伊香保温泉の源泉の露天風呂を楽しんだ後、車道を道なりに下って温泉街に入りました。一昨日に訪れた上図の薬師堂の横を通り、ああ、道はここに通じてるのか、と頭の中で地図を描いて理解しました。
それから右上に上図の伊香保神社の参道石段を見上げつつ、道を左にとって石段街へ進みました。その時に携帯電話が鳴りました。友人のMからでした。
「星野?・・・いまどこに居る?」
「伊香保神社の石段下やけど」
「千明元屋敷跡と露天風呂は行ったのか?」
「もちろん。教えられた通りに回ってきた。紅葉はまだなんやね」
「あー、今年は暑かってな、10月まで真夏日が続いてたからな」
「そうやな」
「今は?」
「どこかで食事しようかと思ってうろついてる」
「また水沢うどん食べるのか?」
「それは一昨日食べたんで、今日は普通に和食とか洋食とか食べたい・・・」
「ふーん」
電話しながら歩いて、一昨日も見下ろした上図のマンホールの横を通りました。
「で、いま石段街を下りているんやけど、あんまり食事処って見当たらないのな・・・」
「それが実は伊香保温泉街の課題の一つでもあるの。食事処が分散しちゃってるから観光客が素通りしちゃうんだな」
「なんとなくそんな感じやな。一昨日も思ったけど、あんだけ海外からの観光客も大勢来てて賑わってたのに、食べるとこといったら、臨時の屋台や出店が多くてな、それで買って食べる人が石段街の階段をベンチ代わりにしてて塞いじゃってるとこ、けっこうあって歩きにくかったな」
「そう、そうなんだよ、もうな、とっくにキャパオーバーなのよ、ここは。観光客が多過ぎるし、特定の場所に集中しがちなんで、色々と問題になってる・・・」
「そうなんか、京都も似たようなもんやよ」
「で、いまどこに居る?」
「石段街」
「それはわかってんだ、石段街のどこかと聞いてる」
「いや、こっちは石段街をよく知らんので、どのへんかと言われても答えられん・・・」
「なら、近くの店の看板とかあるだろ、目につく看板。言ってみてくれ」
「ええと・・・、民芸、山・・山白?」
「うん、山白屋か。妻の友達の店だ」
「へえ・・・」
「それじゃあ、いい食事の店を教えよう。洋食でいいか?」
「洋食屋さんがあるのか?」
「ある。山白屋の前を過ぎたら、二つ目・・・いや次の辻で右にある。「サラズテラス アライヤ」という。知り合いがやってる店だ」
「次の辻って、すぐそこやないか・・・」
そのお店の前に着きました。「サラズテラス アライヤ」つまり「SARA"S terrace Arraiya」です。
外に出してあったメニュー看板です。なかなか本格的な内容です。伊香保温泉街においては数少ないというか、ほぼ唯一の洋食屋であるそうです。
ちょうど12時7分、昼食どきでしたので、迷わず店内に入りました。外観もそうでしたが、内観もオシャレでいい雰囲気です。
窓際のテーブル席に案内されました。席からは、御覧のように石段街が見下ろせます。伊香保温泉街の中に居るという実感が味わえます。
ゆるキャンの作中では、各務原なでしこ達は「石畳の湯」に立ち寄って入浴したほかは、何も食べず、どこにも立ち寄らず、ただ石段街の景色だけを撮ってサーッと通り過ぎたようで、そのまま榛名山へのバスに乗っています。
ですが、それをそのままなぞるだけでは面白くないし、勿体ないです。せっかく伊香保温泉に来たのだから、ゆっくり観光も楽しみたいし、食事ぐらいはとりたい、温泉街の散歩や食べ歩きもしたい、と考えた次第でした。
ですが、Mもボヤいていたように、北関東有数の人気観光地でありながら食事処が驚くほどに少ないのでした。従来の伊香保観光が湯治滞在型であった歴史をひきずっていて、食事は温泉旅館のいずれかに泊って召し上がれ、という意識がいまだに根強く残っているからでしょうか。
なので、ゆるキャン聖地巡礼の際にも、気軽に立ち寄れて普通に美味しいものがいただける食事処が一軒でもあれば良いわけです。アニメ4期には間違いなく伊香保温泉も出るでしょうから、放送後は全国からファンがやってくるはずです。その際の食事処としても、「SARA"S terrace Arraiya」はおすすめです。聖地スポットに近いので便利です。
食べログでの紹介記事はこちら。
で、上図のカツカレーをチョイスしていただきました。もっと豪華なランチにしてもよかったのですが、このあとも食べ歩きを楽しみたいので、カツカレーもミニで済ませておきました。 (続く)