リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

傘寿を前に

2020-03-20 11:41:26 | 日記

この秋、傘寿の年輪を刻む。

こんな高年になるまで生きながらえるとは、「想定外」でした。

親父は63歳、兄貴二人は70を前にして相次ぎ逝った短命家系だか

ら、私もその年齢のあたりで幕を閉じるだろうと「覚悟」したものだ。

実際、65歳で胃がんになり「ああ、年貢の納め時が来たかな」と観

念したが、女房(当時元気だった)や子供たちに見送られて手術室に

入るときは、まさに「まな板の鯉」の心境で心は平静、自分でも意外

と落ち着いていた。

術後「もう1か月遅かったらアウトだった」と主治医に言われ、結構

悪運強いんだな、変に関心。

胃を3分の2切除、2か月入院したのち職場復帰して1週間でゴルフ。

口の悪い先輩から「お前、縫った腹が破れへんか」と冷やかされなが

らプレーした。

入院中、歩けるようになってからリハビリのつもりで院内各階の階段

を上り下りしたおかげで、疲れずプレー元気に遊べる喜びを満喫した。

その後経過は順調そのもの、再発の心配もなく今日に至っている。

 

傘寿の年頃になって、幼かったころの些細な記憶が鮮明に残っているの

はなぜだろう。

例えば・・・

小学校通学途中に、開け放った玄関(当時の田舎は、昼間は戸締りな

んかない)から突然「臭いなあ、けんじろう!」と女の大声が響いた。

多分お行儀悪くオナラでもして、母親に叱られたのだろう。

「健次郎」という名の子供は、私の近くにもいたのでびっくりした。

この他、幼児期の記憶が不思議と脳に刻まれて消えない。

たとえば・・・

・小学生のころ隣の女の子と「お医者ごっこ」したアブナイ遊び、

・無人の川で水泳中「大」を催し、水中に放出したら奇妙な形で出てきた、

・下校途中に犬にちょっかいして、飼い主に追っかけられた、

・学校の廊下で女の子の頭をたたいて泣かせ、親が家まで怒鳴り込んできた、

・先生に叱られ罰としてイガグリ頭にチョークで5重丸を書かれ、その姿で

 家に帰って父に見つかり理由を言うと「お前が悪いからや」とまた叱られた、

 

「おもちゃ箱」から引き出すように、アホな記憶がぞろぞろ出てくる。

どれもこれもその後の人生にほとんど影響ない些末な出来事だけど、なんと

なく甘酸っぱく懐かしく忘れがたい。

年を重ねるということは、幼児期に帰っていくということか。

こんな思い出を大事にしながら、これからも年を重ねていくんだろう。

    傘寿得て米寿を目ざす山笑う    竹下一記

さあ、もうしばらく元気で頑張ろうか。

 

  < 法事の仏壇に供えたフラワーアレンジ>

 ユキヤナギ コデマリ添えて 山笑う

 

 


ウグイスの「庭渡り」

2020-03-18 11:26:35 | 日記

ウグイスが初鳴き(初聞き?)しました。

 

ここ数日、冬に逆戻りしたような日が続きましたが、自然は春に向かって着実

衣替えを始めています。

「山笑う」

なんとも心躍る、美しい春の季語じゃないですか。

満開の白いユキヤナギが風に揺らいでいるさまを見ると、コロナウイルスの恐

怖も忘れさせてくれます。

 

昨日(17日)初鳴きのウグイスは、まだうまく鳴けません。

毎年この時期に、お隣の庭の木を伝って我が家にも来てくれ、ひとしきり鳴く

練習をして、別の隣家の庭に姿を消します。

北の方に六甲山や甲山森林公園があるので、きっとそこから下りてくるのでしょう。

ケキョ、ケキョ・・・しばらく聞いていると、ホーホケキョの原曲?のようにも聞こ

えますが、本格的に美声で歌い上げるにはまだ時間がかかりそうです。

 

「ウグイスの谷渡り」という言葉があります。

江戸時代には艶っぽい男女の房事を意味し川柳にもあるようですが、ここでは

「谷から谷へ、枝から枝へ」鳴きながら渡るウグイスを想像しましょう。

毎年、お隣の夏ミカンの葉の中でひときわ鳴いた後、我が家の低木の山茶花や椿の

茂みに到来、しばらくさえずった後さらに隣の庭へ・・・ウグイスの「庭渡り」で

すねえ。

慌ててカメラを持ち出しますが、すばしこくって撮ることができません。

数年前、珍しく電線に停まって「ホーホケキョ」とやっているところに出会い、や

っと1枚モノにしたくらいです。

メジロ、スズメたちはかなり人慣れしているので、堂々とやってきて枝に刺したミ

カンをついばんでいます。

ウグイスもこうでありたい…と思うけど、

   鶯や柳のうしろ藪のまへ   芭蕉

 ですねえ。

  

 珍しい「電線ウグイス」の貴重な?一枚

 

    人慣れたメジロは雀と平和共存だけど・・・

 


読まず嫌いの読書スタイル

2020-03-16 13:01:31 | 日記

先日、新聞に芥川賞作家の古井由吉さんの訃報が掲載されていた。

くしくも同じ紙面に並んでアメリカの作家、クライブ・カッスラー

の死去も報じられていた。

両者はの訃報は、私にとっていろいろ考えさせられた。

古井さんは芥川賞作家だったということは、この訃報まで知らなかった。

だいたい、芥川賞作家はどうも苦手。

若いころ、大江健三郎さんの芥川賞受賞作品「飼育」を読んだけど、読解

力が足らなかったんだろうね、よくわからなかったうえに、ただただ気持ち

が悪かったことを覚えている。

他の作品「万延元年のフットボール」なども読みかけたが、途中で投げ出し

た。

それ以来芥川賞の作品は(私の読み取る能力不足を棚に上げて)「何やら意味

不明が多い難解な作品」というイメージが定着、同賞作品への関心をなくして

しまい以来「読まず嫌い」を決め込んでしまった。

それに反して、(比較するのも変だけど)カッスラーは分かりやすい海洋アド

ベンチャー小説だった。

わかりやすいから読むのって、安易で怠惰な読書スタイルかもねえ^^

 

ちなみに直木賞作品は、ずっと身近に感じる。

朝井まかて「恋歌」、「葉室麟「蜩ノ記」、藤沢周平「暗殺の年輪」ぐらいし

か読んでいないけど、いずれもすーっと心に響いて楽しかった。

芥川賞は文学、直木賞はエンタメ色の濃い大衆文学と分けられているからでし

ょうか。

チャンバラや江戸人情ものの時代小説にはまり込んでいる身には、エンタメ色

が濃い直木賞に惹かれるのだろう。

 

ついでに言わせてもらえれば、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」もいいねえ。

愛読した大賞作品は「村上海賊の娘」(和田竜)、「舟を編む」(三浦しをん)、

「博士の愛した数式」(小川洋子)など・・・

本屋大賞は毎年1位から10位まで選考、私の好きな原田マハさんの「たゆたえども

沈まず」(2018年、4位)、「暗幕のゲルニカ」(2017年、6位)、「楽園

のカンバス」(2013年、3位)が入っているのもうれしい。

残された時間はそう多くないけど、エンタメ小説を心行くまで楽しみたい、と思う今日

この頃ではある。

 

  おまけ・・・このお方は何賞をゲットするかな^^

 

   

 


うらうら春日に

2020-03-14 11:17:57 | 日記

一昨日の12日は朝から晴れ渡り、文字通り穏やかな「うらうら春日」の

一日でした。

 

新型コロナ騒ぎで、怖くて街中に出られずちょこっとスーパーに買い物

に出るほかは鬱々と引きこもってばかりいたが、広々した場所なら感染

もないだろうと、近くの武庫川河川敷にカメラ散歩に出かけた。

河川敷への途中に立ち寄った公園の桜は、つぼみが膨らんで開花はもう

すぐ、と期待が膨らむ。

 

川面はきらきら波が光り、西宮の市街越しに六甲の山並みがくっきり浮

かんでいる。

 

河川敷のバスケットコートにはたくさんの子供たちが集まって歓声を上

げ、ボールを追っている。

平日はほとんど人影がないのに・・・そうか、今は学校が臨時休校だか

ら、みんな出てきてるんだね。

私のような年寄りは家に閉じこもってうだうだしていられても、エネル

ギー溢れる君たちには耐えられないだろう。

ここなら怖いウイルスも寄り付かないから、安心安全だね。

コロナに負けるな!

春の日差しをいっぱいに受けて、思いっきり若さを発散させるんだよ。

 

子供たちの歓声を背に受けながら、河川敷を少し下った。

堰堤で流れをせき止めた水面には、カルカモたちが小波にゆらゆら身

を任せ、時々水中に首を突っ込んで餌をとっている。

おや、コサギ君もいる。

カメラは600×2の1200ミリのズームだけど、川中のカモたちまで

は遠く、なかなか近くのよう写せない。

しかも手持ちだから、どうしてもブレる(・・・と言い訳^^)

       うらうらに照れる春日にひばり上がり 

                心悲しもコロナ思へば

             (万葉集 大伴家持の歌のモジリ)           

鬱陶しいマスクを外して、春風を浴びながら久しぶりにカメラで遊んだ

一日でした。

 

 


見えない敵と戦う

2020-03-12 11:56:09 | 日記

新型コロナウイルスの汚染は世界中に広がり、とどまるところを知ら

ない。

見えないウイルスは、学校園から子供たちの元気な歓声を奪い、繁華

街を閑散とさせ、お客が来ないレストランは危機感を募らせている。

隣でクシャミやセキをすれば思わず身を引いてしまう、なんとも陰鬱

な世情になったものだ。

 

大量のイベントが中止や延期になった。

さわやかに春を呼ぶセンバツ高校野球は、中止と決まった。

汗と泥にまみれながら一生懸命練習してつかんだ「甲子園切符」、開

会間近になって断念せざるを得ないなんて、どんなに悔しいことだろ

う。球児たちの胸中を察すると、言葉もない。

プロ野球やサッカーのJリーグは開幕を4月以降に延期したが、果たして

4月には開幕できるのだろうか。

夏の東京オリンピック・パラリンピックも、延期または中止を懸念する

声も出始めた。

 

無観客場所となった大相撲大阪場所にはお客の姿がなく、力士が化粧

回しをポンポンと叩く音が、むなしく場内に響く・・・

歓声やヤジが飛び交わない寒々した無人の客席は、まさに異空間。

こんなに寂しく異様な雰囲気だとは、想像もつかなかった。

 

世界中でヒト、モノ、カネの流れが滞って、国境を閉じたり、出入国を

拒否する国が増えるなどますます委縮している。

発生2か月で112か国に拡散、感染者11万3000人、死者は4万

人を超え、まだ増え続けている。

ギシギシ音を立てるように壊れゆく国や社会は、SFの世界だけで十分だ。

 

トンネルの先に光が、いつ見えてくるのだろうか。

発症元の中国は収束の兆しが見え始めたことは、一縷の希望だが・・・

 

  無観客の大相撲大阪場所とプロ野球オープン戦の甲子園(TVから)

 

 中止や延期のお知らせ相次ぐ兵庫県芸術文化センターHP