『ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」』(伊藤章治著 中公新書 2008年刊)
南米を原産地とするジャガイモは、飢餓に襲われた人類を世界中で救ってきた。痩せた土地でも、寒冷地でも収穫できる栄養価が高い穀物である。
筆者は、国内の各地を訪ね、また歴史を調べ、南米や欧州における歴史上のジャガイモを調べ上げている。
今後、この国が再度飢えに見舞われ、その時ジャガイモが救世主になることはないのだろうか。そこで、最近何かと話題になることの多い、この国の食い物の現状を考えてみた。
2006年、食料の国内自給率は、39%(エネルギー換算)、これは、国家の安全保障上問題はないのか。将来もこのまま輸入を続けることができる保障はあるのだろうか。
予想(私の謀略説も否定されていない。)通りであるが、未だ原因のわからない中国製冷凍餃子への農薬混入事件。加工食品、輸入食品に依存した食生活の安全性に問題はないのか。
今回の餃子事件が生協の扱う商品で発生したという事をどう捉えたらいいのか。「安心・安全」の生協が、既にその理念を変質させ、大手流通業界の競争の中で、価格競争をだけを追求した結果ではないか。
重油価格の高騰によるバイオ燃料生産の急増、サブプライムローン危機による国際投機資本の穀物商品市場への流入による、穀物価格の急騰は、生活を直撃しているだけでなく途上国の飢餓人口をますます増大させている。
特に、バイオ燃料のために食料飢餓が増えるという構図はナンセンスである。どちらが大切なことかは自明であるから。
このように様々な食い物をめぐる問題の解決を、ひとり学校教育に求め、「食育」「食育」と叫んでいる姿もまたナンセンスである。食い物は、歴史的な慣習、地理的な条件、文化や宗教的な違い、家庭環境・・・極めて多様な私的領域に属する事項であると思う。私は、そこに公権力が介入することの危機を感じる。これも、健康増進法成立以降、タバコなど個人の嗜好への介入と同種のものである。
南米を原産地とするジャガイモは、飢餓に襲われた人類を世界中で救ってきた。痩せた土地でも、寒冷地でも収穫できる栄養価が高い穀物である。
筆者は、国内の各地を訪ね、また歴史を調べ、南米や欧州における歴史上のジャガイモを調べ上げている。
今後、この国が再度飢えに見舞われ、その時ジャガイモが救世主になることはないのだろうか。そこで、最近何かと話題になることの多い、この国の食い物の現状を考えてみた。
2006年、食料の国内自給率は、39%(エネルギー換算)、これは、国家の安全保障上問題はないのか。将来もこのまま輸入を続けることができる保障はあるのだろうか。
予想(私の謀略説も否定されていない。)通りであるが、未だ原因のわからない中国製冷凍餃子への農薬混入事件。加工食品、輸入食品に依存した食生活の安全性に問題はないのか。
今回の餃子事件が生協の扱う商品で発生したという事をどう捉えたらいいのか。「安心・安全」の生協が、既にその理念を変質させ、大手流通業界の競争の中で、価格競争をだけを追求した結果ではないか。
重油価格の高騰によるバイオ燃料生産の急増、サブプライムローン危機による国際投機資本の穀物商品市場への流入による、穀物価格の急騰は、生活を直撃しているだけでなく途上国の飢餓人口をますます増大させている。
特に、バイオ燃料のために食料飢餓が増えるという構図はナンセンスである。どちらが大切なことかは自明であるから。
このように様々な食い物をめぐる問題の解決を、ひとり学校教育に求め、「食育」「食育」と叫んでいる姿もまたナンセンスである。食い物は、歴史的な慣習、地理的な条件、文化や宗教的な違い、家庭環境・・・極めて多様な私的領域に属する事項であると思う。私は、そこに公権力が介入することの危機を感じる。これも、健康増進法成立以降、タバコなど個人の嗜好への介入と同種のものである。