wowowで録画していた全仏でのクルム伊達のテニスを見始めた。
あっという間に第1セット、サフィーナ相手に0-5となる。
右足のテーピングが気になるが「無理かな」と思えた。
次のゲームようやく自分のサービスゲームをキープした。
昨年度ランキングNO.1を維持していたが、今期は9位、
普通では72位の伊達が勝てる相手ではない。
しかし、次のゲームからサフィーナのサービスが入らなくなってきた。
甘いボールでは伊達のライジンショットが早いボールが返ってくるからか。
伊達のリターンボールは常にバックラインぎりぎりに必死に打ってくるように見えた。
たとえ何度バックラインを超えようとバックラインぎりぎりに打つことを
決して止めようとしなかった。
何度か伊達のテニスは見てきたが、私には伊達の戦略のように思えた。
打ち返すボールのコースを変えるのは伊達の方がいつも早く思えた。
「攻撃的テニスをたとえ何度ミスしようが最後までやり続ける」
これは最大で唯一の戦略と思えた。
日記で何度か書いてきたシャラポアのテニスを思い出した。
私が彼女が好きな最大の要因はいついかなるときも攻撃的テニスを
悲壮感を感じさせるくらいにやり尽くすスタイルだ。
そんな攻撃的テニスを伊達はその後も続けた。
第2セット、なんと伊達は6-4でランキング9位のサフィーナに打ち勝った。
伊達のライジングがサフィーナにプレッシャーを与えているのだ。
サフィーナのダブルフォルトを誘発させたのだ。
第3セットもサフィーナが先行し、ようやく伊達がブレークして2-4の時、
右足の痛みに耐えかねてゲーム途中でなんとメディカルタイムを取った。
こんな途中でのタイムは見たことがない。
とても痛そうに見えた。
しかし、ゲームを捨てることなく、
しかも奥へ、奥へと打ち続けた。
そして、ランキング9位のサフィーナをほとんとネットプレーをさせなかった。
その足の痛みに顔をしかめる伊達の表情は一度もなかった。
最後まで勇気ある攻撃的テニスをし続け、
サフィーナはダブルフォルトを連発して一回戦で姿を消した。
最後のショットはサフィーナのアンフォーストエラーで終わった。
そして、39歳の伊達はまるで少女のように笑顔で叫んだ。
「やったぁ!」
レーサーのミハエルとフェンスごしにキスを交わした二人。
頬を伝った伊達の涙を右手の指で拭って勝利を二人で喜んでいた。
あんな微笑ましいシーンをテニスのグランドスラム大会で見たことはない。
右足を庇いながらもグランドスラム2回戦まで進出した
勇気あるクルム伊達を心から賞賛したいと思います。
(錦織 圭)
錦織圭の良さはウィニングショットの多さと云えるかもしれない。追い詰められた瞬間にあんなショットをよく放てるな。あんな思いっきりの良いフォアーを強打できるな。そんなことを感じさせる多彩なショット、精神的強さ、予想を超える攻撃的テニススタイルにある。
全仏2回戦、錦織対ジョコビッチ
第1セットは1-6で負けてはいたが、錦織とジョコビッチのストロークは決して大きな差はなかった。錦織は多彩なショットを放ったがジョコビッチはドロップショット3本を100%成功させ、流れを自分のものにした。第2セットはジョコビッチはドロップショットを何度も打ったが錦織はそれを読んでいて走って取りに行きポイントにした。経験をゲームの中で活かしたのだ。なかなか出来ないことだ。第2セットはウィナーは錦織が13、ジョコビット9だったが、勝負は4-6でジョコビッチだった。普通は逆になる。勝者なのにウィナーが少ないことなどほとんどないことなのだ。
1回戦ではウィナーが数が錦織46、フェデラー23、ジョコビッチ34、ナダル20だった。この数字だけでも素晴らしいものを持っていると言える。しかし、今回もジョコビッチに2セットを取られたのは、取らなければいけないポイントでジョコビッチはきっちりとギアを入れ替えることができる集中力を持っているからだ。わかりやすく云えばファーストサーブをしっかりと入れられる、アンフォーストエラーが少なくなるということだ。
第2セット、錦織はブレイクされたが、後半にはじめてジョコビッチのサーブをブレイクした。その直後のジョコビッチの本気モードは素晴らしいものがあった。すぐに錦織のゲームをブレイクし6-4でセットを取った。これがランキングNO.3と云える。
第3セット、最初に錦織はサービスをブレイクされたが、すぐにジョコビッチのサービスをブレイクバックした。ジョコビッチの集中力が少し切れかかっているように見えた。肩で息をするジョコビッチの姿が気にかかった。第5ゲームが終わった結果ではウィナーとアンフォーストエラーの数は、錦織22、18、ジョコビッチ18、21。この数字では錦織が完全に勝っていたが、勝負はイーブン。このあたり、ジョコビッチの巧さが光る。
見ていて気づいたのだが、体勢がくずれていてもジョコビッチのようなランキング上位の選手は、きっちりとコートの内側に入れてくる。錦織はとても姿勢のいい選手、フットワークもいいものがある。だからこそ打点までくれば素晴らしいショットが放てるが、一歩足りない崩れた姿勢でのショットがコートの内側に落ちないのだ。ジョコビッチはチャンスが来たとき、彼よりミスが少なかった。この差が勝敗を分けたのだ。
試合結果は1-6、4-6,4-6、錦織のストレート負けだった。しかし、ジョコビッチ相手に32本のウィナーを取ったのだ。このことは素直に喜びたい。第2セット、第3セットは錦織がゲームを支配していたかに見えたが、決めなくてはならないショットがあと1本が足りなかった。
観客をいつの間にか味方に付けてしまう魅せられる技量を持っている錦織選手には、何かの天分を持っていると感じる。何かの天分とは、日本人初の男子ベスト10入りの力と云いたい。そんな素晴らしい期待を抱かせる試合だった。頑張れ、錦織選手!
あっという間に第1セット、サフィーナ相手に0-5となる。
右足のテーピングが気になるが「無理かな」と思えた。
次のゲームようやく自分のサービスゲームをキープした。
昨年度ランキングNO.1を維持していたが、今期は9位、
普通では72位の伊達が勝てる相手ではない。
しかし、次のゲームからサフィーナのサービスが入らなくなってきた。
甘いボールでは伊達のライジンショットが早いボールが返ってくるからか。
伊達のリターンボールは常にバックラインぎりぎりに必死に打ってくるように見えた。
たとえ何度バックラインを超えようとバックラインぎりぎりに打つことを
決して止めようとしなかった。
何度か伊達のテニスは見てきたが、私には伊達の戦略のように思えた。
打ち返すボールのコースを変えるのは伊達の方がいつも早く思えた。
「攻撃的テニスをたとえ何度ミスしようが最後までやり続ける」
これは最大で唯一の戦略と思えた。
日記で何度か書いてきたシャラポアのテニスを思い出した。
私が彼女が好きな最大の要因はいついかなるときも攻撃的テニスを
悲壮感を感じさせるくらいにやり尽くすスタイルだ。
そんな攻撃的テニスを伊達はその後も続けた。
第2セット、なんと伊達は6-4でランキング9位のサフィーナに打ち勝った。
伊達のライジングがサフィーナにプレッシャーを与えているのだ。
サフィーナのダブルフォルトを誘発させたのだ。
第3セットもサフィーナが先行し、ようやく伊達がブレークして2-4の時、
右足の痛みに耐えかねてゲーム途中でなんとメディカルタイムを取った。
こんな途中でのタイムは見たことがない。
とても痛そうに見えた。
しかし、ゲームを捨てることなく、
しかも奥へ、奥へと打ち続けた。
そして、ランキング9位のサフィーナをほとんとネットプレーをさせなかった。
その足の痛みに顔をしかめる伊達の表情は一度もなかった。
最後まで勇気ある攻撃的テニスをし続け、
サフィーナはダブルフォルトを連発して一回戦で姿を消した。
最後のショットはサフィーナのアンフォーストエラーで終わった。
そして、39歳の伊達はまるで少女のように笑顔で叫んだ。
「やったぁ!」
レーサーのミハエルとフェンスごしにキスを交わした二人。
頬を伝った伊達の涙を右手の指で拭って勝利を二人で喜んでいた。
あんな微笑ましいシーンをテニスのグランドスラム大会で見たことはない。
右足を庇いながらもグランドスラム2回戦まで進出した
勇気あるクルム伊達を心から賞賛したいと思います。
(錦織 圭)
錦織圭の良さはウィニングショットの多さと云えるかもしれない。追い詰められた瞬間にあんなショットをよく放てるな。あんな思いっきりの良いフォアーを強打できるな。そんなことを感じさせる多彩なショット、精神的強さ、予想を超える攻撃的テニススタイルにある。
全仏2回戦、錦織対ジョコビッチ
第1セットは1-6で負けてはいたが、錦織とジョコビッチのストロークは決して大きな差はなかった。錦織は多彩なショットを放ったがジョコビッチはドロップショット3本を100%成功させ、流れを自分のものにした。第2セットはジョコビッチはドロップショットを何度も打ったが錦織はそれを読んでいて走って取りに行きポイントにした。経験をゲームの中で活かしたのだ。なかなか出来ないことだ。第2セットはウィナーは錦織が13、ジョコビット9だったが、勝負は4-6でジョコビッチだった。普通は逆になる。勝者なのにウィナーが少ないことなどほとんどないことなのだ。
1回戦ではウィナーが数が錦織46、フェデラー23、ジョコビッチ34、ナダル20だった。この数字だけでも素晴らしいものを持っていると言える。しかし、今回もジョコビッチに2セットを取られたのは、取らなければいけないポイントでジョコビッチはきっちりとギアを入れ替えることができる集中力を持っているからだ。わかりやすく云えばファーストサーブをしっかりと入れられる、アンフォーストエラーが少なくなるということだ。
第2セット、錦織はブレイクされたが、後半にはじめてジョコビッチのサーブをブレイクした。その直後のジョコビッチの本気モードは素晴らしいものがあった。すぐに錦織のゲームをブレイクし6-4でセットを取った。これがランキングNO.3と云える。
第3セット、最初に錦織はサービスをブレイクされたが、すぐにジョコビッチのサービスをブレイクバックした。ジョコビッチの集中力が少し切れかかっているように見えた。肩で息をするジョコビッチの姿が気にかかった。第5ゲームが終わった結果ではウィナーとアンフォーストエラーの数は、錦織22、18、ジョコビッチ18、21。この数字では錦織が完全に勝っていたが、勝負はイーブン。このあたり、ジョコビッチの巧さが光る。
見ていて気づいたのだが、体勢がくずれていてもジョコビッチのようなランキング上位の選手は、きっちりとコートの内側に入れてくる。錦織はとても姿勢のいい選手、フットワークもいいものがある。だからこそ打点までくれば素晴らしいショットが放てるが、一歩足りない崩れた姿勢でのショットがコートの内側に落ちないのだ。ジョコビッチはチャンスが来たとき、彼よりミスが少なかった。この差が勝敗を分けたのだ。
試合結果は1-6、4-6,4-6、錦織のストレート負けだった。しかし、ジョコビッチ相手に32本のウィナーを取ったのだ。このことは素直に喜びたい。第2セット、第3セットは錦織がゲームを支配していたかに見えたが、決めなくてはならないショットがあと1本が足りなかった。
観客をいつの間にか味方に付けてしまう魅せられる技量を持っている錦織選手には、何かの天分を持っていると感じる。何かの天分とは、日本人初の男子ベスト10入りの力と云いたい。そんな素晴らしい期待を抱かせる試合だった。頑張れ、錦織選手!