漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

ドラッグストアのきれいなおねえさん

2011年06月26日 11時53分22秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 現在の日本のドラッグストアでもそうなんですけど、
18世紀のフランスでも、
薬屋で食料品や雑貨品が売られていました。

 薬剤師もいたようですが、
食品販売者と分離されたのは70年代後半のようで、
それまでは同じ組合に属していたそうです。

 でも、その後も、
現在の日本のホームセンター内で薬品を売る際には、
ちゃんと薬剤師の資格を持つ人を置いているというのとは違ったようで、
買う側からも曖昧な区別しか無かった様子です。

 この後、マー坊は乾燥無花果の箱を担いで、
法王庁のご近所にあるオテルまで歩かされましたとさ。
同じ量を現代の日本のスーパーで買ったらかなりお値段が高そうです。

 By the way,
「 トリストラム・シャンディ 」 第7巻最終章の中で、
シャンディ氏がプロヴァンス名産の無花果を買うか買わないかで、
売り手のオバさんと揉めた話が載っていますが、
カノ紳 version. ではどうなったのか、
これから3話以内にどこかで描こうかと予定しています。



 ▲ネームではこんな感じ。

 シャンディ氏、

「 悪魔がその場にいたらしい。 」

と書いているんですが。
実際その後、ハリソンさんは、
売り手のオバさんに気を使った事と天然ボケから、
自分は悲惨、
でも他人から見たら大笑いなひでぇ目に遭うのでした。


 オバさん、お客さんに対して高慢チキじゃね?
 今の日本じゃ、
一部地域を除いてありえねーだね。



 次回の更新は、7月3日 ( 日 ) の予定。
 
 次回からはまたモノクロページとなります。
カラーページが増えたのは、
実はスクリーントーンの節約のためです。
  

追憶に浸らせておいてくれよ!

2011年06月19日 12時35分42秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 この物語、
ハリソンさんがセンティメンタルな雰囲気に浸ろうとすると、
必ず何らかのお邪魔虫が入ります。

 アヴィニヨンの町は城壁に取り囲まれ、
ローヌ川と12世紀に架けられた、
童謡で有名なサン・ベネゼ橋は、
その外側にあるのでした。

 この後、ハリソンさんは、
マー坊がオテルの従業員さん達や城門の監視をしている人達から仕入れた情報によって、
アヴィニヨンが誇る絶世の美女という、
クレールさんに会いに行く事となります。


 次回の更新は6月26日 ( 日 ) の予定。

 


君は今いずこ

2011年06月12日 11時00分36秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 男性の作家さん達は、
どうも自作の創作動機について、
壮大な理想をもってした事と人に語ってしまうようなのですが――。
世の中の利益のためにしたとか…ホントなんでしょうか?
結果的にそうなったのなら良し良しという所なんでしょうが!?

 作者、実はアラベラさんの言っている事の方が真実を突いていて好感が持てるんです。

 ところで話が変わりますが、
作者、十数年前にアヴィニヨンでひでぇ目に遭いました。
今思い出しても苦痛なのですが、
そこからハリソンさん&マー坊主従にこれから起こる事件を思い付いたのでした。


 アヴィニヨンの夕暮れってロマンティックそうだわ~。

 どうせこの話だから、
何らかの方法でそれをブチ壊して、
笑いの方向へと持って行くに決まってる。

 んで、アラベラさん、金持ちのダンナとインドにでも戻ったのかな?

 住所不明…高校時代のクラスメートにも有りがちだわ~。
結婚して引っ越しとか、ダンナさんの転勤先に付いてっちゃって、
それっきり分からなくなるの。

 でよ、だから時々名簿作るからこの人の行方を知っている人は教えてくれって、
卒業校からハガキが来るんだね。

 このページで言いたい事とは、
何事についても男子たる者が壮麗壮大な事を申しても、
女子たる者には感心できるとは限らぬという事じゃな。

 で、トゥビーさんもウォドマンさんにフラれちゃったのね。

 おじいちゃんとママンの話を聞かなければ、
わたしには何にも繋がりが分かんなかったよ。

 え゛、俺は 「 トリストラム・シャンディ 」 についてみんなが言ってるように、
トゥビーが tamanasitanenasi だからフラれたんだと思っていたぜ!

 つーかよ、それ以前の問題で、
トゥビーのオヤジ、
ウォドマン夫人の質問に対する答えになってねぇんだよ!

 そーねぇ。
私も将来に不安を感じて断るかも~。
こういう時に感じる直感って本当に大事よね~。



 次回からは、マルセル君が再度登場するので、
笑いの方向へと行くかもしれないっす。

 次回の更新は、6月19日 ( 日 ) の予定。
 

宿敵側の言い分

2011年06月05日 11時22分54秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 今週と来週のアップ分は、
初代トリストラム・シャンディさんが1767年に出版した第9巻の、
トゥビー叔父さんがウォドマン夫人を怒らせ、
ウォドマン夫人はプロポーズを断ろうと最初に決意する場面との繋がりがあるようです。

 ずい分と大人しい落とし方だよねー。
わたしはアラベラさんがもっと感情的な反応するかと思っていたよ。

 専門家曰く、 「 肩すかしの手法 」
ってーのを真似たんだね、こりゃ。

 感情的っていうと、
「 そなたは敵 ( かたき ) じゃ~! 」
って、涙流して抱きついたりしちゃってとか?
まるで大河ドラマの茶々さんが秀吉さんにしたみたいな感じね。

 母さんがどわい好きな令嬢テレジアさんが相手だったら、
トゥビー叔父さん上手く行ったかもね。

 え゛~っ?!

 いっそテロワーニュ姐さんならもっとよかったかもよ…。
 「 英国軍人の意地を見せろ! 」
ってな感じでさ~。

 うぉおおおお…さらなるトラウマが俺を襲うっ!!!

 現代の表現上の制約が少なく、
社会経験を積んだOLや主婦層に向けて、
女性週刊誌で連載されたというテレジア殿の話に比すれば、
市民社会とその価値観の台頭による厳しい制約と攻撃が為された時代のシャンディ殿の話は、
現代人の目で見れば、登場人物が大人し過ぎるよう見えても仕方が無いと
わしには思えるのじゃ。

 ちゅーか、ローレンス・スターンさん、
本当は草食系の大人しい人だったんじゃないの?

 ところで、クレールさんはこの部分と何の関係があって、
いつ登場すんのかな?


 そう、確かにタイトルは、 「 麗しのクレール 」 だもんね。

 ウォルポールさんを落葉の御方様が恋慕しているって話と、
ハリソンさんのカコクな運命との繋がりも中断されて、
未だに接続先が不明だしね~。
この話、そーゆーとこが多いよ。

 これはの、作者殿の怠慢や無能さでは無く、
シャンディ殿の話の雰囲気に揃えるための努力なのじゃろうよ。


 クレールさんの登場は5ページ目からです。 

 次回の更新は、6月11日( 日 ) の予定。