<NTTにとり、6Gは世界競争に踏みとどまるラストチャンスか>
<光を基盤にした情報流通の仕組み「IOWN(アイオン)」は固定通信サービス限定か>
<次世代通信規格「5G」移動通信は商用展開は放棄か>
<「6G」通信用半導体投資は米国市場へ進出の布石か>
<NTTユーザー顧客国内企業への「6G」投資は放棄か>
<NTTユーザー顧客に対する「6G」国内企業投資放棄は、国内ユースケースは無知、無理解、無関心、無視をきめこむか>
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2020/1/20 11:00 日本経済新聞 電子版
、悩める巨人「光」に賭ける
、悩める巨人「光」に賭ける
国内では携帯電話料金の引き下げを迫られ、次世代通信規格「5G」では海外勢に主導権を握られる――。影が薄れる一方だったNTTグループが、10年後に到来すると見られる次々世代の「6G」時代を視野に反転攻勢に出た。
武器は「光」だ。ネットワークの中核の半導体などでデータの伝送手段を従来の電子から光に切り替え、消費電力の増大という問題の解決策も提示する。
2019年12月、NTT社長の澤田純は米シアトルに飛んだ。マイクロソフトのCEO(最高経営責任者)、サティア・ナデラと会うためだ。NTTが同年6月に提唱した光を基盤にした情報流通の仕組み「IOWN(アイオン)」での連携がテーマだ。両社はクラウド事業なども合わせて戦略的提携を結んだ。
技術開発の世界でNTTの存在感が低下している可能性がある。
NTTの研究開発費はピークの00年度は約4000億円とトヨタ自動車(約4800億円)などに次ぐ国内有数の規模だったが、
18年度は約2100億円とトヨタの5分の1だ。
独調査会社スタティスタによると18年の米IT大手4社「GAFA」は総額580億ドル(約6兆4000億円)とNTTの30倍近い。
澤田は「NTTには(様々な業界と組んで)コーディネートする力が無かった」と反省する。
IOWNではスマートフォン用半導体でクアルコムに跳ね返され続けたパソコン時代の王者、インテルと手を握り、コンソーシアムの参加企業と組んで様々な分野でサービスを提供する狙いだ。
「光のエコシステムを構築し、一気にゲームチェンジを狙う」。過去の蓄積と教訓を生かした大勝負は、「悩める巨人」NTTにとって、世界競争に踏みとどまるラストチャンスかもしれない。=敬称略
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54555220X10C20A1000000/?n_cid=NMAIL007_20200120_H