漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

蛇街道(12/12) それでは、しばしのお別れ…

2009年02月22日 10時31分09秒 | 第12話/蛇街道
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 ウォルポールさん、ブリングストン伯爵からは、ハリソンさんがテュダー王家女系の末裔だという話を聞いているのですが、
自分でもさらに、探偵好きの使用人をハリソンさんの出身地、ヨーク州のシェルワース村へと派遣して調べてみるのでした。
そして、ハリソンさん自身も両親や周囲の人達から封印されていた、ある身の毛のよだつ様な恐ろしい事実を知り、
自分も恐怖の世界へと知らずに巻き込まれているのでした。

 ウォルポールさん、もしかしたらデュポン先生へと、「いい事教えてやった。」
― と思っているのかもしれませんが、
果たしてデュポン先生はどうなんでしょうか?
もしかしたら何割かは、ハリソンさんが第4話で言っている、
「ガッカリさせる知識や情報」なのかもしれません ― 。

 デュポン先生は、それでも「トリストラム・シャンディ」の全訳を続けるのですが、
シャンディ氏とハリソンさんとの共通点と落差の分析からある事に気付き、
次第に大きな怒りへとクレッシェンドして行くのでした。

 ところで、これは最初にご報告すべき事でしたが、ウォルポールさんとデュポン先生が会談している場所は、
パリのとある城外区にある、デュポン先生の自宅です。


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 でもって、散々煽っておきながら、作者さんは次の第13話に来たら、
また全然別のキャラ達を出して来て、全然別の舞台設定で、別の話を始めるんだから。
物語で閲覧者に脳内パッチワークでもさせようって気なのっ?!

それは、そもそもこの話のベースになっている話を作った、
ローレンス・スターン自体にもそーいう傾向がさらに顕著にあるよな!

 ところで、今度はどういう話なの?

 ハリソン殿の失恋話のようじゃよ。

 ああ、ハリソンさんが前のフランス旅行をするきっかけになったと、
マリアンヌさんに話していた事ね。

 え゛ーーーーっ!!
それよりも、ウォルポールさんが 〈 ホントにゲイなのかどうか 〉
が知りたいのに~っ!!
私だけじゃないと思うっ!!!
それ裏切って話中断したりしていい訳アリィ?    

 お前誰 … ?

 まあ、とうとうあんたもここに来ちゃったのね。
先週話した、BLに興味を持ち始めた末娘よ。

 はじめまして~。
おスエでへぇ~す。これから時々オジャマするけど、ヨロシクねっ!!



  第13話は、ハリソンさんとインド帰りの美しい有閑夫人との、
ロンドンを舞台にした、センティメンタル ・ シティ ・ ロマンで、
ウォルポールさんの再登場は第15話となります。

〈 開始予定は3月ですが、日付はカラー絵が出来上がり次第で未定。〉








蛇街道(11/12) 敵が味方か味方が敵か?

2009年02月21日 10時26分31秒 | 第12話/蛇街道
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 「 涙の帝王 」 ローレンス・スターン聖下も、
トリストラム・シャンディ氏が下品なだけのヤロウだと、
発表当時からの約250年の長きに亘る、累計読者達の全てに思われていたのなら、
草葉の陰で / 声も立てずに / 涙の流れるままに / 泣いておられるぞ~。

                   

 もし、ハリソンさんが本当にトリストラム・シャンディ氏と同一人物ならば、

いろんな所で彼の悪口を言いまくっているウォルポールさんが実は、
「一番の理解者で、応援者になる可能性がある。」


― という、何とも訳の分らん感じになってしまいそうなのですが―。


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  本当に、ウォルポールさん、
「トリストラム・シャンディ」の何に「セレンディピティ」を感じてるのかな?

俺にはホリーの兄者の深層心理が全く分らん。
俺自身が「今のトコ、ヘンで訳分らんけど可笑しかった~。( ^ ▽ ^ )」
― で終わっちゃってるしな。
ママンのように疑問を持つ段階には、まだ辿り着けないよ~。
修行が足りんからか?!

 ウォルポールさん、茶化して言ってるけど、
もしデュポン先生が本当にハリソンさんに直接聞いても、
ハリソンさんから、ちゃんと答えてもらえんのかなー?

「ズバリ聞くわよ!」とか言ってな?!

 さあ~。どうかしら?
でも確か、何だかあの温厚なデュポン先生が、ハリソンさんに対して、
すごく怒るとかって話なんでしょ?

 読者の中でも、シャンディ殿に期待する物が何かによっては、
ハリソン殿がもし本当にシャンディ殿ならば、手ひどい裏切りを犯しているじゃろうな。

 ハリソンさんが「トリストラム・シャンディ」の読者達から、
ひどい目に遭わされる展開になるってのも、それと関係しているのかしら?




  「 お下品ONLYのお笑い 」 を書いてウケたいだけなら、
「 暗闇で殴られたようだ…etc. 」 なんて言う訳ないでしょうが!

今日の続きは明日。




蛇街道(10/12) もう隠しとく訳にはいかん!

2009年02月15日 17時00分47秒 | 第12話/蛇街道

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  ウォルポールさんは1727年に入学した、当時のイートン校版「F4」のメンバーの一人でした。
メンバーには勤務教師の甥で、後に「墓畔の哀歌」などで有名な詩人となる、トマス・グレイ(1716-71)さんという人もいました。
4人の中、ウォルポールさんとグレイさんとトマス・アシュトンさんという人はケンブリッジ大学に進学しました。
リチャード・ウェストさんという人だけは、オックスフォード大学へと進学しました。

 グレイさんもかなりのイケメンでした。
1738年にウォルポールさんとグレイさんは、ウォルポールさんが費用全額負担での大陸旅行に出かけましたが、
途中でケンカ別れして、グレイさんは英国に帰りました。
3年後に二人はめでたく仲直りをしたそうで、グレイさんはウォルポールさんの飼猫の死への弔歌を書いたりもしています。
ウォルポールさんが、ハリソンさんの個人情報収集依頼のために手紙を出している相手がグレイさんです。

 グレイさんから帰って来た手紙で、ハリソンさんが大学時代にあるとんでもない事件を起こした事が分かるのですが、
それと相似した事件に、今度はウォルポールさん自身が巻き込まれて、
スティーヴン・キングさんの「●●リー」+Jホラー「●●グ」的恐怖を味わう事となります。

 とっくにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、
ウォルポールさんのモデルになった歴史上実在の人物は、実は軽ゲイもしくはプラトニック系ゲイだったのでは
― と言われているのでした。


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 わしは第8話あたりでも言った記憶があるが、やはり「同性愛」が来たではないか!
作者はつい昨日「ハード・シーンは苦手」と言っていたが、こっちについても大丈夫なのかの~?

 ウチの仕舞いっ娘がBLに興味持ってるみたいでちょっと心配。
最初は〈イケメンの群れが好きなだけ〉なんだと思っていたけど。
どうやら上杉謙信さんとその周辺の人達の事もそういう見方してるようだしね…。

それは「衆道」といってねママン、戦国武将が活躍していた頃の日本では、
別に驚くような事ではなかったんですよ。


 でも、もし今まで見て来た話をそういう目線で読み返してみても、
みんなウォルポールさんの「深まりのない片想い」みたいなんだけど。

何か、わざわざ片想いになるような相手ばかりを狙って「責め」ているような気がするよな。
誰も「受け」になってはくれない。

 ― っていうか、デュポン先生やジョージさんとかは、
最初っからそういうつもりで接近しているとは想像すらしていないんじゃ…。
ウォルポールさんが本当に「同性愛者」なのかどうかもまだ決定的な証拠がないし。

そういえば、
ハリソンは、「俺は同性愛者じゃない!」
― って、トロイを相手にどっかで叫んでいたよな!
 
 その話で作者も言っていたような気がするが、
18世紀当時の欧州で、本当に同性愛者で現行犯逮捕されたら死刑じゃぞ!

 結局、本当は男女どっちの誰とも本気で関わろうなんて思ってないって事なんじゃない?
本人も天気のいい日に苺ヶ丘城で、ぼんやりと一人で綺麗な椅子に座って考え事してる時にでも、
ついでにその事にもちゃんと気付いていて、そんな自分に冷めた絶望しているんじゃないの?



 「 第3部 」で描く予定の、ハリソンさん&ウォルポールさんのホラー・シーンが、
「 『 最終絶叫計画 』 的になってしまったら ― 。 」
…と、考えると描くのがコワい。
 
〈次回の更新は2月21・22日の予定〉




蛇街道(9/12) 経験しなくてもいい事もある

2009年02月14日 21時23分28秒 | 第12話/蛇街道
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 「トリストラム・シャンディ」第1巻19章には、
シャンディ氏がお父さんと一緒に、何とか大学のジーザス・カレッジへと名前の登録に行った事が書かれています。
ハリソンさんと同じ大学なんでしょうか?

 ウォルポールさんは、1734年にケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに入ったという設定なので、
ハリソンさんはウォルポールさんがそこを出て、お父さん総理の七光りで大蔵省の役人やってる頃に、
入学したようなタイミングでしょうな。

 何だかハリソンさん、パッと見グランド・ロマンな半生で、もっと詳細を極めるとマッコテ昼ドラ的なんですが、
物語の主人公にしてやるからと神様から頼まれても、
はっきし言って、作者は来世でこんな人生は送りたくないのでした。
本当の所、話を描く事で追体験するだけでもかなりつらいのぢゃ。

 来世では、ゴシックから古典派時代までの宗教音楽の指揮者になりたいわい!


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 あっ、分った。
表紙のスケートの絵は、事故に遭う前の所ね。

 おじいちゃん、「ホランド」って何?

 オランダじゃよ。

 イナバウアーのそり加減が全然足りないわ。
荒川さんや中野さんや金さんを基準にしちゃってるから?

ホリーの兄貴は、「お気の毒」なんて顔一応はしてるが、
実は「未婚でよかった。」って、内心ホッとでもしてるんじゃねえのか?!

 パンディ、前は「ゴスヲタオヤジ」って呼んでたよね?

 何か心境の変化があったの?

俺もこんなご時勢じゃ、結婚できないかもしれんから、
「できなくても良かったんだ」
っちゅー人物を見て、ちょっとでもいいから安心が欲しい。


 大丈夫。最悪でもウチの三人いる娘の中の一人をもらってもらうから!

 姉妹の家に入り婿なんて、直江兼続さんみたい

ごっつぁんです。


  ハード・シーンが苦手な作者には、ハリソンさん&奥さんの壮絶泥沼離婚劇をいつか描くのが物凄くコワい…。
今日の続きは明日。








蛇街道(8/12) 11月5日の意味

2009年02月08日 13時12分25秒 | 第12話/蛇街道
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  1582年以降のヨーロッパ各国では、
ユリウス・カエサル暦からグレゴリオ暦への切り換えが随時行われていました。
英国では、1752年9月2日(水)の翌日を9月14日(火)とする事として、改暦が行われました。

 英国の議会は、各種トラブルを最小限に抑えるために、細々と決め事を作りましたが、
それでも人々の間には混乱が起こりました。
「11日間を返せ!」 と、首都はもちろん地方の各地でも暴動が起こり、死者も出たとの事だそうです。

 作者、ハリソンさんの誕生日が新旧暦のそれぞれ何日になるのか、
チラシの裏白へと手書きで計算し始めましたが、

「 Exel でやりゃあー、スグぢゃねぇかっ! 」 

― と、いう事に途中で気付き、そうしました。


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 「ガイ・フォークス・デイ」というのは、1605年の11月5日の英国で、
カトリックとプロテスタントの対立から、カトリック側が国会議事堂を爆破して、
政権を奪取しようと目論んだ「火薬陰謀事件」からできた記念日じゃ。
事件の中心人物が、北ヨーク州生まれのガイ・フォークスだったという事じゃの。

 でも、作者さんの話からすると、1605年の11月5日は、実は別の日付だったって事よね?

 1605年当時は、グレゴリオ暦とユリウス暦は10日ずれていたのじゃ。
だからグレゴリオ暦では11月15日だったという事じゃな。

 でも、今でも11月5日に英国ではその行事をやってるって事よね?

 そのようじゃの。
さらに1700年を新旧暦で閏年とするかしないかの関係からなのじゃが、
ハリソン殿の誕生日は11日ずれておる。

 何か、わたしにとって、こんがらかって頭痛くなる計算の話を、
おじいちゃんがまたしてるよ~!!

 大丈夫、私も頭痛いから。
ハリソンさんがシャンディさんだったとして、何でこんな手の込んだ事するかな~?

祭りの内容と関連があるかもな!
これから調べてみっけど。

 それはそうと、ハリソンさんもウォルポールさんもよく分んない人達だけと、
今人気の、誕生日占いの本を読めば何か分るかも!

 でも、どっちの日付で見ればいいのかな?

 ウォルポール殿は1717年の9月24日生まれだそうじゃ。
グレゴリオ暦だと10月5日という事じゃの。

 とりあえず、両方見とけばいいんじゃない?!
 



 某誕生日占いの本の11月24日のページで、
「この日に生まれた有名人」の欄には、ローレンス・スターンの名が載っていました。
スタマニア男子の方々、占いだなんてアホにせんと、最寄の書店で探してみなはれな~。

来週はバツイチ・ハリソンさんの波乱万丈の半生。
〈次回の更新は、2月14・15日の予定〉

蛇街道(7/12) プライドと激情

2009年02月07日 18時21分40秒 | 第12話/蛇街道
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  ハリソンさんとウォルポールさんには、対立しているようでいて実は共通点があります。
2人とも人前では優しく淡々と、もしくは抑制された態度で振舞う上品な美紳士なのですが、
心の中ではかなりの「激情」の持ち主だという事です。



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 前の話で、ハリソン殿がウォルポール殿と同じようにボソッと本音を言っている場面があるの。

 うん、ちょっとコワい感じでジェインさんに語ってた。

 優しい人や容姿端麗な人って、何かガーッと自分の気持ちを言いにくい雰囲気に追い込まれちゃうのね。
そういう点で損してる事もあるのかな?

 でも、それでエロい雰囲気を醸す事ができて、
10歳上くらいまでで独身の綺麗なお姉さん達にメチャクチャ可愛がってもらえんなら、
俺もそうなってもいい!

  「全くも~っ、素直でないわねっ! とか、言っちゃってね。
そういえばウォルポールさんは、20歳年上の貴婦人にメチャクチャ可愛がられていたって、
どっかに書いてあったっけね。

 ハリソンさんの方は、下の方の年の差が男女ともいいみたいだよね。

 時計ひと回り分より下の方がいいみたいね。
身分は高くてもエバる感じの人じゃないから、安心感と親しみを与えるんじゃない。

でも、その反面ナメられているような気もすんがな!

 そんなズケズケ言う、素直すぎるパンディの事は、
私みたいな30歳近く年上の、亭主と大っきい子持ちのオバちゃん達がメチャクチャ可愛がってくれるわよ!!

…ごっつぁんです。
 


 誕生日には何か意味があって、生涯が決まってしまうものなんでしょうか…?
今日の続きは明日。

蛇街道(5/12) それはあんたも同じでしょ~に…

2009年02月01日 16時51分41秒 | 第12話/蛇街道
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  ウォルポールさんが、自分のお屋敷の印刷所で刷って、
1764年のクリスマス・イヴに出版した「オトラントの城」なのですが、
今みたいに何万部なんて出していない筈なのと(せいぜい100部)、
今みたいに特にいい家の出でもないパンピーであっても、
ほとんどの男女が文字を読めるなんて事はなかった時代なので、
多分ウォルポールさんの大勢いる知人友人の方々が、
読者の中で高いパーセンテージを占めていた
のではないかと…。

 …それだったら、バレバレだよな~。
「イタリア半島南部にある、中世の城が舞台の、後継者争いをめぐってのサスペンス劇場。」
― なんて、ゴシック・オタッキーのあんたしか書く人はいないっての!


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  確かに、今日のサブタイトルの如く、
ウォルポール殿も自分の事を隠しているようじゃな。

他人の噂話も含めて知識・情報系の話をしていれば、自分の個人的な事を話さなくても済むしな!

 でも、学校の休み時間に芸能界とか人気雑誌とか表面的な話してて、
盛り上がっている間はいいけど、家に帰ってからとか、
「一緒に話していた人が、私の個人的な事の話には興味あって聞いてくれるのかな?」
― って疑問に思う事がある。

 ウォルポール殿にもそういう悩みがあって、いずれは描かれるんじゃなかろうか?

 ウォルポールさん、「結婚は~?」とか人から聞かれた時、
いつもどう答えていたのかしら。

 それもいずれ出てくるかもしれんな!

 トリストラム・シャンディもベラベラ長々と喋りまくっている割には、
「真の叫び」が伝わって来ねぇんだよな。
「オッサンの主張・英国国内予選」に出てもこれじゃ最下位だぜ!
だから突っ込みまくったりイジり倒したくなる若い男が大勢出て来るんだよな。

 兜にたった一文字、
「愛」

とか付けてくれるような人なら分り易くていいんだけどな!

 直江兼続サンみたいならホントに分りやすいよね!



 次週は、ウォルポールさんの本音がチラリズムと、
ハリソンさんのザッパな生い立ちの導入部となります。

〈次回の更新は2月7日・8日の予定〉



蛇街道(5/12) 蛇の道はへび 

2009年01月31日 14時44分22秒 | 第12話/蛇街道

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   「お手紙王子」 こと、ウォルポールさん、「トリストラム・シャンディ」1・2巻を読んで、

 It makes one smile two or three times at the begining,
 but in recompense makes one yawn for two hours.

始めの内こそは、2つ3つと笑わせてくれるんですが、
報いとして2時間に亘るあくびを催させるんです。

 ― とかゆー感想のお手紙をデイヴィッド・ダルリンプル卿というお方へと
書いて送っているのでした。

 そして、同じお手紙の中で、

 Dodsley has given him £650 for the second edition and two more volumes
 ( which I suppose will reach backwards to his great-grandfather );

ドズリー書店は彼へと1・2巻の第2版と続巻 (私は彼の曽祖父の話にまで遡るんではないかと推測しています)
に対して650ポンド支払い、

― とかとも書いているのですが、
実際第3巻の31・32章には曽祖父の話が書いてあるので、大正解だったのでした。


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ひい爺さんがひい婆さんに対して、
「持参金の割には寡婦年金の要求額が高過ぎる。」 と抗議していて、
それに対してひい婆さんは、
「あなたの鼻が低いから悪い。」
なんて答えている話の事だろ。
意味不明で、全くおかしーよな。ハハハッ。

 別に意味不明じゃないわよ。
「鼻が低い」 を 「甲斐性がない」 と読み替えれば、
カンタンに意味が分かるんじゃないの?
つまり、
「あんたの甲斐性がないから、そんくらいのお金も支払えないんでしょーがーっ!」

って話。

 各家庭のお父さん達がもし読んでいたら、
落ち込んでいじけてしまうかもしれん 「衝撃的な発言」 じゃぞ!

しょぼぼぼぼーん…。

 ウチの隣の若い奥さんが旦那と大ケンカした時、
「私に嫌われたら、あんたゼッッッッタイに出世できないんだからね!」
と夜のご近所中に響き渡る声で脅してた。

 そのケンカその後どうなったの?

 お母さんが奥さん本人に
「大丈夫…?」とか言って聞いたんだけど、
次の日にケータイのメールで「ごめんね。」
って謝って来たんだって。

 フフフ … きっと、朝ごはんとお弁当ででも何か意地悪したんでしょうよ。

俺、怖くなって来た。
職場でも、事務員に嫌われたり、パートのオバサン達の噂の種にされて、
仕事自体はデキている筈なのに、
社内の評価が芳しくなくて霞んでるヤツらが確かに何名かいる。


 ウサの話の奥さんだけでなく、
世界中のあらゆる階級のあらゆる年代の女子が同じ事を、
ある者ははっきりと発言し、ある者は心の中で強く念じておるんじゃ。

本当に怖いのは女子なのよ~。
離婚した女性芸能人と元ダンナのその後を見ても分るでしょ?
 
竹内結子ォォォ~っ!!



 …そういえば、作者の母や姉妹も渾身の力を込めてそう言っておりました…。
今日の続きは明日。

 







蛇街道(4/12) その頃、トリストラム・シャンディ氏もフランスに…

2009年01月25日 12時50分59秒 | 第12話/蛇街道

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  ウォルポール氏が言っているように、「トリストラム・シャンディ」第7巻は、
シャンディ氏が病気を理由にフランスを転々と旅していた事が書かれています。
ウォルポールさん、何だかんだ悪口言ってる割には読んでるんだよな~。

 デュポン先生が言っている戦争は、7年戦争の事で、
1756年から63年までの間、英・プロイセン VS. 露・仏・スウェーデン間のヨーロッパ大陸での戦いと、
平行して行われた英・仏間の北米・インドでの植民地戦争を指しています。

 7年戦争では英国が大勝し、63年のパリ条約では、
フランスからは、カナダやミシシッピー河以東のルイジアナ、西インド4島、アフリカ西岸のセネガル&ミノルカを分捕り、
スペインからはフロリダを貰っちゃいました。

 そんな感じで英国は、世界の超大国への階段を駆け上がって行きましたが、
その後には、世界が大きく変革するドエライ出来事が待っていたのでした。

 10年後には、

Let's roll.
 
― で、北米ボストン港に、英国東インド会社の紅茶箱が投げ捨てられ、
英国は北米13州植民地から逆三行半を突きつけられます。

20年後には、

Yes, we can.

― で、アメリカ合衆国が独立してしまうのでした。


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 そういえば、前にも書いてあったような気がするけど、
アメリカ合衆国って、1765年にはまだ存在してなかったのよね!

昔っから、建国からしてアメリカはやる事がド派手だったんだな!

 今ではアメリカ大統領が世界一権力があるって、
みんなが思っているよ。

 そーねー。
反対に英国っていったら、今じゃ一般の人達の目も引くのは、
ダイアナ妃の息子さん達が騒ぎを起こした時ぐらいだしね。

この間、また次男が「お騒がせ事件」を起こしていた。

 18世紀の3大革命の内、
この話で直接出て来るのは、年代的には「産業革命」くらいのようじゃの。
御婦人方が喜びそうな「怒涛の如きの愛と革命」の要素は恐らく出て来んじゃろうな。

 その点の不満分は、オスカル様やアントワネット様、
そして何と言っても 令嬢テレジア様に補っていただきますから、
大丈夫です事よ。オホホホ…。

令嬢テレジア様ってばよォ、
「自由と平等を語るあなたの舌で私を愛して。」(フラワーコミックス・スペシャル第5巻53ページより引用。)
は、いかんせんこじ付けが過ぎるんじゃねぇのか?

 同じ巻で、テロワーニュ姐さんとテレジアの恋人との密通シーンも
もの凄かったわよね~。

自分のブログで、

「痛いのはヤダ!」
「男への暴力的性行為は描いていいのか!」


― と、絶叫批判している男子がいた。
…俺も賛成。


 それにしても、ウォルポールさん、
ハリソンさんやシャンディ氏に、何のセレンディピティを感じるってゆーのでしょうか?

〈次回の更新は1月31日・2月1日の予定〉


 



蛇街道(3/12) 分析&対策しない主義

2009年01月24日 13時19分01秒 | 第12話/蛇街道
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  ハリソンさんがデュポン先生とカフェ・ブルトンで初めて会ったのは、

1765年10月13日(日)です。

 ハリソンさんがウォルポールさんに初めて会ったのは、その3日後の

10月16日(水)です。

 ハリソンさんは、13日にデュポン先生の刊行している雑誌をカフェの図書室で見ています。
そして実はデュポン先生から、ウォルポールさんが協力者で、彼が9月から旅行でパリに来ている事を聞いていたのでした。

 多分「ウォルポールさんと会って下さい。」 ― と、ハリソンさんが甥のブリングストン伯爵から頼まれたのは、
カフェ・ブルトンから帰ってからで、夕飯の席あたりでだったのでしょうな。
そこんトコ、少女漫画ならもっと「運命的」に描いたのでしょうが ― 。

 そして、ウォルポールさんとデュポン先生が会っているのは、

10月30日(水)なのでした。


10月13日から10月30日までの間に、ウォルポールさんとデュポン先生は1度も会っていませんので、
ハリソンさんが「自分達の共通の知人だった」という事が今話まで分かりませんでした。

 一方、ハリソンさんの方は、2人が「共通の知人同士なのだ」という事を、
2人とのそれぞれの出会いの時からトックのトンマに知っていたという事になるので、
恐らく、「いずれはこういう会合が2人の間で持たれるのだろう。」というのに気付いていたのでは
…と思われるのでした。



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何かさ、そーいえば、
トリストラム・シャンディ自身とか、
シャンディが書いた本の登場人物の、特にトゥビーのオヤジとかヨリックの坊様とかにも、
「何かせねば危険な状況に自らが陥っているのにも関わらず、
放置して様子を見ているだけ~。」

― な傾向があるよな。

 ハリソンさん、本当にシャンディさんならば、
デュポン先生へと最初に自分からぶっちゃけちゃう事もできたと私は思うんだけどな。

 ハリソン殿とデュポン先生との間では、
初対面でラポール (心理学用語。お互いに親しみを感じ、感情の交流が可能な状況の事。)
がかなり良好といった様子じゃったのにな。

 その上で、「誰にも言わないでね~。
― とか付け加えちゃうって事かな?

しかし、もし、ムッシュ・ドゥポ~ンがムッシュではなく、
マダァムやマドモウァズェル・ドゥポ~ンだったのならば、
約束は絶対守られない
と、俺は渾身の力を込めて断言できる!

確かにそう!
「私と誰々ちゃんとのヒミツだよ~。」とか言って、
実はそこら中に話が広がってんの。
キャハハっ。お互い親しさを確認し合うためについついやっちゃう事なんだけど、
ギャルもオバさんも年に関係なく、
そーゆー所はもうどーしょーもないわよねぇ!



 ハリソンさん、狡猾なのか不器用なのかがマッコテ分らない所。
今日の続きは明日。

蛇街道(2/12) Mr.謎男(エニグマ)

2009年01月18日 16時46分40秒 | 第12話/蛇街道


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 デュポン先生は、トリストラム・シャンディ氏が、

「上の鼻は、出生時に医療ミスのせいで、分娩鉗子によって潰れてしまい、
― それと連動してというか、シンクロしてなのか?
― 下の鼻も5歳の時に、上下スライド式の窓に挟んで潰してしまいました~。」


…なーんて話は、第7話にもあるように「ハナっから」信じていないので、
こんな安らかな表情で、ウォルポールさんにカラリと聞いていられるのでした。

 それにしても、シャンディ氏 ( もしかしたらハリソンさんかも? ) は、謎が謎を呼ぶ人物なのですが、
ウォルポールさんもなかなかの挙動不審ぶりで、謎が謎を呼ぶ人物です。


 ウォルポールさんのお父さん、
英国で株式会社への投資ブーム → 株価大暴落を招く
― の後始末を見事にやってのけ、

自分を嫌う王様を、宮廷歳費増額で上手くなだめ、
王室関係の女性達からの応援も得、
戦争を避け、商工業を発展させた
―って、伝記に書いてあったわ。
  
 「株式投資ブーム」と「株価大暴落」
は、今の世界みたいじゃな。

…歴史は、忘れた頃に繰り返す。

 昨日の話の続きだけど、麻生総理、
自分もこんな風になりたいって事なのね。
  

● 日本を世界で不況から最速で脱出する国へ 
● 平和と繁栄
● 給付金はゼッタイやる
●皇室には妹さんがいる

 ウォルポールさんのお母さんは、ダンナとは反対に、
きれいな服や宝石や鳥が大好きで、遊び好きの浪費家だったってから、
ウォルポールさんは、骨董品集めちゃったり、お洒落なお城建てちゃったりしてる所からすると、
前にも言ったかもしれないけどお母さん似なのね。

 お母さん、何か、マリー・アントワネット様みたい。

 しかし、ウォルポール殿は、
一方で金の管理にかなりうるさい所もあったらしいのじゃ。
まるっきりの経済観念無しという訳でもなかったようで、
父母から半分半分って所じゃな。



 女性閲覧者の方々、究極の経済問題かもしれませんが、
〈 ハリソンさんとウォルポールさんのどっちかと結婚するしか選択の余地がない〉場合に、
どっちを選べば「幸せになれる可能性はまだある」と今の段階では思いますか?

〈次回の更新は1月24・25日の予定〉


  

  
  

蛇街道(1/12) ハリソンさんを差し置いて

2009年01月17日 14時33分30秒 | 第12話/蛇街道


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  18世紀中頃のフランスでは、「平凡な日常生活の中の面白いドラマ」を描いた、
リチャードソンさんやフィールディングさんら英国人作家の小説が翻訳等で読まれ、
フランスの作家にも影響を与えていました。

 18世紀後半になると、ちょっと前までは飾りっ気のない野暮服と思われていた英国ファッションが、
フランスファッション界にも影響を与えるようになり、
やがては、かのメルシエさんが革命前夜のパリで、
「英国かぶれのバカモノ」と呼ぶような人達が大勢出現する事となるのでした。

 第7話に登場したデュポン先生は、叔父さんが経営する大きな書店で、
英文学の広報を担当していて、英国の出版物とその他情報をまとめた雑誌を不定期に制作・刊行しています。
そしてその企画は、ウォルポールさんと彼の英国人の友人知人らに協力してもらっていたのでした。


 麻生総理、ウォルポールさんのお父さんを尊敬していると、
前に書いてあったけど、ひょっとして「給付金」は伝記とか読んで、
そこから思い付いたアイディア
なのかしら?

 日本人は、武士は食わねど…いや高潔な所があるから、
「バカにするな!!」
― と不景気で各家庭それなりに困っている筈なのに不評じゃな。

「イチ家庭6万円で票を買え!」
― なんて、オヤジ向け週刊誌でこき下ろされていた。
それでも、俺はあえて言う。
欲しいです。ちょーだい!

 ウォルポールさんって、
血筋の上では小泉孝太郎さんやDAIGOちゃんみたいなもんだよね。

 総理大臣を出した家の子孫だしね。

 ウォルポール殿、国会ではパッとしなかったようじゃから、
世間からは「出たがり文化人」みたいに見られていたんじゃないかの~?

ウサの言ってる、芸能人とほぼ同等だな。
そんなら、キメ台詞でも出せよ。



 「給付金 実は私も 欲しい人」(←川柳?) なのであった。

今日の続きは明日。





 

第12話 登場人物紹介

2009年01月14日 22時32分24秒 | 第12話/蛇街道

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 またまたやらかしてしまいました。
突然ネットの接続ができなくなって、予定が遅れてしまいました。
モデム用のアダプターが破損していて、交換品を取り寄せるのに日数がかかったのです。
体調の方は不思議なくらいに良好で、全然問題ナシだったのですが ― 。

 そういえば、去年の冬も、「トリシャンカノ紳version.」の時だったか、
ネットの接続ができなくなってしまって、アップが予定通りにできなかった記憶が…。
何か冬真っ盛りの頃に、毎年パソコン関係が何かしらヘンになるんですよ!

 …という訳で、今週の土曜日から、
「蛇街道 (1/12) ハリソンさんを差し置いて」
― を間違いなく開始いたしますので、
その前に登場人物を把握しておいて下さいましーな。
― と言っても今回たった2名しか登場しませんが…。




第12話/蛇街道 予告編

2009年01月04日 22時45分32秒 | 第12話/蛇街道

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 ハリソンさんとマルセルがパリからローマを目指して出発した2日後、
ウォルポール氏は、パリで人気の英流ウォッチャー、デュポン先生と対談します。

 実はデュポン先生、英国の情報を主にウォルポール氏から仕入れていました。
ウォルポール氏は、芸術の事やら、世間話やら、著名人のゴシップやらの手紙を、
一生の内になんと7000余りも知人友人へと宛てて書き送ったような人で、
「お手紙王子」と呼ばれていたくらいなのでした。

 自分にはない物を、見下しているハリソンさんが持っている事を不快に感じたウォルポール氏は、
「トリストラム・シャンディ」に興味を持っているデュポン先生へと、
「ハリソン殿がシャンディ氏なのではないか?」
― と、自分が持った疑惑をぶっちゃけ、
デュポン先生がハリソンさんに対して不信感を抱く方向へと、
わざわざ持って行こうとするのでした。

 * * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *