今年収穫した朝顔の種です。蒔いた50粒と比べるとその何十倍もの収穫量です。しかし、過去2回の量と比較すると、異常な暑さが祟ったのか、今年は半分ほどしかありません。それでも何十倍です。身をすり減らすような努力をしても、なかなか報われない人の世とは随分かけ離れているかもしれません。でも30年も前に一緒に働いたレストランスタッフの同窓会が存在する、こんなことがあるのも人の世ならではありませんか。
『ウサギとカメ』のカメ君は、始めからウサギに勝とうなんてきっと思っていなかったはず。ウサちゃんがカメ君が行こうとしていた目的地をゴールにしてくれたから勝負を受けたのでしょう。ゴールには少し早く着いたかもしれないけど、カメ君は退屈で長い道のりをウサちゃんと一緒に歩むことができたことをきっと喜んでいたはず。
同窓会に参加したスタッフのほとんどが50歳前後。その50年の人生のわずか数年間、数ヶ月一緒に働いた仲間と会いたいと思う熱い気持ちによって実現した同窓会でした。私はまさに奇跡と呼びたい。彼らは青春の真っ直中で共感し合い、喜び合ったその実感が今もしっかりと胸に残っているからこそ、遠い所からも集まることができたのでしょう。私にとっても輝くような2年間でしたが、スタッフのみんなにとっては青春のかけがえのない1ページだったに違いありません。人生は誰かとの勝負ではなく、長いようで短い人生を誰と歩むのかが大切なのではないか、と最近つくづく思っています。