どっちの言っている事も一応正しいので―。
ちなみに「オトラントの城」というのは、中世イタリアの公国を舞台にした恐怖小説で、
「オトラント公マンフレディには、一男一女があった。」(←作者訳 : この部分に関しては、中学生くらいの英語力でOK。)
という出だしの、浮世離れした遠い世界へと行ってしまうといった感があるし、
一方のハリソンが擁護してしまう「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」は、
18世紀英国のそこそこ裕福な家のとはいえ、生活感がにじんでいるので、
一見相容れない世界観のようにも見えるのです。
ウォルポールさん、予告編のカラー絵とは雰囲気も違うみたい…。
予告編の方は、幼稚だけど、可愛い気はあるんじゃないの?―というか・・・。
でも、漫画の方は、高貴で知的で冷たそう…。
作者の描き慣れの問題だけじゃなくて、制作上の何か隠れた意図が
あるんじゃないですか?ママン。
フツー不細工なオヤジがこういう事やっていたらキモイ。
猫ちゃんがカワイイ。モデルの人も犬と猫を飼っていたのは本当らしいわよ。
そりゃ、金持ちだから飼ってるだろうよさ。作者みたいな爆貧菌保菌者でも飼えてんだし。
作者が貧乏なのは、
「小銭貯金が趣味で、特に500円玉と100円玉を集めるのが大好きで浪費している」
のが原因じゃ。全く訳が分らん!
次回はハリソンさんの「トリシャン」読者に対する、〈ギクリとする言葉その2〉と
口を滑らせて、ウォルポール氏から受ける鋭い突っ込み。
〈次回の更新は5月3日・4日の予定〉
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「オトラントの城」/ホレイス・ウォルポール(1717-97)作
国書刊行会「ゴシック業書」の中に井出弘之さん訳であります。
♪ きっと来るゥ~ ♪
― っぽいシーンも有り。
作者はその後、「ゴシック業書シリーズ」で、「イギリスの老男爵」「イタリアの惨劇」を図書館で借りて読み、
遂には、あの悪名高き「修道士」を買ってしまいました。