2015年、圭の最初のグランドスラム、全豪オープンが終わりました。圭は第1セットから攻撃しようしていたにも関わらず、守りに入ってしまいました。そして徐々に自信を消失していった、私にはそんなテニスに見えました。テニスの戦いは、相撲と同じく体と体、メンタルとメンタルの激突です。パワーをお互いに受け止めるパワー対パワーの戦いです。自分との戦いであるゴルフとはここが大きく違います。
第1セット、圭のファーストサーブや体の切れはイマイチでした。先制攻撃をしかけるバウリンカのパワー溢れるストローク、強烈なバックハンドを圭は必死に受け止めるしかありませんでした。3回戦のスティーブ・ジョンソンとの戦いで第1セットを失いながら、その後のセットをいとも簡単に6−1、6−2、6−3で勝利しました。今日も「受け止めながら勝機を見いだす」という作戦を取らざるをえなかったのです。しかし、バウリンカには熱い決意がありました。昨年の全米で圭に逆転負け<3-6、7-5、7-6(9-7)、6-7(5-7)、6-4>したことが本当に悔しかったのでしょう。Total points wonではバウリンカが181-177と圭を上回っていただけに、「今回は絶対に負けられない」という熱いリベンジ魂が、最後まで燃え上がっていました。
圭が時々見せる親指を立てて相手のショットを褒めるシーンは1度もありませんでした。このことについて松岡修造氏は「自分のテニスができない圭は、相手のスーパーショットを褒め称える心の余裕がなかったため」と語っていました。
第3セット、圭はストローク戦を避けてサーブ&ボレーを多用しました。それは最後までパワー溢れるバウリンカに今日は対抗できないと感じたに違いありません。その圭のメンタルの揺らぎが、完敗した最大の要因となりました。圭の負け方は、4回戦の得意のストローク戦を避けたフェレールの負け方と酷似していたように感じました。調子が上がってこないときの戦い方についてたくさんの収穫があった大会になったはずです。全仏までにしっかり修正して欲しいと思います。
<バウリンカ-圭戦のスタッツ>
・Aces 20-6
・1st serves in 57/91 (63 %)-58/94 (62 %)
・1st serve points won 49/57 (86 %)-43/58 (74 %)
・2nd serve points won 18/34 (53 %)-18/36 (50 %)
・Net points won 11/13 (85 %)-16/27 (59 %)
・Receiving points won 33/94 (35 %)-24/91 (26 %)
・Winners 46-23
・Unforced errors 34-31
・Total points won 100-85
圭が上回る数字は一つもありません。最も差があるのが、46-23のWinnersです。まさにバウリンカはどのショットでも圭を圧倒し、Total points wonでも100-85と大差がついたのです。まさしく圭の完敗でした。