<薩長同盟>という奇策の成立によって、江戸幕府はどうにもならない状態に追いこめられます。このままでは日本を二分する全面戦争が避けられないはずだったのです。ここで龍馬はまたも奇策中の奇策<大政奉還>を考え出します。そして弱体化した江戸幕府はこの奇策を受けざるを得なかったのです。<薩長同盟>と<大政奉還>という奇策は日本にとって国力を疲弊させることなく、明治維新へと導いたのです。
もし、あのまま全面戦争にでもなっていたら、江戸城無血開城のような奇跡が起こらず江戸が火の海になっていたら、日本人同士で殺し合いを続けていたなら、きっと清国の香港のように幾つかの都市や島が諸外国に租借されるような目に遭っていたかもしれません。だからこそ、龍馬は靖国神社に祭られることになったようです。
*下関戦争の講和の際、長州藩は四国連合側(英・仏・蘭・米)のすべての要求を受け入れるしかなかった。しかし、彦島の租借だけは断固として高杉が拒否したと、後年になってこの交渉の時に長州側の通訳をした伊藤博文が述懐している。高杉の努力によって彦島が香港のような外国の領土になるのを防いだという逸話。
幕府崩壊後、間髪入れずに成立した明治政府は、薩長の藩閥政治と云われましたが、殖産興業、富国強兵政策を強行し、近代国家へと急速な発展を遂げていきます。見事というほかはありません。龍馬が望んだ、議会制民主主義にはほど遠い展開でしたが…。この奇跡のような展開が、資本主義社会へと邁進し、後の「JAPAN IS NO.1」の礎を築いたことは云うまでもありません。世界で類を見ないほどの勤勉で忠誠心の高い日本民族の血は、264年間も続いた江戸時代の主君に尽くす武士道のDNAが根底にあったように感じてなりません。
同じ時代、アメリカでは南北戦争が起こっていました。
(American Civil War, 1861年 - 1865年)
(北部=資本主義社会、保護貿易、中央集権、奴隷制反対、共和党)
(南部=奴隷制社会、自由貿易、各州自治、奴隷制維持、民主党)
日本で云うと、北部が薩長、南部が幕府と云えます。南北戦争は北部が勝利し、日本と同じく近代国家、つまり資本主義社会へと突き進むことになります。時代が大きく変わろうとする時、司馬遼太郎はいつも「時代が、天が、役目を果たす人物を送り込む」と描いています。 リンカーンや龍馬は、奇しくも同じ役目を果たし暗殺されることになりました。アメリカと日本はそういった目で見るととても類似しているように思えてなりません。
「龍馬伝」、物語はいよいよ終盤です。今までの龍馬ドラマで私にはもっとも共感できる描き方をしています。これからの展開が分かっているだけに別れを惜しむ気持ちが高まります。弥太郎がまるで道化回し役のように描かれているのが、今までのドラマにはない展開ですが、これもまた岩崎弥太郎という人物を、幼い頃からの家族構成や周囲の環境を初めて知り得た意味で、とても有意義だったように思います。(三菱一族からはあまり良く思われていないようですが…)
もし、あのまま全面戦争にでもなっていたら、江戸城無血開城のような奇跡が起こらず江戸が火の海になっていたら、日本人同士で殺し合いを続けていたなら、きっと清国の香港のように幾つかの都市や島が諸外国に租借されるような目に遭っていたかもしれません。だからこそ、龍馬は靖国神社に祭られることになったようです。
*下関戦争の講和の際、長州藩は四国連合側(英・仏・蘭・米)のすべての要求を受け入れるしかなかった。しかし、彦島の租借だけは断固として高杉が拒否したと、後年になってこの交渉の時に長州側の通訳をした伊藤博文が述懐している。高杉の努力によって彦島が香港のような外国の領土になるのを防いだという逸話。
幕府崩壊後、間髪入れずに成立した明治政府は、薩長の藩閥政治と云われましたが、殖産興業、富国強兵政策を強行し、近代国家へと急速な発展を遂げていきます。見事というほかはありません。龍馬が望んだ、議会制民主主義にはほど遠い展開でしたが…。この奇跡のような展開が、資本主義社会へと邁進し、後の「JAPAN IS NO.1」の礎を築いたことは云うまでもありません。世界で類を見ないほどの勤勉で忠誠心の高い日本民族の血は、264年間も続いた江戸時代の主君に尽くす武士道のDNAが根底にあったように感じてなりません。
同じ時代、アメリカでは南北戦争が起こっていました。
(American Civil War, 1861年 - 1865年)
(北部=資本主義社会、保護貿易、中央集権、奴隷制反対、共和党)
(南部=奴隷制社会、自由貿易、各州自治、奴隷制維持、民主党)
日本で云うと、北部が薩長、南部が幕府と云えます。南北戦争は北部が勝利し、日本と同じく近代国家、つまり資本主義社会へと突き進むことになります。時代が大きく変わろうとする時、司馬遼太郎はいつも「時代が、天が、役目を果たす人物を送り込む」と描いています。 リンカーンや龍馬は、奇しくも同じ役目を果たし暗殺されることになりました。アメリカと日本はそういった目で見るととても類似しているように思えてなりません。
「龍馬伝」、物語はいよいよ終盤です。今までの龍馬ドラマで私にはもっとも共感できる描き方をしています。これからの展開が分かっているだけに別れを惜しむ気持ちが高まります。弥太郎がまるで道化回し役のように描かれているのが、今までのドラマにはない展開ですが、これもまた岩崎弥太郎という人物を、幼い頃からの家族構成や周囲の環境を初めて知り得た意味で、とても有意義だったように思います。(三菱一族からはあまり良く思われていないようですが…)