ええ~と・・・「紹介文で四苦八苦」を補うつもりで。
「江戸職人綺譚」の帯封と表紙の裏面に書かれている紹介文を。
業師たちの妥協を許さぬ技と心意気が、運命にこだまする。
凧師をはじめ、化粧師、人形師など、江戸の生活を彩った
さまざまな職人たちの人間模様を丹念に織り上げた傑作短編集。
私が担当したのは「一会の雪 葛籠師・伊助」
これは出だしの部分の私の紹介文で、あらすじではありません。
辻堂で茶店を営むおすぎは、東海道二ッ谷の方角から来た病の娘
おきくを助け、家に寝かせ看病することになる。
おきくは「一人前の行李職人か葛籠職人に成ったら必ず所帯を持とう」
と言い置いて、15年前に江戸に出た伊助を訪ねて行くという。
その願いも叶わず、伊助の作った行李を残して息絶えた。
おすぎは、おきくの思いに押されるように、江戸に行く決心をする。
本文から。
「ごめんくださいましな」
雪のつもった菅笠をとって、おすぎは声をかけた。
自分のとは思えないこわばったきつい声になっていて、
急にこうして訪ねたことを後悔した。
それでいて、これでおきくさんの供養になる、
おきくさんのことを忘れられると思った。
「誰だい、かまわねぇから入んなよ。」
少し間があって、男の声が応じた。
着物の雪を払って三尺の土間に入ったおすぎは、会釈をしていった。
「東海道の辻堂から来たおすぎといいます。伊助さんですね」
「ああ、そうだが・・・・・」
一間きりの板の間にいた伊助は、酒を飲んでいたらしく貧乏徳利を
ひきよせたまま胡散臭げにおすぎを見た。
四十がらみの痩せぎすな男である。
(この人がおきくさんの・・・・・怖い人)
あれこれ想像していた伊達男でも薄情そうな男でもなく、
しかしなぜかどきりとして、肩をすくめる気持ちでそう思ったのは
自分でも意外だった。 破れた枕屏風の向うにせんべい布団の
積み上げてあるのが見えたが、行灯の傍らに作りかけの葛籠が置かれ、
足の踏み場もないほど、割り竹や削り竹が散らかっていて、
漆の匂いもし、女気が少しもないのに安堵してもいた。
(この長屋で独りで葛籠づくりをしているんだわ)
「何の用だい、おかしな女(ひと)だな」
用件もいわずにじろじろ見まわしているおすぎへ、伊助は苦笑いしていった。
内容について一応紹介になっているでしょうか。
ちょっと藤沢周平の雰囲気に似ている感じがしました。
長谷川勝彦先生の朗読で是非聴きたかったラジオ文芸館の「山桜」を
ネットでつい最近、聴くことが出来ました。
この「一会の雪」も長谷川勝彦先生の朗読で
是非聴いてみたいです。
「江戸職人綺譚」の帯封と表紙の裏面に書かれている紹介文を。
業師たちの妥協を許さぬ技と心意気が、運命にこだまする。
凧師をはじめ、化粧師、人形師など、江戸の生活を彩った
さまざまな職人たちの人間模様を丹念に織り上げた傑作短編集。
私が担当したのは「一会の雪 葛籠師・伊助」
これは出だしの部分の私の紹介文で、あらすじではありません。
辻堂で茶店を営むおすぎは、東海道二ッ谷の方角から来た病の娘
おきくを助け、家に寝かせ看病することになる。
おきくは「一人前の行李職人か葛籠職人に成ったら必ず所帯を持とう」
と言い置いて、15年前に江戸に出た伊助を訪ねて行くという。
その願いも叶わず、伊助の作った行李を残して息絶えた。
おすぎは、おきくの思いに押されるように、江戸に行く決心をする。
本文から。
「ごめんくださいましな」
雪のつもった菅笠をとって、おすぎは声をかけた。
自分のとは思えないこわばったきつい声になっていて、
急にこうして訪ねたことを後悔した。
それでいて、これでおきくさんの供養になる、
おきくさんのことを忘れられると思った。
「誰だい、かまわねぇから入んなよ。」
少し間があって、男の声が応じた。
着物の雪を払って三尺の土間に入ったおすぎは、会釈をしていった。
「東海道の辻堂から来たおすぎといいます。伊助さんですね」
「ああ、そうだが・・・・・」
一間きりの板の間にいた伊助は、酒を飲んでいたらしく貧乏徳利を
ひきよせたまま胡散臭げにおすぎを見た。
四十がらみの痩せぎすな男である。
(この人がおきくさんの・・・・・怖い人)
あれこれ想像していた伊達男でも薄情そうな男でもなく、
しかしなぜかどきりとして、肩をすくめる気持ちでそう思ったのは
自分でも意外だった。 破れた枕屏風の向うにせんべい布団の
積み上げてあるのが見えたが、行灯の傍らに作りかけの葛籠が置かれ、
足の踏み場もないほど、割り竹や削り竹が散らかっていて、
漆の匂いもし、女気が少しもないのに安堵してもいた。
(この長屋で独りで葛籠づくりをしているんだわ)
「何の用だい、おかしな女(ひと)だな」
用件もいわずにじろじろ見まわしているおすぎへ、伊助は苦笑いしていった。
内容について一応紹介になっているでしょうか。
ちょっと藤沢周平の雰囲気に似ている感じがしました。
長谷川勝彦先生の朗読で是非聴きたかったラジオ文芸館の「山桜」を
ネットでつい最近、聴くことが出来ました。
この「一会の雪」も長谷川勝彦先生の朗読で
是非聴いてみたいです。
紹介文としては大成功なのではないでしょうか。
江戸の職人さん達の世界には興味があるので、「江戸職人綺譚」を図書館で探してみようと思います。
ばーばさんのお声も、いつかぜひ聴いてみたいなぁ(*^^*)
と敬遠しそうになりましたが、私も続きが気になりました。
次に観る映画は・・・
「愛を読むひと」
たぶん これに決定かもしれません♪
紹介はけっこう難しいのです。
でも、読んでみたいと思って下さるのは、嬉しいですね。
母方の祖父は、下谷の職人(上野や浅草辺り)で表具師でした。経師屋ともいいます。
表具師の仕事は掛け軸や屏風、絵などの額装、障子、襖張りです。
ですから江戸の職人に私も興味を持つのです。
ぜひ読んでみてくださいな^^。
ラブシーンに動揺する私が可笑しいでしょ!
ひとり静かに心を燃やすシーンは、これ見よがしのものより、
印象的かもしれませんね。
本人の思いを追体験してから、そのあと読み込むことで結果、
録音現場ではサラッと流すのもいいかなと・・。
最近映画は「おくりびと」とゴールデンウィークの「クレヨン新ちゃん」しかありません。
「クレヨン新ちゃん」を孫が大いに気に入って2回も観に行ったのですよ!海老名まで。ふ~。
お勧めの映画は「愛を読む人」ですか。
私もそろそろ自分の時間に戻ります。
映画でも観たあとで「モッツアレラチーズと、トマトと茄子のスパゲティ」を食べたいものです。
今日、女の子の方が2ヶ月振りに退院しました。 百日咳って完全に予防接種が聞くわけではないようです。 新生児突然死症候群の中に、(隠れ)百日咳が入っているかもしれません。
内の孫だって、呼吸停止が起こってチアノーゼ状態が何度もあったのです。
2ヶ月振りに今日会って顔を覗いたら、眼の焦点が合ってじっと見つめられ、ニコッと笑いかけられました。ばーばと認めてくれたようです。2ヶ月も病院にいたのでこちらが気がつかないうちに随分成長したようです。