トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

平等って?

2007-02-24 | Weblog
自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいくの中で障害児教育における平等について触れています。日本では格差社会が問題化されていますが、この本を読んでこんな感想をいただきました。

自閉症に関しては素人の人間でも興味深く読めるところが、すばらしいと思いました。ある意味では、日米の文化ギャップのお話ですね。ケースは違うにしても、私にもよく理解できる部分がたくさんありました。
平等なんて、世界どこを探しても、存在しないと思う。個人が2人以上いる場所では。まったくの平等なんてどう考えてもありえない。アメリカでは平等という言葉はみんなが自分の権利を獲得するために上手に(時には、ずるく)使っている言葉だと思う。使っている本人さえ、裏をかえせば、不公平な部分もあることわかって、使っていると思う。
とりあえず、この本を読んで思ったのは、特別教育だけに限らず、いろいろな生活場面で、似たようなことが言えるなあ、、、でした。もちろん、どちらがいいという話でも、どちらがどちらかの真似をしようというのでもなくて、究極は、「あなたにはどっちの方がより問題が少ないですか」ってことかな。”


障害児教育に限らず、格差社会のアメリカでは常に’平等””公平”を主張します。

アメリカ軍隊での話
コンバットゾーンへ女性兵を派遣するより男性兵を派遣したほうが、性的虐待をはじめとする人的被害が少ないため、政府は女性より男性を派遣することを推進している。
コンバットゾーンへ派遣されることによってもらえる収入も違ってくるので、女性兵達からは男女差別、不公平だという声があがっているそうだ。

我が家での話
トニーが持っているものは何でも欲しい一歳年下のケニーまたの名をMr.Me Tooは、私が、トニーが”靴のヒモを結んだ””公共の場でお行儀よくできた””お話が上手にできた”、、、、と一喜一憂するたびに、「何でトニーだけそんなことで誉められるの?不公平だ!」とブーイングします(笑)。

確かにみんながEven(全く同じに割り切れる)になる平等なんてありませんね。
でも誰にでもチャンスを与えてくれる公平な社会は格差社会であればあるほど必要なのではと思います。



コミュニケーション

2007-02-18 | Weblog
”エイブル”というビデオを見ました。
17歳の自閉症、19歳のダウン症の二人の少年がアメリカ、アリゾナ州にホームスティしたドキュメンタリーです。
言葉が通じないにもかかわらず彼らとホストファミリーご夫婦の暖かいやりとりが印象的でした。コミュニケーション不足が問われる今、こういう体験を通じて人との気持ちの交流を学ぶのはいいことだなと思いました。

アフリカのある民族の言語には色が赤、黒、白の3色しかないそうです。
緑は”葉っぱのような黒”、黄色は”バナナのような白”で通じるそう。
自分の伝えたいことを相手に理解してもらう術は、語彙の多さや文法の正確さよりどう伝えるかだと思います。

言葉の遅れているトニーが小さかった頃、まわりの専門家からは英語だけにするよう強く言われました。
でも私達親子の信頼関係は日本語なしでは成立しないのです。信頼関係、フィーリングは言葉以上に大切なコミュニケーション ツールだと思うのです。

映画の最後で少年達が日本へ帰国する前日、ホストファミリー夫婦が彼らに対して”いい人間になるよう助けてくれた”と涙した言葉に、うん、人はみんな助けたり助けられたりしてコミュニケーションを築いていくんだよねと思ったのでした。

アンチ・バレンタインデー

2007-02-16 | Weblog
同僚のご主人が一日遅れのバレンタイン プレゼントを仕事場へ贈ってきました。
昨夜はさぞかし気まずい空気だったことが想像できます(笑)。
毎年この時期になると、アメリカの男性は義務のように花屋さんやチョコレート屋さんに群れを成します。
そんな男達をみて哀れに思ってしまうのは、私が”おばさん”になった証拠ですね。

とはいってもプレゼントを贈る相手がいない人たちもいるわけで、そんな人たちがバレンタインデーに集まるアンチ・バレンタインカフェで見かけるものは、、、、、

カップルお断り看板
キューピットスタイルのウエイトレス(撃たれたりしないのかしら?!)
ヒビの入ったハート型クッキー
槍の刺さったハート型ケーキ
血を思わせるラズベリージャム
浴びるほどのアルコール類
黒のハートのデコレーション
アンチ ラブソング


など、、、、、

昨夜はサンフランシスコでPillow Fight(枕ケンカ)というイベントもあったそうで、羽毛の枕を持った約1000人がお互いを枕で殴りあったそう。
これはアンチ・バレンタインとは関係ないと思うけど。

言語

2007-02-11 | Weblog
今夜はメンチカツを作りました。
トニーに何を入れるの?と聞かれたので「グランド ポーク(豚ひき肉)」と答えると「grand pork? or ground pork?」と聞き返されケラケラ笑われました。
私の英語の発音、ちょっと気を抜くとこうなってしまいます。
特に身内での会話だとLもRもあったもんじゃない(苦笑)。
子供達からいつもからかわれています。

俳優のアーノルド シュワルツネイガーがカリフォルニア州知事であるにもかかわらず、州名”カリフォルニア”を正しく発音できないことでもわかるように、アメリカは移民の国ですからいろんなアクセントの英語が聞こえます。日本語なまり、スペイン語なまり、中国語なまり、インドなまり、ベトナムなまり、、、、、etc. どれも完全にそのアイデンティティーを確立しています。

子供達も「マミー電話!チャイニーズみたいだよ」なんて英語のアクセントを聞いて電話の相手を名指したりします。

さてメンチカツですが、トニーが油で揚げているのを見て「メンチカツ,ジャクジーのお風呂に入ってるみたい」とユニークな表現をしていました。

英語もいろいろありますが、トニー語もなかなかおもしろいです。

Creativity

2007-02-08 | Weblog
勤め先の学校のArtクラスでのこと。
先生が描いた絵を見本に子供達にコピーさせていた。
Artのクラスでコピー? みんな同じ絵描いたっておもしろくないし、クリエイティヴィティないじゃない。もっと自由に描かせればいいのにと心の中で思いながら見ていた。
ところが出来上がった子供達の絵を見ると、、、、なんとみんなそれぞれ違っていた。
私がもしこれと同じように描きなさいと見本をみせられたら絶対に全く同じように描くだろうなあ。
アハッ私の方がよっぽどクリエイティヴィティ乏しいじゃない。

トランペット奏者のウィントン マルサレスは”あなたがベートーベンの曲を演奏する時、もうそれはあなたの曲であり、ベートーベンのものではない”と言いました。
確かにその通りだと思います。
いかに自分のものとして弾きこなすかは、その人のクリエイティヴィティそのものです。

そう言われてみれば、物まねも才能でありクリエイティビティがなければできないことだと思います。

物まねといえば、トニーは物まねがメチャメチャ上手です。
今日は授業中にオーケストラの先生の物まねをして、また退場になったそうです。
確かにすごくよく似てるので、、、、、、でも、、、これはマズいっす。

鼻血

2007-02-07 | Weblog
子供達が仲良くココアを作って飲んでいたと思ったらトニーの様子がどうも変なことに気づいた。
事情を聞いてみると今日学校でクラスメイトがココアを飲んで大量の鼻血を出したそう。
もともと血を見るのが怖いのと、鼻血未経験のトニーはかなりビビッたようだ。

ココアを飲んで鼻血出ちゃったらどうしよう?!とパニック状態。
一口飲んではでフンフン大きく息をして確認している姿に笑ってしまいました。
「トニーはココアを飲んでも多分鼻血は出ないと思うよ」と言ったら、「But how will I know if I had a bloody nose?」(でももし鼻血出ちゃったらどうやってわかる?)と不安げに聞かれた。鼻から血が出てもわざわざ鏡で見たり、触って血を見ない限りは鼻血って出てもわからないからそのサインをどう確認するのかってことがトニーにとってはすごく心配だったのだと思います。確かに鼻血って人から”血が出てるよ”って言われて初めて気づくことが多いですよね。それをいいことにケニーは「あれ?トニー、鼻の下になんか血みたいなのが、、、、」とからかいトニーは悲鳴をあげていました。

そんな不安いっぱいの状況の中、彼はやっとの思いでココアを飲み終えたのでした。

ベビーシャワー

2007-02-07 | Weblog
休み時間に休憩室で今月末に出産を控えた同僚のお祝いケーキをごちそうになった。
「わあ!!もう産まれたの?えっ!でも昨日彼女見たよ。今朝産まれたわけ?」と聞くと来週から産休に入る彼女のために今日お祝いをしてベビーシャワーは今週末ということ。
ベビーシャワーとは、出産予定日間近に親しい友人達が赤ちゃんギフトを持ちよって集まるパーティーのこと。パーティーではみんなからのギフトをお披露目したり、妊婦にちなんだゲームをしたりします。特に出産が初めてのお母さんにとっては”不安だけどがんばる”勇気がもらえる感激イベントです。先日私が出席したベビーシャワーでは妊婦の腹回りを何センチか当てるゲームがありました。

「日本では大体ベビーギフトは出産後にするよ」とイラン人の友達に言ったら、「私の国でもそうよ」と言われた。「なぜ?」と聞くと「もし無事に赤ちゃんが産まれなかったらパーティーをしたことで悲しみが一層深くなるから」と言われた。インド人の同僚も「まだ無事に産まれていない子のお祝いをするなんてバッドラックだ」と同様に言っていた。ドイツやイタリアでも出産前にお祝いはしないと聞いた。

ベビーシャワーは赤ちゃんへのお祝いというよりは、親になる人へのサポートお祝い会でアメリカならではの合理的な習慣だと改めて思った。