漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

夾竹桃 (27/27) 心が結ばれていると信じていた朝

2009年05月31日 10時47分56秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



  その後もしばらく、アラベラさんは病床から離れられないでしょうし、
付きっ切りで看病してくれるハリソンさんと、さらにお互いの内面についての
深い語らいをして、親しくなって行ってしまう事でしょう。

 でも、アラベラさんの 「 真実の運命の人 」 は、
これから彼女の前に力強く現われ、
ただただお人よしなハリソンさんは、
はじき出されて、一人取り残されてしまうのです。

 ちなみにこの最後のページ、作者ではなく、
今話と次話の指揮官、尼将軍様が一人で仕上げています。
作者の最初に描いた物だと、
前ページまでの雰囲気を 「 お笑いオチでぶち壊しにする 」
― とのダメ出し喰らっちゃったのでした。

「 扱ってる内容からしていいんじゃないの? 」

― と、反論しましたが、

「 ダメなものはダメっ! 」

「 たとえ仮に過去の大作家と同じ人物を描いていたとしても、
gmp には gmp の描き方があって、それでいいのっ!! 」

― と、作者が描き直すのを拒否るならと、尼将軍様自らが描き直してみせたのでした!

 よく見ると、前ページまでとはビミョーに絵柄が違うと思われるでしょう。
出来栄えを見ると、正直な所、あくまでも作者のみとの比較なのですが、
尼将軍様の方が絵も上手いし、表現力の深みなんて、俄然上なのでした…。


 でもねーっ、尼将軍様よォ、作者以上に 「 カノ紳ワールド 」 が表現できるあんたって何なのさ?!
閲覧者の方々、作者の差替えられる前のも見たくありませんか~?!

 〈 「 第14話 / 黄昏のエア 」 は、7月からの開始となります。 〉

夾竹桃 (26/27) ありがとうの言葉は…

2009年05月30日 10時21分57秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 漫画では平気そうな顔して、開けていますが、
実はハリソンさん、上下スライド式窓の恐怖症なのでした。

 このタイプの窓、ハリソンさんが子供の頃に、英国で広まり始めたのですが、
サイエンス少年ではない子っちらには、
「 ストッパーが無いのに、何で落ちて来ないのか仕組みが分らない。 」
― と、なって、恐怖感を与える事にもなりかねません。

 しかも、ハリソンさんにとっては、設計とか工学的な事が、
大人になってからもよく分らないジャンルなのでした。

 そういう訳なので、ハリソンさん、シンプソン邸では、
窓が片開きの部屋に住まわせてもらっています。

 そしてヨークに買った家は、
新築ではなく、窓が開くタイプの古い家を選んだのです。


 日本の電車にある上下スライド式窓なら、
ストッパー付きっていう事で、ハリソンさんは安心できるんでしょうか?

〈 今日の続きは明日 〉 ← 先週6月1日とありましたが、5月が31日まである事を忘れていました。

 

夾竹桃 (25/27) やましき事無し

2009年05月24日 10時49分36秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、

「 心の奥から湧き上がる善意からしている事は、決して常識はずれなのではない。 」

― と、信じています。

 でも、ウォルポールさん作 「 オトラントの城 」 の、
セオドア君へのイザベラ姫の洞窟内でのお言葉になってしまいますが、

「 こんな所見られたら、世間は何と思うやら。 」

 …これに対して、

「 中世人がこんな現代人みたいな事を言ってんの!? 」

― と、ウォルポールさんが当時の読者達から突っ込まれたそうなので、
18世紀欧米でも、奥まった場所で家族以外の男女が二人っきりでいたら、
当人同士はどう思っていたとしても、
端からは好奇の目で見られたんでしょう。


 アラベラさん、インフルエンザだとしたら、
38度~40度の熱が、37度台に下がったくらいなんでしょうね。

〈 次回の更新は5月30・6月1日の予定 〉




 

夾竹桃 (24/27) 友情の炎

2009年05月23日 08時28分27秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさんのサラリとしたセリフから、
二人の間にある、互いへの慎みの内容も察して、ご理解をいただけるでしょうか?


 ところで、アラベラさんの背の君 ( =夫 ) はその頃どうしていたと思います?

今日の続きは明日。

夾竹桃 (23/27) やさしさが不幸を招く!

2009年05月17日 15時41分42秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 「 いい人 」 、 「 やさしい人 」 は、 他者に対して 、

「 どんな事でも受け入れてもらえる。」

― と思わせてしまうような所があります。

 それが、ハリソンさんの家庭を崩壊させ、財産を失わせ、階級も転落させてしまいました。
やがては、アラベラさんもハリソンさんから離れて行く事になるのでしょう。
そして遂には、「 トリストラム・シャンディ 」 狂愛読者達からの、
凄惨攻撃の標的にまで、ハリソンさんを追い込んでしまうのです。


 今が二人の心の幸福の絶頂期、
Heaven ! Earth ! Sea ! 「 天よ!地よ!海よ! 」
― といった所なのですが ― 。

〈 次回の更新は、5月23・24の予定 〉


夾竹桃 (22/27) やさしい人と言われて嬉しい

2009年05月16日 10時49分44秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 ハリソンさん、

「 いい人 ― とか、やさしい人 ― とか、言われてイヤな事もあった。 」

― って、事ですよね?
あの、信じ難い大騒動を起こしてしまった草薙剛君みたいに…。


 でも、個人の基本的な部分は、努力しても変えられないものですね…。

今日の続きは明日。


 

夾竹桃 (21/27) 弟が嫌い

2009年05月10日 11時24分31秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 作者自身も一員としてそれを支えてしまっている、「 貧困ブーム 」 の昨今、
「 家族の暖かさ・支え合いを見直そう 」 とのムーブメントが高まっている昨今、
アラベラさんの言葉は、 「 おセレブ階級のワガママ 」 としか映らず、
全く共感性の無いものなのかもしれません。

 でも、18世紀後半当時、欧米のご令嬢方には、

● 学校教育を受けて就職する。
● 自分で家を買って自活する。
● 起業する。
● お嬢様 ( or お姫様 ) 女優になる。

… なんて道は、絶対に無い訳ではありませんでしたが、
女社長ランズバーグ夫人のような運のいい女性は別として、
ほぼ無かったのでした。

 親兄弟の意向に逆らって勘当されたり、格下男と駈け落ち婚でもすれば、
先には悲惨なボンビー生活が待っているのでした―。


 来週は、 「 愛の告白 」 の場面となります。

〈 次回の更新は、5月16・17日の予定 〉

夾竹桃 (20/27) もうお別れだなんて…

2009年05月09日 15時40分55秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、見た目よりはずっと頑健で、図太い精神の持ち主なのですが、
自分も同じ病気にかかるという恐怖感は無いんでしょうか?


 アラベラさんのように、新興成金階級に育ち、
さらには格上の紳士階級に嫁げた人にだって、不幸や苦労はある。

今日の続きは明日。






夾竹桃 (19/27) 側杖はもう御免

2009年05月04日 12時14分02秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


  まいけるっち、
自分の奥さんが自分よりハリソンさんと仲良しなのについては、
ちっとも気にしていないのに、
他所の奥さんとハリソンさんが仲良くする事については、
ヒジョーに神経質になってしまうようです。

 まいけるっち、本当はソファで新聞を読みたいのに、
ご覧の通り、カンディ君に占領されてしまっています。

 「 ウチに拾われるまでは、野良でドロボーや物乞いやゴミ箱漁りしてたくせに、
今じゃもう食っちゃ寝で、王侯よりいい暮らししてるよな! 」

― と、自分の平安を乱そうとしているハリソンさんと美貌の人妻、
and片棒担いでいるってのに自覚ナシの妻に対して、
強く出られずにモヤモヤ。
幸せを満喫している眠り猫へと叫んでしまう、
まいけるっちなのでした。


 アラベラさんは、付き添うハリソンさんに、
実家との確執を打ち明けます。

〈 次回の更新は5月9・10日の予定 〉




夾竹桃 (18/27) 時代遅れか先見性有過ぎなのか?

2009年05月03日 10時27分11秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


  リコーダー、今では児童の教育楽器になっていますが、
18世紀のド真ん中辺りまでは、欧米のおセレブなお宅でのホームコンサート用楽器で、
「 縦吹きフルート 」 と呼ばれていました。

 その後、横吹きのフルートが改良され、オーケストラで主要な位置を占める一方で、
リコーダーは、音量が小さいのと、18世紀後半から流行った、
クレッシェンド / デクレッシェンド効果が上手くできないのとの事情で、
急速に廃れてしまいました。


 まいけるっちは、不安を漏らしますが、妻と飼い猫は ― 。

あともう一日連続でアップします。続きは明日。




夾竹桃 (17/27) インフルエンザ感染

2009年05月02日 09時31分53秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 
  この話、3年くらい前に描いたものなのに、
今時の流行病を連想させるものが2種類も出て来てしまいました。

 アラベラさん、どうやらインフルエンザのようです。


 そして…この後、まいけるっちの不安が高まる展開となって行くのでした―。

今日の続きは明日。
 

夾竹桃 (16/27) 萬年癆咳(まんねんろうがい)

2009年05月01日 10時48分34秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 これは最近、人気女性お笑い芸人の方が感染した病気とは全く関係がありません。

 ニューロシス ( ノイローゼ ) の一種で、作者の高校時代の部活の顧問教師 ( 50代男性 ) の
持病&あだ名でもありました。

 ストレスや父方の遺伝や物真似などによる心理感染によって、
思春期に多く発病します。り患者は圧倒的に男子が多いようです。
心療内科に行けば、 「 チック症 」 と診断されるでしょう。


 まいけるっちの内心のボヤキにも注目を! ( ^ m ^ )プッ=3

今日の続きは明日。

夾竹桃 (15/27) 発病

2009年04月26日 06時57分14秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 昔の話だから、今の劇場や映画館や文化センターのようには、
暖房と空調が建物内で満遍なく効いていなかったんでしょうな!

 ベリンダさん、一緒にいる4人の中で一番若いのに、
一番しっかり者そうです。


 明朝、アラベラさんの病状が深刻な状況に…。

〈 次回の更新は5月1・2日の予定 〉




夾竹桃 (14/27) 引き戻されて

2009年04月25日 15時23分21秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 せっかく、18世紀的センティメンタルな恋愛が芽生えてるっていう、いい場面だったのにねー。


 今日の続きは明日。

夾竹桃 (13/27) 蒼サファイアの瞳

2009年04月19日 10時15分42秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、アラベラさんに目を誉められ、アラベラさんの目を見つめ返してしまいます。
その上にアラベラさんの持っている扇子からは、インド産白檀の良い匂いが漂っていて…。


 次回の更新は4月25・26日の予定

アラベラさんの体調に異変が…。