野反湖ハイキングの続きです。今回は上図のテントエリア(旧称第2キャンプ場)付近から湖畔西岸ルートの終点付近までの約0.7キロの赤線のコースを紹介します。各務原なでしこがバンガローエリアから散歩してきたルートです。
テントエリアの広場から出て「笹清水」の岩場を見た後、湖畔西岸ルートを再び歩きました。「笹清水」の北側の上図の景色にも既視感がありました。作中の景色が、このあたりをモデルにしているなと気付きました。
このシーンです。実際にはシラカバの林と千島笹の群生に遮られて見えにくくなっている湖面が、シラカバの林と千島笹の群生を省いているために綺麗に見えます。あfろ氏の作画によくみられる、景観美化の手法です。
現地では見られない景色なので、ちょっと困惑しつつ、いったん「笹清水」の南側まで引き返して、再度右手の景色を確認しましたが、広場からずっとシラカバの林と千島笹の群生が続いているので、湖面は僅かしか見えませんでした。
再び前に進みました。緩やかな下り坂になっているのが、ハンディGPSの数値からも分かりました。標高の数値が少しずつ下がって1510メートルに近づきました。地図を見ると野反湖の北側の西の細い入り江の付け根にさしかかりつつありました。
その入り江は西では細い谷間となり、御覧のようにそれを渡る橋が架けられています。湖畔西岸ルートのショートカット部分にあたりますが、作中で各務原なでしこはこの橋を渡っていないため、私も道から見下ろすにとどめました。
道なりに進んで、14時2分、上図の大きな右カーブに着きました。さきに見た谷間の源流で、地図では「ニシブタ沢」とあります。ハンディGPSの数値は1507メートルになっていました。おそらく、湖畔西岸ルートで最も低い位置だろう、と思いました。この「ニシブタ沢」に架かるコンクリートの橋のあたりが作中に描かれます。
左のコマです。右へ曲がる道、コンクリートの橋、奥の看板、沢から溢れて橋の手前の道を横切って流れる水、の全てが一致します。道に溢れて流れる水を、各務原なでしこが「よっ」と飛び越えています。
実際に沢から溢れた水が橋の手前の道を横切って流れていました。現地はここ数日天気に恵まれていたそうなので、「ニシブタ沢」の流水量も少なかったようで、道への溢れ水も、上図のようになんとか歩いて渡れる程度でした。雨が降ったりしたら、溢れ水も数倍に増えるのかもしれません。
「ニシブタ沢」を見ました。地図で見ると、野反湖に注ぐ沢はこの「ニシブタ沢」のほか、三ヵ所にあります。「ニシブタ沢」の北側に位置する「カメヤマ沢」、東岸の「ハンノ木沢」の支流、および八間山中腹の湧水に発する「大空堀沢」が地図に記されています。
これらの沢からの流水が、いまの野反湖の水の大部分を占めているのでしょう。
「ニシブタ沢」の奥には安山岩とみられる暗緑色の露岩が幾つも望まれます。これまでずっとなだらかな地形の中を歩いてきて岩や露岩などを全く見ていなかったので、こういった沢筋にて地層の断面をみると、やっぱりここも火山帯の造山活動による地形なのだな、と思い知らされます。
再び歩き出して、「ニシブタ沢」の北へ回り、すぐ北にある「カメヤマ沢」を渡りました。それから道は登りに転じ、14時10分、ハンディGPSの数値が1521メートルに達しました。その際に後ろを振り返ったのが上図です。作中に描かれる場所がこのあたりかな、と考えたからでした。
左のシーンですね。前のコマで終点にあたるハイキングルート入口の距離標識が描かれるので、終点が近づいているのだろうと思いました。
道が左にカーブして、前方に上図の建物が見えてきました。野反湖キャンプ場の体育館で、セントラルロッジとも呼ばれる、緊急避難施設を兼ねた建物です。
そして14時13分、ついに湖畔西岸ルートの終点、野反湖キャンプ場の駐車場の南端に着きました。12時35分に富士見峠を出発してから1時間38分で到達したわけで、スタート時に見込んだ所要時間1時間40分にあと2分でした。
バスで運転手さんにいただいた野反湖周辺ガイドでも、この湖畔西岸ルートの所要時間を1時間40分と記していますが、まさにズバリであったわけです。私の歩速がかなり速いほうに属することを考えると、普通の方の所要時間は約2時間を見ておくべきだろうと思います。 (続く)