楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

ちらかりの海

2006-11-16 13:24:23 | 教育
昨日、というか今朝。
昨日のかみなりセミナーの後、言い過ぎたかな、という不安を抱えている時に、8時半過ぎ、突然電話が鳴る。なんだこんな遅くに大学へ。また人が死んだか? ではなく、千島列島で大きな地震だという。あるマスコミからであった。そして別な電話も鳴る。セミナー後対応で、院生と話し合っている最中のぐちゃぐちゃの一瞬である。でも1時間ほどで事態が落ち着く。
ふう、と一息ついて、部屋にあるお土産フランスワインを開封。「うまい、これ!」そして、もう11時半。帰るのが面倒くさい、というかとても走って終電を捕まえる気力がない。そこで、院生に「お前のところに泊めろ」「いえいえ、きたない」「そんなの分かっとる」「でも掃除がー」「俺だって学生の時は、ゴミの中に住んでいた、全然気にならない」「お前たちの先輩の、今はさる四国の大学の助手も汚さでは相当なものだった、大丈夫、大丈夫」「でもでもーー」
「るせー、とやかくいうな!」
本当に汚い。<これで掃除した?>と心の中でつぶやく。「はやく彼女を見つけなさい、そして家デートしなさい。いやでもきれいになる」。
冷蔵庫はお酒でいっぱい!濁り酒を飲んで、馬鹿話をして、ちらかりの海で、泥のように眠る。そして、今は昼。今日は5時から、アメリカへ帰る研究者のために、夜、さよなら飲み会。今日は絶対飲まないぞ!for my health.

誰か、この部屋を、掃除してくれる人はいないかな~~
(本人の名誉のために、セピア色に加工してあります)
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かみなりセミナー

2006-11-16 13:11:11 | 教育
昨日は、いろいろなことがあった。
 1つは教授会。大変画期的なのは、図書に私書箱を設けて、そこで個人の論文はもちろん、講演要旨に至るまで、外からアクセスでき、公開できるようにするという。これまで、それらは全て個人が管理して来たが、それを図書がやるという。著作権問題もclearできたという。
 2つめはセミナー。1つは学生の外国での面接対策の練習。本人の真剣さが伝わってくる。大きな声で、はきはきと。全人生の1点をそこへ集中、されば道は開かれん。もし駄目でも悔いなし。得るものはとてつもなく大きいはずである。自然体、それが一番。
 セミナーの後半。アメリカ学会準備。思わず声を荒げてしまった。私は心の中で、どこまで言おうか、どうしようか考えた。しかし、その子のためにも、あえて言うことにした。一生懸命頑張っているのはよくわかる。コメントの最大のポイントは「時をよんでくれ」ということである。押し寄せている時の流れは激流である。そこを泳ぎきるには強いこころが必要である。
 人生とは、研究とはスポーツと同じではないかと時々思う。
この間、さまざまな国際スポーツ、とくに感動的な女子スポーツがあった。国際フィギア、安藤、村主。人々の期待、重圧。刻々と迫る本番。安藤は前回オリンピックの賭けに失敗し、再起を賭けた。村主、韓国の浅田といわれる若い韓国の選手を前に、技もエレガンスも劣るやに見える。しかし、経験からくる自然体で最後には前へ出た。

日本女子バレー。対セルビアモンテネグロ戦。2セットとられた後の大逆転。一糸乱れぬ調和によってもぎ取った勝利。そこでも繊細な空気の流れを読み、時を読み、自然体の緊張で前へすすむ感動のドラマがあった。
研究も同じである。時の流れを読んで、自分の思いを押し出せたとき、「大きな一歩前」がある。「逆流に打ち勝て、自然体で、流れを順風に変えよ!」その鍵は「時の流れ」を読むことである。「時の流れに身を任せ」という歌のようなことも、ときには必要。でもそれが心地よいのは穏やかな流れのときである。
「時の流れ」を読むことができれば、どんなところでも生きていける。
 苦しいけれど、歯を食いしばってみよう。必ず「これだ!」という時が訪れる。
ここでも、自然体になるまで、磨いて磨いて。
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マスプロ授業不眠術

2006-11-13 23:03:41 | 教育
先週お約束のマスプロ授業不眠術。
今日の工夫。
1)まず出席簿に名前を記入させる。前から、順次記入している。
だいたい眠るのは後ろ。
2)眠りだした頃を見計らって、名前を見て、後ろの方の名に、ごくごく簡単な質問を出す。

決まりきった答えではなく、「君なら、どうする?」質問。
全うな答えは、とりあえず褒める「君すごい!」そしてさらにつっこむ。
その際、席の近くまで行く。
「ところで、こんな時は?」と会話に持ち込む。「おー!すごいすごい!」
そして、別な質問を別な人間にふる。
ちょっとはずれた答えでも、「違う!」などと絶対に言ってはいけない。
その答えは、違う問題に使えるな。「君、それっていま話題になってる。未来の科学に使える!」
などと褒めちぎり、そしてさらに突っ込む。
<おー!かなりの学生が目を覚ましはじめたぞ。しめしめ。>
起きたところで、ちょっと話題をそらしたジョークを。
なんてやっていたら、90分が過ぎていた。5分オーバーで終了。
これってほとんど芸人の世界だね。
でも楽しいね。こうやってコンパにでも突入すれば最高だが、相手は未成年が多い。昨今、それすらうるさいからね。
未成年を相手にコンパを奨励するとは何事かと。へたすると親が飛んでくる。
なんて時代だ!本当に、世も末だ。
<ドイツを見よ。こどもだってビールは飲んでる。>
なんてね。キャンパスに出て、一息つく。オー秋の空だ。

また来週のための準備をしなくては。

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博士/発表会

2006-11-11 07:20:23 | 教育
 今週は本当に激烈であった。科学研究費の申請作成のために徹夜の連続。学術振興会は申請方式の電子化を行ったため、申請する方もてんやわんや。大学側もうろうろ。ほとんどは中身に関わらない細事で時間を取られる。その間にD論の発表会。私は関係するところしか残念ながら聞くことが出来なかった。1件は寝てしまった。発表時間と質疑を含めて一人、1時間。徹夜明けであったのでふらふらになりながら駆けつけた。
 1つは最高に面白かった。確かに、もうちょっと整理するとわかりやすかったという印象はある。しかし面白かった。眠気が一気に飛んだ。そして後で驚いた。彼はこの4日に母が亡くなったという。そして本人は今日のためにほとんど準備できなかったと、発表後聞いた。しかし、本人が実によく考えていることが目一杯わかる1時間であった。母の命の途切れた日に、さる研究職への内定通知が届いたという。私はそれを聞いたとき思わず胸がいっぱいになった。発表後、彼は急ぎ、実家へ帰っていった。私は、彼はすでに自立している、と確信した、書き上げれば今でもすぐに博士である。
 もう1件は、かなり寝てしまった。聞きたい、と心は叫んでも、体が反応しない。うとうとしながら、<そこはどうして、ここはどうして>自分が聞いている。発表後、眠った部分があり、少々ピンがぼけるかと不安ではあったが、質問をした。すると、驚くべきことに、指導教員が答える。<なんだこれは!> また違った質問をする、また別の指導教員が答える。
私は心の中で<違うだろそれ、答えるのはあんたたちじゃない!発表した彼だ!だってこの発表会って、D論を書いてもいいかどうかを決める会議だろ!あんたたちが答えたら判断できないじゃないかい?きちんと教育を考えてくれ。彼を一人前の博士にすることが目的だろ!ここは学会発表の場と違うだろう?> 私は彼の審査委員の一人として、書き上げた後の審査会で、彼は本当にきらりと光る、自分独自のメッセージがあるかどうか、真剣に見たいと思う。
 眠ることも出来ないほどに、皆、真剣にこの場へ望んだはずである。必ず本人が最も強調したいメッセージがあるはずである。<ここが一番面白かったんだ!>とのこだわり。私はそれを聞きたい。指導教員がおもしろがるところと一致すればなんの問題もない。大いに盛り上がって、前へすすめる。教員を利用できる。しかし、その場合でも指導教員が前へでちゃいかんね。ほんとに。
 でも自分のものは他のところかもしれない。自分にこだわり、自分の一番面白かったところが自分独自のメッセージとして人に伝わった時、あなたは博士なのです。もう人の手助けなく生きていける、一人前の研究者なのです。一人前の免許として博士の学位はある。一人前であるかどうかの判定をさせてくれ。といいたい。
 シンプルにあなたのメッセージを聞かせてくれ。
博士の発表会は恋のうち開けと同じ。ストレートに明解にただ本質的なことをすなおに。ただそれだけ。でもちっと論理的に起承転結を。
さて、今日は土曜だが朝から学会の会議だ。さて次なる問題は何かな?またきっと、細事でゴテゴテするかな?
今日のモットー。いらつくな。
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マスプロ90分X2の講義

2006-11-07 01:32:04 | 教育
今週から毎月曜日午後、90分ものマスプロ講義2回。
 若い時は一日3回でも平気であったが、年をとると重労働である。声も枯れてしまう。でもそれを支えるのは真剣に聞いている学生の姿。1年生は新鮮。まだこどものあどけなさが残る。専門に入った2年生は一層真剣。なかなか頼もしい限りである。
 後ろの方の席は寝ているものがいるが、前の方に座っている学生はなかなか積極的に質問などもしてくる。そういえば、私も学生の頃、真剣に聞こうという時は前の席へ、必死にノートを取り、はさみと糊を持ち込み、プリントは話に応じて切り取り、その横にメモをしまくったものだ。質問項目が出来ることがうれしく、それに真剣に答えてくれる教授の姿に感謝したものだ。講義が終わり、充実したノートは宝物となり、大学院へ進んでからもしばらくは知りたいときに使う材料となった。でもいい加減な時は後ろの席へ。あたかも今の教授会に出席する時の私のように。
 いずれにしろ、前へ前へと押し出してくる若者の姿は凛々しく、すばらしい!後ろで寝ている学生もきっと真剣なものを見つけた時にそうなるであろう。残念だが、今は寝るに任せよ、しかない。高校生じゃあるまいし、怒って、むち打って、起こしてもしゃーない。
 でも、「君たち、君のその惰眠のために親はいくら払っているか知ってる?90分寝ると5千円程度消えていくのだよ」「5千円稼ぐって大変だよ。アルバイトでいいとこで働いたって、1日、目一杯せいぜい1万円だろ?」っていいたい。キャンパスに「授業料値上げ反対!」て看板があったが、むなしい。そんな運動盛り上がるはずなし、と思う。
 私も、最近は<寝るのは、講義する側にも問題あり>、というので授業の準備はまじめにしており、授業を始めたら目一杯真剣に伝えようと思っている。講義はする側もされる側も一期一会。でも、<起きろ!>なんて、疲れるから言わないけどね。せっかく真剣に準備したのに残念ではある。<こんなに面白いのにね、もったいない>とは思う。
 てな、わけで人数の多い授業では、どこにでもある大学の風景でした。こんどの授業では何人、寝ているか、数えてみよう。
そして、彼らを怒らずに、くすぐりでもして起こす秘策も携えてーー。
 <うん!これは面白いかも!> 
 <え、何?>
 <ひ・み・つ>
来週、報告します!
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