関東暮らし

関西人から見た関東暮らしの出来事を記す

《税を考える週間に思う》

2011年11月11日 | コラム
#68=2999
2011年11月14日付
《税を考える週間に思う》
 「税を考える週間」があるのはご存じでしょうか。毎年11月11日から17日まで国税庁が広報を集中する期間です。各地で講演会や展示、小・中・高校生などの税についての作文発表などが行われています。単純な「納税意欲向上」だけでなく、最近では「電子申告」普及などが強調されています▼権力機関が主催するだけに「納税は義務」が先行し、国民の税意識が変質してしまう危険性もあります。昨年は、この週間に先行して、女性査察官が主人公のTVドラマが放映されましたが、「脱税者は日本の道路歩くな。日本の空気を吸うな」のセリフを吐かせてしまいました。実社会では脅し、暴言の類です▼生活費にまで課税され、「払いたくても払えない」庶民や、商売の信用を保全するための支払が優先してしまう日本の中小業者の実態などまるで分からず、権力の思惑どおりのドラマづくりになるとは嘆かわしい▼各地では「脱税者」と「滞納者」が同義語化されて言葉が独り歩きし、重大な勘違いで仕事をしている「税務官吏」が増えています▼全商連の「納税者の権利宣言」案、「納税者の権利憲章」案を広く知らせたいものです。そのためにも「すべての中小業者に商工新聞との出会いを」の立場で読者を増やしましょう。いよいよ次週が3000号です。

写真は「ある撮影風景」

《民主主義の発露として》

2011年11月06日 | コラム
#67=2998
2011年11月7日付
《民主主義の発露として》
 ニューヨークで9月から始まった「ウォール街を占拠せよ」の運動は、10月にはイギリス、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリアや日本でもデモが起こるなど、世界に広がっています▼08年のリーマンショック後、アメリカでは金融危機の尻拭いに市民の税金が注ぎこまれ、暴走して危機を招いた当の金融企業幹部には、結果としておとがめなしの格好になっていました。一方で、19歳から20歳代前半の若者の4割は職がないようです。アメリカの資本主義もかなりゆがんでいます▼そうした背景の上に、当初、インターネットでの呼びかけに応えた若者たちが、富裕層増税や雇用創出などを求めて始めた行動です。近くの公園に寝泊りしながら参加者が増え、証券取引所へのデモが一カ月以上続いています▼主権者が、自ら要求と主張をアピールすることこそ、民主主義を支えることを教えているように思います。リビアは大国の思惑もあり軍事衝突の事態でしたが、チュニジアやエジプトなどでは平和的なデモで政権が変わりました▼先週、この欄で「とんでもありません」と書きましたが、読者から「とんでもない」が一つの言葉だから誤用とご指摘いただきました。「とんでもないことです」が正解です。ご指摘ありがとうございました。

写真は〈亀嵩(玉峯山)の夜景〉

なくせ!原発 1万人集会(福島)

2011年11月03日 | 日記
10月30日は福島で行われた
「なくせ!原発 安心して住み続けられる福島を! 10・30大集会インふくしま」
に参加してきた。
福島駅から車で西に30分ほどの
「四季の里」という広場で行われ、
全国から1万人が集まった。


庄條徳一JA福島中央会長から、
馬場有浪江町長、
菅野典雄飯舘村長、
佐藤栄佐久前福島県知事、
志位和夫共産党委員長
までがあいさつに立つなど、
さまざまな立場や考え方の人たちが
幅広く集まった集会だった。
家族ぐるみの参加もめだった。


福島では、災害が今も続き、
この先いつまで続くかわからない、
という実感だった。
そして、「子どもたちを守りたい」
という思いが最大の一致点として、
これからの政治も大きく変えていく
力になるだろうと思わせる内容だった。
秋の紅葉が始まりかけた福島の風景は、
美しく豊かな装いだったが・・・。
一方、事故を起こした原発では、
再び「核分裂」が発生していることが判明。
そんな中でも、玄海原発の再稼働が強行された。
何ということだ。
またしても、原発依存症候群に
陥っている連中の巻き返しと
情報隠しが始まっている。
「子どもたちを守れ」の問いかけに
彼らはどう答えるつもりなのだろう。

集会に参加したその日、訃報が入った。
西宮で長い間地域活動を共にした女性が亡くなった。
2年間、病院での闘病生活の末だった。
家族ぐるみのつきあいだった。
子どもたちも産まれた時からお世話になって、
まるで本当のおばあさんのうようだった。
31日のお通夜には、
私の妻と娘、息子も参列し、
涙したと連絡があった。
その人は、川辺ひかるという名前で新聞に文書や写真を投稿したりしていた。戦前の京都生まれで、学生のころには、1953年の11月11日の、「わだつみ像」歓迎行動を京都府警が暴力的に弾圧した「荒神橋事件」の渦中にもあったということを聞いたことがある。英語も堪能で、高い見識をもちつつ、市民の生活目線で社会変革をめざしたすばらしい人だった。
ご冥福を祈りたい。

《いい加減にしなさいよ》

2011年11月01日 | コラム
#66=2997
2011年10月31日付
《いい加減にしなさいよ》
 大阪府知事として中小企業むけ制度融資の大改悪を試み、「君が代条例」で教職員に斉唱を強制した橋下徹氏が、22日辞職しました▼そのまま元の芸能活動にでも戻ってくれたらと思いますが、うわさどおり大阪市長選挙への出馬を表明しています。空席の知事には自分の配下を出馬させるそうです。これで11月27日は、府知事と大阪市長のダブル選挙になりました▼橋下氏は、この選挙で大阪都構想や職員・教員を強制的に隷属させる条例制定を掲げていますが、とんでもないことです。首長の独裁は住民を不幸にするだけです。これは大阪だけの問題ではないでしょう。民主党にあいそをつかし、政治不信に陥っている国民の隙間につけこみ、「地方からの改革」などと聞こえのよいスローガンで、住民と行政を対立させる新たな政治手法です▼その裏には本当の狙いが隠されているに違いありません。週刊誌によれば、橋下氏は市長になって現在黒字の「地下鉄民営化」をやりたいのだ、と書いてありました。なるほどそれなら合点がいく。住民の財産を売り飛ばすなら関西財界も応援するだろう。ますます許すわけにはいきません▼大阪の民商の仲間たちは、知事には弁護士の梅田章二さん、市長には前市議の渡司考一さんを推薦して奮闘しています。

写真は〈東京有楽町のガード下〉