楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

科学情報の海の背後に忍ぶもの

2024-11-20 07:22:45 | 科学

しつこく科学論文を読み書きしているが、整理アプリ更新ごとに金払えのEndnoteはやめて、それらの整理に無料のアプリZoteroを使い始めている。検索や論文コピー時間をいかに節約するかが死活的で、現役は大変だと実感する。昔はもっとのんびりしていた。
Google Scholar と直結し、紙媒体なしのpdfで保存し、そこにメモっている。膨大な紙コピーは、捨てるが論文は残り、書棚が空く。ファイル分類自由自在。
このシステムを使うと科学ジャーナルをめぐる国際流通システム情勢が見えてくる。オランダの巨大Elsevier のジャーナルは、直結できなくなっている。Googleの世界戦略だろう。
Elsevier vs 他の国際ジャーナル間の確執に地政が見えてくる。Elsevierのジャーナルは中国が丸抱えとなって久しく、欧米では契約しない大学や研究機関が多い。査読過程不信もそこに重なっている。
毎日膨大に発行される論文。その出版の海をいかに泳いで独創の成果をあげるか、情報流通システム対応の難しさは隔世の感だ。 「図書で静かにのんびり」の時代は遠い昔。
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死ぬまで研究

2024-09-24 07:26:43 | 科学
研究とは、人類にとっての未解明の問題をめ、新しい事実を発見すること。

出発点は、自分にとっての疑問だ。
地球科学をやっていると、地球のどこにでも通用する一般解を求めることが目的ではあるが、地域や時代を限った特殊解から出発する、帰納法的方法を私は採用している。

観察・観測からの出発だ。
歳をとり、経験を重ねると、新しい発見だ、との直感が働く。

その興奮を磨き研ぐのだ。

南海トラフ五百万年
それが今の私の毎日の集中課題。
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研究のレビュー不足

2021-03-05 04:21:36 | 科学

研究のレビュー不足

 今日の記事は珍しく少々の不満を述べる。若者の研究発表を見るとprevious studies のレビュー不足が目に余る。既に発見されている現象が引用、レビューもなく自分の発見の様に報告する。何度も議論され、決着済みの問題を蒸し返し、自分が初めて決着したかのように報告する。地球科学は一般論に加え「地域」と言う問題を伴うが、地域が異なれば他地域での同じ現象の研究を無視していいというわけにはいかない。

 ツッコミどころが満載で質問する気にもならない。卒業論文ならまだしも、修士論文や博士論文ではディフェンスに通らないだろう。大昔でさえ、卒業論文では関連論文20編は読め、修士論文では100編は読め, 博士論文では関連全ての読むのが理想だと言われていた。もちろん容易ではない。が、肝は発見・発明とは何かを知れという意味だ。

 発見・発明は主観ではなく客観的でなければならないと言うことである。目の前の専門家聴衆や専門家読者に「聞いたことがある」とか「読んだことがある」とか判定されてはいけないのである。SNSやウケ狙いマス・ミニコミだけで発表しても駄目なのである。それを判定するために研究は最終的には査読制度を持つ科学雑誌に発表されなければ発見も発明も客観化されないと言うルールが出来上がっているのである。ルネサンス以来の知的先取権をめぐる繰り返されたバトルの結果の人類の知恵である。

 学生がそのような発表ができないのは一言で言って指導者の責任。なぜ指導者ができないのか、そこには本人にだけには押し付けられないかと根深い問題がある。免罪論にならないように機会を見て論じよう。

 

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地質学vs地球物理学

2021-01-24 08:04:10 | 科学

地質学vs地球物理学:表現は慎重に

 

科学とは、自然を人為的に分けて分野を作る。知るためには「境界を超えろ」という。

が、今いる自分の狭い分野が優位で、相手を上から目線で見下しても決して分野融合には繋がらない。

 

この風刺画像の質問に対する答えは何と問うている。

象(地質学)

ペンギン(物理学)

像が頭で胴以下がペンギン(地球物理学)

 

白髪髭老人が地球物理学を差し尋ねる

What the hell is this?(この何が奇妙?)

sns サイト上での投稿者の答え:

Geology is the way post. 

(地質学がその道を示す)

元をたどろうとしましたが、炎上したのか既に削除されていました。GAFA系SNSでは、

今後、発信と応答も気をつけろ、ということなのでしょうか?

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終活(4)研究整理

2021-01-24 02:25:14 | 科学

研究

研究の終わりは、国際誌への公開で終わるものと信じて人生を過ごしてきた。

終活の研究活動をどうするか、どのくらいの時間をかけて、するか。

締めくくりとするものは書かねばならない。執筆中のものが3本。それを年度内に・終えなければならない。

1本は  査読後の修正をほぼ終えた。明日投稿サイトへ。地惑星連合大会発表を申し込む。

1本は 3回rejectされているが、それも終えておくのが勤め。元の弟子などになっていただいている方々にも、プロジェクトにも迷惑がかかる。今月末までに投稿する。原稿はできているので、投稿モードへ調整。幸い、さる国際雑誌で関連するテーマ特集号募集が始まったので、そこへ。最近のreviewのいい加減さに少々、腹もたったが我慢の押し切りで。良い指摘もあるので。

1本は 新しいデータのお裾分けで、膨らんでしまった夢をつむいでいる、が、年度末までに最初のドラフトへ。

そして、この執筆過程で使用したデータやサンプルを後世の研究者が、再度研究できるように整理し、永久保存できるようにしてやらねばならない。ここが日本は体制が極めて脆弱。そこは、学界活動としても未来へと繋がねばならない。

今の政権に睨まれているが、日本学術会議の中の地球惑星科学委員会の中にデータ永久保存やサンプル永久保存に関して、集中的に検討して提言を出す小委員会を発足させるという。そちらへのお手伝いも終活として取り組みたいと思っている。これは単に研究者だけの問題ではなく、国の知的財産の根幹に関わる問題だからね。データやサンプルのポイ捨てはいかんからね。

国際誌と記したが、日本の科学にとって避けて通れないのが 言葉の問題。それもどうするのか、終活としてどのような実行とメッセージを残すのか、記しておこうと思う。 (続く)

 

 

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