去る10月23日、新たなガルパン仲間のS氏に「ひとつ、中古ショップ巡りというのを教えて下さい」と誘われた。昼食をおごってくれるというので、S氏の自宅に近いところにある2ヶ所の店舗を提案して共に出かけた。
1ヶ所目は上図のホビーオフ長岡京店であった。京都府下では唯一のホビーオフ店舗であり、この9月にオープンしたばかりで、S氏はもちろん、私も初めての訪問であった。地域によってはかなりのプラモデルの品ぞろえを誇るホビーオフだが、京都府下には今まで無かったため、私も殆ど情報を持っておらず、したがって今回はよい機会と言えた。
が、S氏が期待していたところのプラモデル中古品の品ぞろえは少なく、コーナーの大半を占めるのはガンプラであった。残りはほぼ飛行機や車や艦船で占められ、AFVは数点しか見当たらなかった。そこで早々に2ヶ所目へ移動した。
2ヶ所目は、上図のブックオフSUPER BAZAAR 1号京都伏見店であった。京都市内に7店舗を数えるブックオフのなかで最大の規模と品揃えを誇るが、今年5月のオープンだったのでまだ月日も浅く、私も今回が初めての訪問であった。
京都市においては中古プラモを扱うショップそのものが少なく、あってもガンプラがメインになっているケースが普通なので、欲しい品は通販に頼るのが良いとされる。だがS氏が「中古ショップでガルパンのプラモ探す、というの一度やってみたい」と何度も言うので今回のショップ巡りとなったわけだが、正直言って私自身はあまり期待していなかった。
だが、こちらのブックオフは通常の店舗ではなく、いわゆる重点流通集積店と位置づけられるSUPER BAZAARの店舗である。他の店では扱わない品を重点的に集めて販売するという旗艦店的なポジションも担うので、それがプラモデルに力を入れていると公式ツイッター上でも宣伝している点が気になっていた。ひょっとしたら、とS氏にも話していた。
広い店内の奥にあるプラモデルのコーナーに入ってみると、なんと大当たりであった。上図のように戦車プラモが大量に積まれて販売されていた。京都の中古ショップの店頭にてこれだけの数の中古AFVプラモを見るのは初めてであった。正直言って感動してしまった。私でさえそうだったから、S氏の喜びようは大変なものであった。
多くはタミヤ製品であったが、海外メーカーの品もちらほら混じっていた。S氏が早速メモを片手に、ガルパンの適応キットを探し始めたが、思ったよりも数が多いのに驚いていた。それは私も同じであったが、これだけの数を集めているのは、やっぱり重点流通集積店だからなのだろう、たぶん京都市のブックオフ各店に買取や入荷で入るプラモを重点的にこの店に回して集積させてコーナーを充実させて販売しているのだろう、と考えた。三条や河原町や太秦などの京都市内の他のブックオフにも行っているが、戦車プラモを見たのは数えるほどしか無かったからである。
ブックオフの各店にプラモを少量置いても、普通はなかなか売れない。数が少ないから客も失望してそっぽを向き、来なくなる。それよりも各店の在庫を全て一ヶ所に集めれば、コーナーも充実して種類も豊富になる。そういう店が一ヶ所あれば、欲しい客は遠くからでも買いにやってきてまとめ買いする傾向があるから、各店舗に小分けしてなかなか売れない在庫にしてしまうよりは売り上げが見込める。
その一ヶ所が、京都においてはここなのかもしれないな、と思った。試しに今後間を置いて二、三度ぐらい訪れて在庫がどの程度回転しているかを見ておこうか、と考えた。回転が早くて品揃えがドンドン変わっているならば、これは当っていて成功していることになる。時にはS氏や私が欲しい品も入ってくるかもしれない。
そうした推測を簡単に話したところ、S氏は全てをメモに書きとめていちいち頷くのであった。
「星野さん、これ聖グロのチャーチルですかね?」
「うん、MK-Ⅶだから合ってるね。以前にファインモールドから出てた公式キットも元製品はタミヤだったから同じだね。それと、上のチャーフィーも適応キットだな、大学選抜の」
「チャーフィーは、その、劇中車に近いんですか?」
「うーん、近いといえば近いけど、改造は色々必要になる。私はAFVクラブのほうを選ぶけどね・・・」
「あっ、そうでしたね、AFVクラブをお持ちでしたね・・・、ここには無いなあ・・・」
「まあ、こういうのは好みで選べばええんやで・・・」
「そうですね・・・。ええと、・・・こちら、このティーガーⅠは西住まほの戦車ですかね?」
「うん、それが最もポピュラーな適応キットだね。私もそれで西住まほ車を作ったな・・・」
「そうですか、じゃあこれ買います・・・」
「あと、買うんなら、下にあるB1bisもお勧めだね。これの中古品ってなかなか見かけんからね・・・」
「あっ、カモさんチームでしたね。これも買っとこう・・・。その上のはパンターのG型みたいですけど、黒森峰のアレですか?」
「それは初期型なんでちょっと違うね。黒森峰のは後期型なの。砲の防盾の下がアゴのように広がってるんが特徴で、そのキットも出てるけどね、ここには見当たらないな・・・」
「そうですか・・・・。その、砲の防盾の下を広げるってのは、プラ板とかの改造で出来ますかね?」
「うん、出来る。私だったらプラ板を三方にスカート状に貼ってパテを盛って整形して改造するね。まだやった事無いけどね・・・」
「それやってみようかな・・・このパンターを買ったらの話ですが」
「星野さん、Ⅳ号のD型がありますよ、これ星野さんも作ったんですよね?」
「はい。公式キットより安かったからね・・・。その下のマチルダも聖グロの適応キットだな」
「うわー、いっぱいあるじゃないですか・・・。これもこれも買おう・・・、あっ、このT34/85はプラウダの・・・?」
「そう。プラウダの劇中車の適応キットだね。ほぼ劇中車仕様だからこれでもイケるよ。それから、その下の九七式中戦車は知波単の公式キットの元製品だね。その横にはBC自由のソミュアもあるね・・・」
「おお・・・ほんまや・・・、・・・やりましたね星野さん!ここバッチリ揃ってますよ・・、家からも近いし、行きつけになりそうですねえ・・」
「さっきも話したけど、ここ、定期的に通ってみたらどうかな・・・。行く度に品揃えが変わっていれば、今は無い品も入ってくるかもしれんね」
「ええ、そうします。ここ定期的に行きますよ!絶対!」
「最上段にガルパン公式キットも並んでるよ・・・」
「あっ、ホンマや!・・ええと、エレファント、ヤークトティーガーは黒森峰かあ、Ⅳ号のH型はこれ、公式キットの旧シリーズですね」
「そうです。黒森峰の二つは新シリーズだね。中身はドラゴンだけど、タミヤで作るのとあんまり変わらないな」
「星野さんはエレファントはタミヤで作ったんですよね?」
「そうです。でもこの公式キットで作ってもそんなに変わらない筈・・・」
「じゃあ、これ買っとくとお得ですかね・・・」
「見たところ、定価の三割引きか四割引きになってるな・・・お得なのは間違いない」
「ヤークトティーガーは、星野さんが作ったのは公式キットでしたか?」
「うん、旧シリーズのキットだったけど、この新シリーズ品も中身は同じらしいね」
「そうなんですか・・・、じゃこれも買っとくかな・・・」
「沢山買うんだねえ・・・」
「いえ、今日は持ち合わせがあんまり無いので4個だけにしときます。来週また来て沢山買いますよ・・・」
かくして4個のキットを購入したS氏だったが、入店時よりも幸福感に満ちた表情になっていた。かつては私もあんな日々があったなあ、と懐かしい気分になったことであった。
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