☆ テレビ付きランニングマシーン

フィットネスクラブに週３回は通っている。
まだ基礎の基礎という段階でマシンジムの、お腹、背中、腕、足　等に
軽い負荷を掛けての運動と、アリーナでのストレッチ、
テレビ付きランニングマシーンで歩くことが主だ。

以前在籍していた１年半前までは、何の変哲も無いランニングマシーン
だったので、私の歩く時間は２０分位しか続かなかった。
ただひたすら前を見て、他の会員のうしろ姿やマシンを使っている姿など
見ていても退屈するばかり。
だから直ぐに飽きてしまい、早々に軽いエアロビクスやトレーナーの指導する
ストレッチに走った。
ランニングマシーンは私にとって退屈の代名詞だった。

ところが、今年の２月頃、近くのフィットネスクラブに新入会した。
そのクラブの、ランニングマシーンはテレビ付きだった。
歩きながら好きなテレビを観て、イヤホーンで音声を聴く。
衛星放送も入っているので映画も多い。
私は大いに喜び、歩きながら映画を見た。
ついついストーリーに入り込んで夢中になり、
設定を１０分延ばし、また１０分延ばし、頭から汗ビッショリ。
もう５０分も歩いている。
目が見えなくなるほどの汗をスポーツタオルで拭いた。
スポーツタオルは普通のタオルより大きい。
頭から被ったので一瞬、真っ暗になった。

次にクラブの床に尻餅をついている自分を発見した。
衝撃があってお尻が痛い！
なんで私は床に足を放り出して座って居るんだろう？
キョロキョロ周りを見回すと・・・　え？
ランニングマシーンから落ちた？
やっと気が付いた。　
マシンの床のゴムベルトは一定の速度で後ろに流れている。
それなのについ忘れて立ち止まって、頭から汗を拭いたので
一瞬にして後方にすっ飛ばされたのだ。
笑うに笑えない失敗

そのクラブで少しウォーミングアップしてから元のクラブに
戻ろうと思っていたのに、在籍一ヶ月で足の指２本を骨折し
やめてしまった。　
足指の骨折は家での不注意による事故だったけど。
その時から、閉じ篭り気味になりどんどん太り出し足弱になった。
テーブルに手をつかなければ座った状態で立ち上がれなくなった。
このままでは、ますます体重が増え続けるだけ。

やっと決心して８月末、帰り新参で古巣のクラブに戻った。
一年半のブランクは大きい。

ここでもランニングマシーンはテレビ付きに進化していた。
２０分の歩きが、３０分になり、４０分になり・・・
このマシンは歩いた距離数と消費カロリー、心拍数が刻々と表示される。
距離数３.５キロ　消費カロリー３００　等となるともっともっとと熱心になる。
それに午後のテレビドラマにも詳しくなった。
たぶん８チャンネルでＤｒ.コトーの再放送を観た。　
木村拓也のヒーローも観た。
今は坂口憲二の医龍を観ている。
坂口憲二って良い役者になった、などと思いながら水曜日は５０分歩いた。

マシンを降りると、ジム仲間の年上の友人に
「あなた、長く歩き過ぎ。後で身体を悪くする」と叱られた。
そうだった。心拍数が１４０近くを表示していることあったね。

案の定、その日夕飯を作っている最中に頻拍の予兆があり、
それでも強引に夕飯を食べ終わると、予兆が本格的になり、発作が起きた。
約２時間、安静に寝ていた。締め付けられるような頭痛がする。
この頭痛は頻拍で酸素が足りなくなった故の頭痛かと思う。
枕を外したら少し楽になった。

ツレアイは一切心配しない。　興味も無いようで声も掛けて来ない。
自分の部屋に引っ込むか、テレビを観ている。
２～３時間もしたら、のこのこ起きて来て、かったるそうだけれど
普通に働くから、心配しなくて良いものだと思っている。

時々、老夫婦　から始まる新聞の見出しを思い出す・・・

木曜日、クラブに行くとその友人から
「昨日はあの後どうだった？」と聞かれた。
「言われた通りになって発作起こした。」と答えた。心配して貰って嬉しかった。
その先輩は決してテレビ付きのマシンは使わない。

クラブに復帰して１ヶ月、やっと１キロ体重が減った。