兄さん…自分の知ってる事は、
いろいろ話してくれるけど僕の質問には
ちゃんと僕が納得の行くようには
答えてくれてないよね〜。
「 トリストラム・シャンディ 」 の中で、
トゥビー叔父さんが口笛で吹く、
「 リラブレロ 」 という曲がどんな感じの曲かご存じですか?
まー、ローレンス・スターンさんの元っからのファンの方はご存じで、
Yes, of course. ってトコなんでしょうが…。
トゥビー叔父さん、
物語の中で何か釈然としなかったり、
呆れた事があると、いつも同じ曲の数小節を口笛で吹いて、
その原因となった人や出来事に対して、
抗議の気持ちを表現するのでした。
▼ 楽譜では、こんなんです。
♪ ヘンリー・パーセル作曲 /
リリバーレロ,新しいアイルランド風の調べ
( ト長調版 )
もしかしたら、トゥビー叔父さんが吹いていたのは、
最初の音が♭ミから始まり、
最高音は1オクターブ上の♭ミの
変ホ長調版かもしれませんが。
で、この曲、収録されているCDもあって、
「 パーセル&ブロウ作品集 」
の中で、グスタフ・レオンハルトさんが、
多分トゥビー叔父さんが実際口笛で吹いていたのよりは、
アップテンポでハープシコードを弾いています。
で、そのCDの解説書の中にも指摘があるのですが、
作者も言われてみれば似ていると思ったのでした。
▼ その曲とは 、あの超有名なーー 。
♪ モーツァルト作曲 / ピアノソナタ第11番イ長調 K.331
(第3楽章はトルコ行進曲)
第16話にあったように、
モーツァルト家の人達、英国へと家族一同で演奏旅行に来て、
1年以上滞在していたのでした。
ちょうど、「 トリシャン 」 7・8巻が発売されたのと同時期なのですが、
モーツァルトさんがパーセルさんの曲を知って、
自分の曲作りの脳内アイディア箱にしまって、
大人になってから取り出したのかは不明なのでした。
上記の2曲が 「 相似曲 」 であるというのは、
パーセルさんサイドでは言っているのですが、
モーツァルトさんサイドからは、
そのような文献が今の所、
発掘できませんでした。
ちなみに、二人とも36歳くらいで没しています。
で、パーセルさんは、モーツァルトさんより100年以上前に生まれた人なのに、
現代では 「 英国のモーツァルト 」
― と呼ばれているのでした。
パーセルさん、王室皇室関係のTV番組のバックでよくかかっている、
ジェレマイア・クラークさん ( 1673-1707 ) 作曲の、
「 トランペット・チューン 」
「 トランペット・ヴォランタリー 」
… が、作者が若い頃くらいまでは、
誤って代表作だとされていました。
「 リラブレロ 」、
口笛での全曲演奏をアップできれば
ベストだったんでしょうが、
あいにく作者、
マルセル・トロワ君と同じで、
口笛が吹けないんですけんのぉ!