近鉄特急・・・いや大井川鉄道の千頭行き普通列車に乗りました。御覧のとおり内装は近鉄特急時代のままです。窓のカーテン、リクライングシート、豪華な普通列車ですね。
今回購入した大井川周遊きっぷです。作中で各務原なでしこが購入した「奥静周遊きっぷ」のモデルで、値段は同じ4900円です。購入日より二日間有効です。今回は大井川鉄道エリアを一泊二日でまわり、宿は寸又峡温泉郷の旅館にとりましたので、寸又峡へのバスの往復もこれ1枚でOKな大井川周遊きっぷは便利です。
仮に、今回の二日間の巡礼で利用する鉄道とバスの運賃を全て通常料金で支払うと、合計6880円にもなります。大井川周遊きっぷですと1980円もお得です。
とにかく、嬉しくて楽しくて仕方がないホシノでした。1度は予定を中止し、その後4度も計画を後送りにした大井川鉄道エリアへの巡礼にやっと臨めるわけですから、テンションが上がるのも無理はありませんでした。列車が近鉄特急車輌であったのも良かったです。
奈良に居た頃には、よく吉野へ遊びに行って、大峰奥駈道ハイキングを楽しみましたが、その思い出も鮮やかに甦ってきて、楽しい気分が倍加したのでした。自然に奥駈道ソングを口ずさんでしまいました。
よっしの、お、お、み、ねの、おくがけみちを、か、け、てー・・・・。
かーぜはどこからー、ふいてるのでしょうーかー、とーおーくでよびかーけーる、こえがー、きこえるよ・・・。
あーおぞらーのしたー、ひざしをうけとめたー、よーしのやまの、きーぎーが、だれかーに、てをふるー・・・。
7時47分に金谷駅を出発しました。途中の多くの駅で古い建物を多く見かけました。大井川鉄道は、ほとんどの関連施設が国鉄時代からそのまま使用されていて、以前に行った天竜浜名湖鉄道と似た趣きをみせています。静岡県下の地方鉄道は歴史的風情も濃い面白味に満ちたところが多いです。
さすがは茶どころ静岡県、藤枝茶、川根茶の広々とした畑がずっと広がっていました。京都府民としては和束茶や宇治茶が、といいたいところですが、個人的には藤枝産の「かぶせ茶」が好みだったりします。「かぶせ茶」とは、煎茶と玉露の風味を合わせたような深みのある茶のことです。
そのうちに車窓の景色が大井川のそれに転じてゆきました。大井川に沿って走っている鉄道ですから、川の景色がメインになります。
今回は好天続きの時期でしたので、御覧のように流水量も少なくて、広い川底の大部分が白く浮かび上がっていました。これが梅雨や台風や豪雨の時には氾濫すれすれの激流になったりするそうですから、自然の猛威というのは測り難いです。
塩郷駅の近くで吊橋を見ました。原作コミック第11巻の第63話にて各務原なでしこ、志摩リン、土岐綾乃の3人が渡った塩郷の吊橋です。今回の巡礼行ではこの吊橋にも立ち寄る予定でしたので、あー、こんな長いのかー、と眺めていました。全長220メートル、大井川に懸かる吊橋としては最長です。
しばらくウトウトしていて、ハッと我に帰ると、上図の崎平駅の駅名標が目に入りました。いつの間にか、千頭駅の前の駅に着いていたようでした。金谷駅を出てから既に一時間20分ほどが経過していました。
9時1分、終点の千頭駅に着きました。ホームの向こうに古めかしい感じの客車が駐機しているのが見えました。大井川鉄道ではこのような昭和初期に製造された旧型客車がいまも現役で使用され、各種の形式あわせて18両があるそうです。まさに鉄道車両の博物館ですね。
千頭駅のホームに降りて、乗ってきた近鉄特急・・・いや普通列車を撮りました。ここは吉野駅か、橿原神宮駅か、と錯覚してしまいそうになりました。
原作コミック第10巻126ページ4コマ目と同じ3番線ホームではなく、1番線ホームに入りましたが、似たようなアングルで撮っておきました。
改札口へと向かいました。列車はホームのかなり手前で停車しましたので、降りてからしばらくホームを歩くことになりました。
改札口です。原作コミック第10巻126ページ6コマ目に上図の右半分が描かれます。右は外へ出る改札口ですが、左はアプト式列車千頭駅への連絡改札口で、今回ともに乗ってきた乗客のほぼ全員がアプト式列車に乗り継ぐようで、そちらに列をなして検札を受けていました。
作中で各務原なでしこはいったん外へ出ています。そして駅舎内でダムカレーの看板を発見し、駅舎の向かいの観光売店にて豚串を見つけたりしていますが、私の巡礼ではアプト式列車に乗り継ぐので、検札の列の後尾につきました。
なので、自撮り記念撮影しようと思っていた、上図の日時パネルで撮る暇がありませんでした。巡礼日記録のために撮っただけにとどまりました。 (続く)