トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

2006-11-26 | Weblog
ケニーとガサを連れてドッグパークへ行きました。
ガサはここの常連で友達もたくさんいます。この公園はまわりを金網で囲ってあって犬が鎖なしで自由に走り回れるドッグフリーパークです。ここでたくさんの犬を見ていると犬って本当に社交的で純粋だと感じます。犬は世話をしてくれる人に対して”こんなに自分の面倒を見てくれてこの人は神様に違いない”と思い、猫は”こんなに自分の面倒を見てくれて自分は神様に違いない”と思うらしいです(笑)。

感謝祭明け

2006-11-26 | Weblog
感謝祭明けのアメリカは本格的クリスマスシーズンに伴いどこも買い物客でいっぱいです。こういうブラックデーはあえて買い物に行かないのが一番。我が家のクリスマスシーズンは昨夜見に行ったバレエ”くるみ割り人形”で始まり、今日はトニーと夫は恒例のオートショー(車の展示会)に行きました。車好きのトニーはいつか東京モーターショーに行きたいそうです。それが理由で学校休んでもきっと許してもらえるほどトニーの車好きは有名ですが日本へ行くにはお金も時間もかかるってことわかってないんだなあ。

チャイルド ネグレクト ー給食費ー

2006-11-25 | Weblog
日本では給食費を払えるのに払わない親がたくさんいて学校が困っているそうだ。カリフォルニアではおべんとう持参かカフェテリア(学食)で買ってランチを食べます。ランチ代を払わないとその子にはランチはありません。家庭の事情でランチ代が払えない子達は州からの援助金でランチが食べられます。問題はその援助金の手続きさえできない親の子達です。だまって他の子が食べているのを見てる子や、”お腹すいてないから”と平然を装う子、なかにはちゃっかり友達のランチのおすそ分けをしてもらっている子もいます。なんとも現実的で心苦しい光景です。それでも学校は規則なのでランチをくれません。そのかわり、心優しい先生方や学校職員がボランティアでそっとランチを分けてあげているのを見たことがあります。それも押し付けがましくではなくとても自然に。私は子供の頃、道楽者の父のために給食費が払えなかったことがあります。先生から名前を呼ばれるたびに”もしかしたら給食費のことかも”とビクビクしたものです。母が自分の足で学校へ出向き頭を下げて私の給食費を払っている姿を何度も見ました。カリフォルニアではどんな事情であれ子供が何日かランチを食べていなかったら学校からソーシャルワーカーへ連絡が行き、福祉事務所は親の調査をする義務があります。払えるのに払わない親達はカリフォルニアではチャイルドネグレクトで犯罪になる可能性もあるんですよ。

感謝祭

2006-11-24 | Weblog
Thanksgiving(感謝祭)で今日から連休です。
もともとはイギリスからアメリカへ渡った清教徒達が先住民インディアン達に農耕狩猟を習い、生きる術を教えてもらったことに感謝することから始まった収穫祭ですが、今は家族で食事をするファミリーイベントです。定番はターキー(七面鳥)、スタッフィング(野菜、パンの角切りなどをターキーの中に詰めてベイクする)、マッシュポテト、ヤム(さつまいも)、クランベリーソース、パンプキンパイなど。我が家はこのほかにフルーツサラダや野菜の煮物などもありました。毎度ですが夫の母が全部作ってくれました。野菜やフルーツは義母の畑から、パイ生地は自家製小麦粉で、ターキーは農場から特注、スーパーで買ったものはほとんどないです。義母は日系2世で日米両方の文化にこだわっている人なのでお正月にはせっせとおせち料理を作ってくれます。イベント事に無頓着な私は”みんな食べるからって別にターキー食べなくても、、、お正月って言ってもここはアメリカだし、、、”とのらりくらり。私にとっての感謝祭は義母です。いつもおいしい料理をありがとう!

チャイニーズ障害支援グループ

2006-11-20 | Weblog
チャイニーズ障害支援親の会のガラコンサートに参加しました。
1000人の観客を前にトニーは堂々とマリンバを演奏しました。フィナーレでは私がいくら練習してもできなかった中国語の歌を中国人と一緒に歌いました。「すごいねトニー、明日からチャイニーズになれるよ」と太鼓判押してやりました(笑)。このコンサートは障害児、者のための資金作りが目的で療育セミナー、職業訓練、グループホームなどに使われます。こういった資金を基に障害者のためのアパートも先月完成しました。見学に行きましたがとても静かで落ち着いた住宅街の一画に40世帯が住める2階建てのアパートが何棟もあって、集会所との間には小さな憩いの場もあり、そこにはテーブルもあってピクニックもできます。入居者はここから送迎バスで仕事場へ通っているそうです。
それにしてもこのガラコンサート、豪華な食事付きとはいえひとり60ドル。プラスかなりの寄付金が予想されるので収益は、、、、、と思わず計算してしまいました。

空手

2006-11-19 | Weblog
ケニーの空手のテストでした。
こちらでは武道がとても評価されていて”空手をやってます。黒帯持ってます”なんていう肩書きがあると大学受験の願書にまで役立つと教育熱心な親達の間では話題になっているようです。この空手がまた中途半端な日本語で笑えます。型の名前は全部日本語なんですが発音が、、、それにドジョ君、ドジョ君と言うので「ドジョ君って誰?」と聞いたら道場訓のことでした(笑)。テストの結果は2週間後だそうです。私としては肩書きのためではなくずっと続けてもらいたいのですが。

制服

2006-11-19 | Weblog
日本では制服警官の買い物が解禁になったそう。カリフォルニアでは制服を着た警官、消防士がマクドナルドでハンバーガー食べてたり、スーパーで買い物してたりする風景は日常茶飯事です。子供が言うこと聞かなかったときにお店に警官がいると”ほら、おまわりさん見てるよ”などと使えるので便利です(笑)。それとは逆ですが、子供のお迎えに学校へ運転中ずっとパトカーにつけられたことがあります。ついには子供の学校の駐車場で私の隣に着きました。私何したんだろう?あせりまくっている私の横を車から降りた警官は平然と教室に向かって歩き出し向こう側から”お父さん!”と男の子が来ました。警官が、制服で、しかもパトカーを運転して、学校に子供を迎えに来ないで欲しいと思いました(笑)。

地に足つける

2006-11-17 | Weblog
人にはそれぞれ学び方があるように、学ぶ姿勢?もあるようです。
教室でイスの端におしり半分をちょこんとのせて片足でバランスをとって座っている子や、無意識に立ってしまう子(歩き回るわけではありません)を見かけます。当事者に聞くとどちらもそのほうが集中できるとのこと。夫にこのことを話すと彼のオフィスにはコンピューターをわざわざ高い位置に設置していつも立って仕事をしている人がいるそうです。やはりそれもそのほうが集中できるからだそうです。身体のバランスが影響しているのでしょうか?そういう私もピアノを弾く時はイスを異常に低くします。そのほうが重心が前へいって弾きやすいから。学生時代はテストや演奏会のとき、私の前の人からは「イス、しっかり下げておくから」、私の後の人からは「イスの高さグーンと戻さなきゃなあ」とからかわれたものです。最近知ったのですが、あのユニークなピアニスト、グレン・グールド(自閉症らしい)もピアノのイスを極端に低くしていたそうです。これってただの変人ではなく、もしかしたら科学的根拠があるのかもしれませんね。

車へのこだわり

2006-11-17 | Weblog
マリンバのレッスンでした。
トニーがいきなり先生に”この前、奥さん見たよ”。あーまた訳わかんないこと言い出して、、、、”どこで?どうして先生の奥さんってわかったの?会ったことないのに”と私が言うと、”Moffett(夫の仕事場です)で。先生の家のガレージにあった車に乗ってたから。ブルーのホンダ シビック”。
というわけで、夫とマリンバの先生の奥さんが同じ職場だったことを発見。私達はこの偶然にびっくりでした。車にこだわりのあるトニーは誰がどんな車に乗っているのかをすべて頭に入れています。うちの近所の人の車ももちろん覚えているので、たまに見かけない車が止まっていると”誰かよそ者が来ている”と吠えます(笑)。4歳まで住んでいた日本の家に久しぶりに行ってみた時、トニーが昔私達が住んでいた家めがけて走り出し、仲良くしていたお隣の車を見るなり「マミー!車変わってる!ボルボじゃなくてベンツ!」と言いました。
こんな話は自閉症通の人にとってはめずらしいことではないと思いますが、いろいろあるこだわりのひとつです。

抽象的な言葉

2006-11-13 | Weblog
先週はカリフォルニア州の選挙で我が家にもアーノルド シュワルツネーガーやクリント イーストウッドから電話があり(もちろんテープです)にぎやかでした。

今日は日本の友達から教えていただいた僕の歩く道というテレビ番組を見ました。自閉症の男性が主人公のドラマでおもしろいです。このドラマの中でも再三言われいますが自閉症の人との会話は抽象的な言葉を使わず、短く、わかりやすくクリアにすることです。トニーは小さい時「どこに住んでいるの?」と聞かれると「家」と答えました。「その家はどこにあるの?住所は?」と聞きなおされてはじめてその質問に答えられました。学校でもボケーっとしているトニーに先生から「Wake up!(目さまして!)」と言われると「I've been up since this morning(僕は今朝からとっくに目がさめてます)」と答えて笑われたり、「みんな宿題出しましたか?」と先生が言うと”みんな”とはどこからどこまでの人達を指しているのか”みんな”の中に自分も含まれているのかがわかりませんでした。”みんな”は今でも困惑することよくあります。「早く寝なさい!もうみんな寝てるよ!」なんて言おうものなら「日本は朝なのにみんな寝てるの?」なんて答えが返ってきたりします。幸いアメリカでは個人の名前をクリアに強調するので(たとえばお礼を言う時”サンキュー”だけでなく”トニー、○○してくれてサンキュー”と言うように)ほとんどの場所では問題ありませんが、初めて行く床屋さんでは「僕、動かないで!」とか「下向いて」などの指示に必ず「トニー、動かないで!」「トニー、下向いて」と名指しをお願いします。トニーが小さいとき受けていた行動療法でとても難しかったのが所有格の使い方でした。自分の膝を指してMy knee, 相手の膝を指してYour knee、、、これは彼にとってかなりの難題でした。毎日毎日こんな経験を繰り返して私自身も抽象的な言葉を使わないように学習し、トニー自身も彼なりに実社会のルールを学んでいます。トニーが小学生の時でしたが、私が運転中にノドが乾いたので、ジュースを持っていたトニーに「お願い!トニーのジュースちょっと飲ませて!」と頼むと「No! this is mine(ダメ!これ僕のだから)」と冷たく言うので「ケチ!もうトニーなんか友達じゃない!」と怒ると「That's right! I'm not your friend I'm your son!!(その通り!僕は友達じゃなくて息子だもん)」とぬかしました(笑)。 小さいときの行動療法士が聞いたら"Good Job! Tony!(よくできました!)"と言われていたと思います。