月例とは月1回、ゴルフ場で行うメンバーだけの競技大会の事。年12回行われ、12月には優勝者だけが集まって、その年のグランドチャンピオンを決める大会がある。この優勝が、どのゴルフ場でも最も権勢がある。その他、ゴルフ場によって初夢杯とか開場記念杯とかサマーカップ、シルバー杯、忘年会杯など様々な呼び名で競技が会員中心に行われている。
私は平成2年10月の途中入社だが、タイガーズGCは平成7年6月4日に開場した。最初の所属は阪○電○の不動産事業部ビル経営部で、その頃毎年2回ほどゴルフコンペが行われていた。当初、タイガースGCはなかったので有馬カントリー倶楽部で開催されていた。ビル経営部で確か2回、タイガースGCが開場してからは不動産レジャー事業部で1回優勝した。親父がまだ元気な頃は商店街も元気があり、毎月コンペを開催していた。そこでは5回以上優勝して、なんとハンデが2になってしまった記憶がある。現在私はタイガースGCではハンデ19.7のBクラス(ハンデ18以下がクラス)。クラブハウスの2Fの壁には、ハンデごとに全メンバーの名札が飾られている。名誉会員の真弓明信元阪神タイガース監督はハンデ1の欄にある。とにかく入社以来、日曜日に休んでゴルフした記憶など一度もない。退職が決まったので、2回くらいは参加してもいいだろうと、人生初の月例参加となった。
風の強い小雪舞う激寒での月例会となった本日の結果は、OUT-51(16)、IN-48(17)の99(33)、ネットで79.3だった。()の中はパット数。成績はBクラスの4位だった。A(16名)、B(13名)クラス合わせて29名。パーは3回、バーディ1回。OB4発、これがいけなかった。数日前に突然編み出した新スウィングで14回ティショットをドライバーで放ったが、4回がOBとなった。その他2回のミスがあり、成功が6回(ほとんど真芯)。よってフェアウェイキープ率は42.9%ということになる。こんな仮の話をしてもしかたないが、もしOBが1つなら優勝していたことになる。(優勝者のネット74.1)
右手を少しかぶせ気味にグリップして左腕をしっかり伸ばす新スィングを、月例のような超本番で試してしまう自分の勇気、いや無謀・愚かさを「まだ若いなぁ」と自分で苦笑いしてしまった。しかし、今までと違うのは、途中で元のスウィングに戻さなかった点だ。ここが今までと全く違う。自分の練習成果を信じたことがその後の改造定着につながると思えたのだ。
何度か日記で書いてきたが、今回パターと寄せの成果は目を見張るものがあった。1パットが4回もあり、おかげでバーディも1回取れたのだ。3パットは1回だけだった。この1回が今日最大の反省点となった。
17番の174ヤード・パー3、池越えのアゲィストの風に向かって7番ウッドで打ったイエローカラーボールは、見事ピンから6m手前に落ちた。他の二人も3m、10mにナイスオンした。こんな風の中、しかも170ヤード以上あるショートホールに3人とも乗るのは滅多にないとキャディさんも驚いていた。他の二人は2パットのパーだったが、私だけ3パットしてしまったのだ。
残り80cmでマークしようとしたが、最も近い人のラインの邪魔になりそうだったので、「お先に!」と少し急いで打ってしまったのだ。(いけない!)と心でイエローカードが出ていた。こんな失敗は過去にも何度もある。多くのゴルファーはこの気持ちをきっと共感できるはずだ。短い1m以内のパットを左に引っかけるミスだ。パーを取れなかった悔しさではない。イエローカードに気づいていたのに無視した自分が許せないからだ。
もう一つ大きなミスを思い出した。355ヤードの16番。ティーショットは220ヤード。キャディさんが「残り125ヤードです」と云った言葉を信じて9アイアンを握ったことだ。ピンに真っ直ぐのナイスショットだった。しかし、結果は8ヤードほどグリーンに足りなかった。打ち終わってからすぐそばの排水溝に残り133ヤードと記されていたのに気づいた。それに目が届かなかった。(周囲に目が届いていない) ポケットに入っているショットナビで距離をチェックしたらセンターまで135ヤードと液晶盤に映った。これもチェックしなかった。何のためにポケットにいれているのか。とても気さくないいキャディさんだったが、アドバイスはあくまでアドバイスとして受け止め、最終は自己判断・自己責任がゴルフというスポーツの最も大切な点の一つだ。いつもいいキャディがいるわけではないのだ。自己判断を磨かずして上達などありえないのだ。
バンカーからの50ヤードショットもピンそば1mにつけられたし、その他の寄せでもダフリやトップもなく、ほとんど合格点だ。新スウィングのおかげで、ウッドは3番も7番も同じグリップ・同じスウィングでミスなく打てた経験は、大きな自信となった。ドライバーでの4回のOBも原因がはっきりしていた。左腕が伸びていない事、体重移動が早すぎた事だ。(ミスを恐れずやり続けた成果と云える)
初めて回る人達だったが、緊張することなくとても楽しいゴルフができた。神奈川湘南の鵠沼海岸に住んでいた頃、鎌倉カントリークラブに飛び込みで行き、3名でプレーされる方々に「ご一緒にプレーさせて戴けませんか?」という大胆な事としていた経験が今回も生きていたように思う。来月の月例にも参加する予定だ。
ゴルフは私の若さを保つ最大の要因の一つだ。自分の技を磨き、その成果による自信、そして、より動じない精神の構築は、次なる高みへのエネルギーに昇華する。これが老化を防いでいると信じている。何でもかんでも次なる高みへと自分を導くのは不可能な事。時間も体力を知力も財力も限りがある。一つでいい。一つだけでいいから次なる高みへ挑戦できることを見つけよう。長崎旅行を終えてこんなことを思うようになった。
人生という旅は何処かにたどり着く旅ではなく
自分にとって大切な何かと出会う旅ではないでしょうか
だから目的地に着かなくても許されるのではないか
高校の親友のハッピースプリングさんが
20周年ライブコンサートでこんなことを述べていた
「もしレイニーブルーに参加していなかったら、どんなにつまらない人生だったか」
私は大学時代に恭央という親友に出会えたこと
人生の連れ添いに出会えたこと
息子に出会えたこと
いまだに続く先輩や親友達と出会えたこと
そして、かけがえのないゴルフというスポーツに出会えたこと
これらの出会いが私の人生の旅をとても有意義にしていると感じている