズレて見えます。これは通気ボックスからの傾斜面をそのままフェンダー後端まで繋ぐ三角形のカバーのようで、それが被弾擱座時の衝撃で外れてズレているもののようです。スペインからの概要資料によれば、この位置にはガソリン缶や雑具箱などをセットする場合があるが、何も装備しない場合はカバーをかけるとあり、そのカバーが車体後部の傾斜面に合わせた三角の形状になっている、ということです。
次いで、赤円内に何らかの物体が見えますが、物体と言うよりも影のように見え、スペインからの概要資料にも該当する情報がありませんでした。調べても分からないので、こちらは気にしないことにしました。
黄円内の三角カバーをプラ板の組み合わせで作りました。左右に付くので一対で作りました。
三角カバーをセットしました。これが外れてズレると、上図のようになります。このパーツは接着せずに取り外し自在としました。
車体の各所に見えるハンドルを真鍮線で作って取り付けました。上図は車体後部のエンジンフードパネルの開閉用ハンドルです。スペインからの概要資料によれば、中央の二列のグリル部は左右に横に開き、ヒンジ部のロックを解けば取り外すことが出来ます。そのうえでエンジンフードパネルを上に開いて、これも取り外せるようになっている、との事です。
左右フェンダー上の前後のボックスにもハンドルが付きますので、真鍮線で作って取り付けました。
以上で、塗装前の組み立てが完了しました。自作ながらも思ったよりスムーズに進みました。
ローアングルから眺めてみました。なかなか姿形は良いですね。ガルパンでの劇中車は、撃破され擱座している静止画のみに終始しましたが、出来れば動いている姿を見たかったです。
塗装に移りました。車体カラーに関しては嫁さんの意見も取り入れて、グリーンがかかったグレーとしました。ミスターカラーの13番ニュートラルグレーに525番の緑色を数滴垂らして混ぜたものを吹き付け塗装しました。ベルデハⅡは車外装備品が一切ありませんので、これらの塗装もありませんでした。
組み付けた履帯は、28番の黒鉄色で塗り分けました。履帯を組み付けて塗装して塗り分けるのは今回が初めてでしたが、思ったよりもスムーズに進みました。
砲塔の同軸機銃、ドライゼM13も28番の黒鉄色で塗り分けました。
劇中車に合わせて、青師団高校の校章マークを砲塔左右側面に貼りました。
デカールを貼り終わりました。一気にガルパンの戦車の雰囲気になりました。
後部の三角カバーもセットした状態にて、つや消しクリアを薄く吹き付けて仕上げました。
以上で、青師団高校チームのベルデハⅡ軽戦車が完成しました。製作日数は2022年6月14日から28日までの15日間でした。組み立てに13日、塗装に1日かかりました。
今回の車輌は国内外に1/35スケールの適応キットもガレージキットも存在しませんので、プラ板とジャンクパーツでの組み合わせによる自作となりましたが、車体形状がシンプルであるため、さほどの労苦を要しませんでした。足回りもT-26軽戦車のパーツの転用によってなんとか形になりました。それで正確にはモドキの再現製作でしたが、仕上がってみますと、なかなかにベルデハⅡ軽戦車独特の姿、雰囲気が出ていました。
このベルデハⅡは、実際には試作車輌1輌のみで現存するものの、実戦投入も無いままに終わった歴史を持ちます。それで公式キットどころか適応キットも出ないだろうと思われます。ベルデハⅡの前身のベルデハⅠは、スペインのメーカーから1/35スケールのガレージキットが出ています。車体形状や足回りはベルデハⅡと似ていますので、そのガレージキットを入手しての再現製作も可能だと思いますが、費用が高くつくので、私の場合は費用がかからなくて済む自作を選んだ次第です。