晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『「ややこしい子」とともに生きる』

2007-06-24 20:01:01 | Weblog
 『「ややこしい子」とともに生きる 特別支援教育を問う』(川原ノリエ著 岩波ブックレット 2007年刊)

 60ページ程のブックレットで、90分もあれば読めます。しかし、その後、考えなければならない大きなテーマにぶつかりました。著者もとてもデリケートな問題を内包しているテーマなので、慎重な、誤解されないような表現を用いています。



 ある種の生きにくさを持った子どもとその親、置かれている情況に対する支援のあり方、その支援者への支援、そして社会そのもののあり方まで問われます。

 この国の、画一的な価値観の中で、そういう親と子のみんなと同じであろうとする、普通でいたい、その心情をどこまで理解できるか。

 少しでも異なる者や事に対し許容できない懐の狭いこの社会。違和、差別、排除・・・、そのことへの恐怖を皆が感じながら生きています。



 この社会は、人間を労働力という観点からしか捉えていないのでしょう。今進められようとしている「特別支援教育」なるものは、学校というシステムが、普通以上の労働力を社会に供給する使命を第1に持っているため、ラインの流れを妨げる存在には、「特別の支援」を必要とするということからの発想なのでしょうか。

 「軽度発達障害」「特別支援教育」なる言葉の何とデリカシーの無いことか。



 日本国憲法の「第3章 国民の権利及び義務」を読んでみて下さい。憲法改定を議論するよりも、現憲法の条項さえ、この現実では守られていないことがわかります。




 

 
 
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